OREAD Diary
March 1-31, 2010


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March 31, 2010 Wednesday

2009年会計年度の最後の日。明日からいよいよ新年度。

今夜は団体の予約があり、早目にオーリアッドへ。料理の手伝い。先ず、レアチーズケーキをつくるために、クリームチーズと生クリームをボウルの中でミックス。その後いろいろなものを加えて、個々の器に入れる。こんなに手間がかかるものとは知らなかった。スパゲッティはナポリタンとカルボナーラ。ピザはいつものミックスと、特別にシーフード。そのほか、チキンの照り焼き、茸のソテー、野菜サラダ、フルーツサラダ。前菜はハムにマスタードを挟んだもの。

初めて全面的に手伝ったが、大変。でもみなさんに喜んでいただけたようでよかった。特にフルーツサラダとレアチーズケーキは好評だったようだ。

今夜のソウルでのディランのセットリストが入ってきた。ディランが韓国で歌うのはこれが初めて。今夜一晩限り。まさに one-night stand。どのような反応だったのだろうか。2002年の秋、ぼくがソウルの高麗大学の野外シアターで「カムサハムニダ、イ・スヒョン」を歌ったとき、韓国のバンドが Knockin' on Heaven's Door を歌った。素晴らしい演奏だった。韓国では有名なロックバンドだと教えられたが、名前を覚えていない。


All photos by s. miura.

1978年3月にディランが初来日したときは、マスコミも含めて熱狂的な歓迎だった。ひょっとしたら韓国でも今回同じような反応があったのかもしれない。少なくとも、あのバンドのメンバーたちは聴衆の中にいただろう。

March 31, 2010 Seoul, South Korea

1. Rainy Day Women #12 & 35
2. Lay, Lady, Lay
3. I'll Be Your Baby Tonight
4. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
5. The Levee's Gonna Break
6. Just Like A Woman
7. Honest With Me
8. Sugar Baby
9. High Water (For Charley Patton)
10. Desolation Row
11. Highway 61 Revisited
12. Shelter From The Storm
13. Thunder On The Mountain
14. Ballad Of A Thin Man
(1st encore)
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. All Along The Watchtower
(2nd encore)
18. Blowin' In The Wind


March 30, 2010 Tuesday

いい天気になったが、気温は相変わらず低い。

一昨日のLSEC のクラスでのディクテーションの中に、夫が結婚記念日を忘れて、妻に呆れられるという会話があった。それなのに、昨日四日市の小林さんから、「3月29日結婚40周年」というメールと、お孫さんに囲まれているご夫妻の写真が届くまで、わが家の記念日のことをすっかり忘れていた。小林さんの記念日の次の日。

「おかげで助かりました」とメールを打つと、今朝、お祝いにと花の写真が送られてきた。35年。一瞬の夢の如し。



今日は満月。Worm Moon、虫月、ミミズ月(?)。暖かくなって虫が動き出す頃。でも今年はなかなか暖かくならない。地面はまだところどころ雪に覆われている。新しいカメラで満月を撮った。前のカメラとは違って、かなり大きく撮れる。



ノラ・ジョーンズが歌うディランのI'll Be Your Baby Tonight.のYouTubeを見つけた。これはいい。
http://www.youtube.com/watch?v=o7PHHS3Wo08

ディランのオリジナル・ヴァージョンはこちら。John Wesley Harding (1967)。
http://www.youtube.com/watch?v=diMtRo0R9Us&feature=related


March 29, 2010 Monday

朝目が覚めたら、寒い。外を見たら雪。膨らみ始めた梅や椿の蕾にも、雪。今年は確かに異常気象だ。暑くなったり寒くなったり。三寒四温の域を脱している。



今朝、元気のいい女性の声で電話があった。「ミウラ・キュウさんのお宅ですか」。昔京都で勤めていた学校で、「キュウさん」と呼ばれたことはあったが、それ以外は一度もない。その人は続いて「先日は助けていただいて、ありがとうございました」と言う。「えっ、助けたって、どういうことですか」。彼女は名前を言うが、聞き覚えのない名前である。

一瞬手の込んだ押し売りか勧誘かと思ったが、「主人が倒れているのを助けていただいて」という言葉を聞いて、一週間ほど前、道の真ん中に人が倒れていて、救急車を呼んだことを思い出した。

その必要はありませんと言ったのに、昼前、お二人で訪ねてきてくださった。二つの病院で検査をしてもらったが、大きな瘤が頭にできただけで異常はなかったとのこと。「どこに倒れていましたか」と奥さんが聞く。本人はまったく記憶にないらしい。中村屋のお菓子の折をいただく。先日の朗読の会以来、中村屋づいている。お返しに『碌山』のCDを差し上げる。不思議な出会いといえば出会いである。

ディラン、日本での最終日、初めて2度のアンコールにこたえて、最後に「風に吹かれて」を歌ったようである。「妻の故郷 (My Wife's Hometown)」は初めて歌ったのではないかと思う。それに Forever Young も。明後日は韓国ソウルでコンサート。中国でも歌うといわれていたが、それはなくなったようだ。


March 29, 2010

1. Rainy Day Women #12 & 35
2. It's All Over Now, Baby Blue (Bob on guitar)
3. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
4. My Wife's Home Town
5. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
6. Spirit On The Water
7. Cold Irons Bound
8. Desolation Row
9. The Levee's Gonna Break
10. When The Deal Goes Down
11. Highway 61 Revisited
12. Can't Wait
13. Thunder On The Mountain
14. Forever Young
(1st encore)
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. All Along The Watchtower
(2nd encore)
18. Blowin' In The Wind


March 28, 2010 Sunday


8時半から村の小宮の御柱綱打ちが公民館の前庭で行なわれた。長老から若者まで大勢の人が集まり、綱が打たれた。9本の細い縄が先ず3本になり、それが最後一本の綱になる。2本の御柱用に4本の綱が用意された。11時、直会。




午後コンピュータの前で、うたたね。夜は岡谷のイルフプラザへ。Lake Suwa English Club。先ず Sailing, Amazing Grace, Yesterday などを歌う。始めたころに比べると隔世の感。リズムと発音がよくなった。そのあと Steve Jobs のスピーチの英語のスクリプトを配り、日本語訳を読む。すでにこの日記を読み、YouTube を聞いていた方がいた。最後に宿題のディクテーションの答え合わせ。

ディランのコンサートも今日と明日のみ。今夜のセットリストで目立つのは Love Minus Zero/No Limit と Simple Twist of Fate。アンコールの最後は今夜も「風に吹かれて」。

March 28, 2010

1. Gonna Change My Way Of Thinking
2. Love Minus Zero/No Limit
3. I'll Be Your Baby Tonight (Bob on guitar)
4. Simple Twist Of Fate
5. Tweedle Dee & Tweedle Dum
6. Shelter From The Storm
7. Summer Days
8. Workingman's Blues #2
9. High Water (For Charley Patton)
10. Tryin' To Get To Heaven
11. Highway 61 Revisited
12. Nettie Moore
13. Thunder On The Mountain
14. Ballad Of A Thin Man
 (encore)
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. Blowin' In The Wind


March 27, 2010 Saturday

午後1時から、「辰野町北部農業集落排水処理施設維持管理組合」の新旧理事の引き継ぎ会 at 唐木沢公民館。これでこの組合の任務は完全に終了。唐木沢の理事の一人は中学時代の同級生の松澤君。慰労会で横にすわって話す。定年退職後、八畳間ほどの工房を自分で建て、仏像を彫っているという。帰りに寄って見せてもらう。仏像もさることながら、彼が一人で建てたという小屋に感銘を受ける。彼はまさに「職人になったおじさんたち」の一人。

藤森さん、「もうすぐ一年生」「Change]「おまえの歌が聞こえる」「人生に勇気」。会社が新しい社屋に移転しばかりで、愛音ちゃんはもすぐ一年生。まさにチェインジの春。丸山俊治さん。「新宿に降る雪」「とうもろこしの葉っぱ」あなたと共に」「雪のかくれんぼ」。3曲目は新曲。藤森さんのアドバイスを受けて書いたフラットピックで弾く初めての歌とか。

赤羽さん、「風車」「森の小道」「許し」「千両梨の実」。最後の曲は、大月高志さんのサポートで。続いて大月さん、Yesterday と Canon。大月さんと一緒にやってきた佐藤光子さん、Tennessee Waltz。声量たっぷりの堂々たる歌いっぷり。森西さん、先ず2週間前の高所恐怖症の猫捕獲大作戦について語ったあと「亀の遠足」。ここで休憩。ボブ・ディランの Under the Red Sky。








後半トップ、ぼくが『ポジティブリー寺町通り』から3曲。先ず、アルバムタイトル曲、そして「電線の上の一羽の鳥のように」と「可憐なキャレン」。すべて30年以上も前の曲。藤森さん「小さな幸せ」「東京青春朝焼け物語」「春うらら」。丸山さん「ぶどう畑の散歩道」「アディオス・ハカランダ」。そして大月さんのサポートで、新曲「あなたと共に」をもう一度。ピアノが入るとまた新鮮。赤羽さん「人生の海の嵐に」と「ホボーズ・ララバイ」。最後に大月さんに「栄冠は君に輝く」をリクエスト。忙しくて気づかなかったが、春の選抜野球がもう始まっている。

その後、しばし歓談。森西さんの義理のお兄さん、クレイトンが御柱を見にやってくるとのこと。相撲が好きで御柱の好きなアメリカ人。

家に戻り、写真をアップする。新しいカメラの映像は明らかにクリアーで、きれい。しかし、どうも味に欠ける。例えば、赤いギターの色。今まで使っていたカメラの映像のほうが、実際のギターの色に近い。色の調節ができるのだろうか。


March 26, 2010 Friday

新しいカメラの調子が悪かったのは、メモリーカードを初期化してなかったからと判明。マニュアルを見ながら、なんとか初期化する。試し撮りに庭に出てシャッターを押す。今度は大丈夫。足元をみたら、落ち葉の下から、たくさんのふきのとうが顔をだしている。あるわ、あるわ、手に持てなくなって、箱をとってきた。何と言う鮮やかな緑だろう。



お昼にはふき味噌、夕食には天ぷら。口の中にふきのとうの独特な苦味が広がった。自然の恵のありがたさ。

6時、オーリアッド。寒いことは寒いが、日が長くなったことが実感できる。まだ明るい。開店後しばらくして、3人の「おばさん」。相馬黒光をフィーチャーした先日の「お話を聴くひととき」の記事を新聞で見たとのこと。3人ともはるか昔、安曇野からこの町に嫁いできた方々とか。朗読の会のイベントを事前に知っていたら、是非参加したかったと残念そう。有明山、常念岳、万水川、彼女たちにとっては、ふるさとそのもの。『碌山』のCDを買って下さった。

遅くに、団体が一組。帰りに徳本水で2リットルのペットボトル2本に水を汲む。午後きたときは、混んでいて汲めなかった。痩せるためには、ミネラルの入った天然の水を大量に飲むといいと知り、最近は徳本水の水をできるだけ飲むようにしている。特に朝起きたとき。この水を飲み始めたら、水道水のカルキ臭が気になる。以前はまったく感じなかったのに。

ボブは今夜、最後に「風に吹かれて」を歌ったようだ。聴衆のどよめき、歓声が聞こえてくるようだ。

1. Leopard-Skin Pill-Box Hat
2. Lay, Lady, Lay
3. Just Like Tom Thumb's Blues
4. Every Grain Of Sand
5. Summer Days
6. Sugar Baby
7. Tweedle Dee & Tweedle Dum
8. Make You Feel My Love
9. Honest With Me
10. Po' Boy
11. Highway 61 Revisited
12. I Feel A Change Comin' On
13. Thunder On The Mountain
14. Ballad Of A Thin Man
(encore)
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. Blowin' In The Wind


March 25, 2010 Thursday


一日中、冷たい雨。午後2時、役場の有線放送のスタジオへ。今月末までにと頼まれていた有線放送「朗読サロン」の録音のため。宮沢賢治の「告別」「野の師父」のふたつの詩を読む。後者は難しい言葉がたくさんあって、朗読には向いていないかもしれないと思ったが、録音したものを聞くと、悪くない。難解な語がいくつかあるが、賢治の老いた農夫(老賢者)への思いは、充分に伝わる。放送は4月の初め。我が家にはそれを聞く有線電話がない。

6時、オーリアッド。レナード・コーエンの Live in London の DVDが一枚売れた。中年の女性のお客さん。スパゲッティをつくって厨房から出てきたら、「いいですね、この人の声は。スピーカーがいいからかしら」。「スピーカーじゃなくて、この人の声がいいんです」。しばらくレナードについて薀蓄を傾ける。帰り際にその人は「今自分のためにお金を使う余裕はないのだけれど、私へのご褒美に一枚いただくわ」と言って買ってくださった。このDVDだけは、どなたにも勧めたい。素晴らしい一枚。一昨日も新宿で、このアルバムの話題で大いに盛り上がった。

一昨日購入したカメラはまだ使いこなせないが、今夜、オーリアッドを閉める前、マニュアルを読み、何枚か撮ってみた。フラッシュは焚かなかったが、かなりきれいに撮れている。

今夜のボブのセットリスト。4曲目「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」、6曲目「北国の少女」は聞きたかった。でも昨夜のセットリストにはかなわない。

1. Watching The River Flow
2. It's All Over Now, Baby Blue
3. The Levee's Gonna Break
4. Just Like A Woman
5. Things Have Changed
6. Girl From The North Country (Bob on guitar)
7. High Water (For Charley Patton)
8. A Hard Rain's A-Gonna Fall
9. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
10. Love Sick
11. Highway 61 Revisited
12. When The Deal Goes Down
13. Thunder On The Mountain
14. Ballad Of A Thin Man 
(encore)
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. All Along The Watchtower


March 24, 2010 Wednesday

11時、チェックアウト。朝から本格的な雨。長男と待ち合わせ、新宿中村屋で昼食。インドカリー。美味しかった。その後、西口の高速バス停へ。時間があったので、ヨドバシカメラへ。店内を回っていたら、小型の一眼レフが目に入ってきた。手に取ると、実に軽い。持ちやすい。新製品とのこと。手ごろな値段。衝動買い。Nikon COOLPIX P100。

辰野に着いても雨。家に着くと、猫たちが玄関にひっくりかえって、出迎えてくれた。いい子にしていたようだ。

夜、オーリアッド。7時、家人と交替。毎週水曜日6時少し過ぎ、一人のお客さんがやってくる。彼が決まってリクエストするのは、The Future。コーエンの Live in London disc one の2曲目。Repent と繰り返されるところが、「ルパン」と聞こえるらしい。だから、今夜もお店に入ると、出迎えてくれたのはコーエンの歌声。Tower of Song 。

遅くにディランの今夜のセットリストが届く。今夜のセットリストは凄い! 昨夜歌わず今夜歌ったなかで聞きたかったのは、2.4.7.8.9.12.特に8曲目「ブラインド・ウイリー・マクテル」。

1. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
2. It Ain't Me, Babe (Bob on guitar)
3. Rollin' And Tumblin'
4. Mr. Tambourine Man
5. Cold Irons Bound (Bob center stage on harp) 
6. Sugar Baby (Bob center stage on harp) 
7. Desolation Row
8. Blind Willie McTell (Bob center stage on harp, Donnie on banjo) 
9. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
10. Can't Wait
11. Highway 61 Revisited
12. If You Ever Go To Houston
13. Thunder On The Mountain
14. Ballad Of A Thin Man 
(encore)
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. All Along The Watchtower


March 23, 2010 Tuesday


ボブ・ディランのコンサートを見るために東京へ。東京へ行くのは、昨年12月の年末ライブ以来。会場は、お台場の Zepp Tokyo。長男の案内で会場へ。よくTVで見かけるテレビ局の建物や観覧車の前で記念撮影。完全にお上りさん。

2時間のコンサート。驚いたことに、1階オールスタンディングのフロアーには、意外と若者が多い。今年5月69歳になるディランの歌声は力強く、10年ほど前に感じた肉体的な衰えを感じさせない。CDで聞いた時はあまり馴染めなかった最近のアルバムに顕著なトム・ウエイツ風の歌い方も、激しいバンドの演奏とともにライブで聞くと、違和感がない。圧巻は、アンコールの1曲目 Like a Rolling Stone 。アンコール2曲目の Jolene はCDで聞いたときより説得力があった。

ディランがギターを弾いたのは Under the Red Sky 1曲のみ。あとはキーボード。できたら1曲アコースティックギターを弾いてソロで歌ってほしかった。それが Tomorrow Is a Long Time だったら最高だったのだが。

終了後、外に出ると雨。新宿へ。栗原さん、白木さん、和田さんと歌舞伎町の居酒屋で会食。ディランとコーエンについて語りながら、久しぶりに痛飲。午前2時まで。楽しかった。




Setlist, March 23
1. Cat's In The Well
2. It's All Over Now, Baby Blue
3. Summer Days
4. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
5. Forgetful Heart
6. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
7. John Brown
8. Under The Red Sky (Bob on guitar)
9. Honest With Me
10. Masters Of War
11. Highway 61 Revisited
12. Shelter From The Storm
13. Thunder On The Mountain
14. Ballad Of A Thin Man
(encore)
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. All Along The Watchtower


March 22, 2010 Monday

午後1時半から、朗読の会「ひびき」による「お話を聴くひととき」。今年で11回目。ぼくが参加させてもらってから3回目。毎年それぞれ趣向をこらして、聞きごたえがあるが、今年は特に素晴らしかった。教育的 (instructive) であると同時に、エンターテイニングだった。相馬黒光の幼少期から晩年までを、朗読と「碌山」の歌を絡ませて辿るというもの。今まで知らなかった黒光さんの幼少期や晩年の生活の一端を知り、大いに学ぶところがあった。

「ひびき」は目の不自由な方々に、広報などをテープに吹き込んでお届けするボランティアグループ。今日も何人もの目の不自由な方がお見えになっていて、楽しんでもらえたようだ。中でも、元気のいいAさんは、最後に立ち上がって、今日の朗読に感動した旨の感想を述べたが、「ひびき」のメンバーにとってはうれしい言葉。オーリアッドとしても、このようなイベントに使っていただけるのは、オーリアッド設立の主旨にかなっていて、実にありがたい。




今日の会の成功に少なからず貢献した原田和夫さんの印刷と、赤羽真理さん手作りの額の「女」像は、多くの方々に絶賛された。感謝。

  両手を後に回し、ひざまづき
  何かから逃れようと、身体をよじり
  顔を上げ、光を求める自分の姿
  その人はその場に崩れ落ちた

今日の会でうれしかったことのひとつは、「臼井吉見の『安曇野』を歩く」の著者、赤羽康男さんが聞きにきて下さったこと。それに辰野美術館の館長さんも。


March 21, 2010 Sunday

碌山の「女」像の垂れ幕を枠にはめるため、午後1時半、赤羽真理さんが工具箱持参できてくれた。この枠は赤羽さんが部屋の暖房用に作ったつい立の枠で、かなり大きい。それを垂れ幕に合わせる作業。寸法を測り、余分な枠の部分を鋸で切り落とし、少し小さめの枠を作り、それに垂れ幕を裏から貼り付ける。見事な額入りの「女」像が出来上がった。写真を撮ろうとしたら「フラッシュカードがありません」。明日、朗読の会の方々は、お店に入ってこの額を見たら驚くことだろう。

赤羽さんを見送り、あと片づけをして、上辰野経由で家に向かう。最近まで長い間工事中で、しばらく通ることのなかった農道を北へ進む。北のはずれ、農道がクランク状に曲がっているところがある。そのクランクを曲がった途端、15メートルほど前に何かが横たわっている。人だ!直前で車を止め、降りて近寄ってみる。身動きしない。声をかけても反応がない。尿が大量にもれて側溝のほうまで流れている。

救急車を呼ぼうと何度か電話をするが繋がらない。手が震えている。家人に電話をし救急車を呼ぶように頼む。家人がケイタイから電話できるといいながら、番号を言う。しまった、 911 にかけていた。アメリカの救急車を呼んでどうする。119だ。繋がった。ぼくが電話をかけている間に、ぼくと同じ村の人が通りかかり、車から降りてきて、倒れている人に話しかけている。少し反応がある。救急車が到着するまでに、倒れていた人は、かなり意識を取り戻し、救急車に運び込まれるときには、自分の名前を言うこともできた。その名前から、家族に連絡できるので、ぼくは同行しなくていいとのこと。よかった。

夜になって、その人の息子さんから電話があった。意識は回復したが、今晩は検査のため入院するとのこと。大事に至らなくてよかった。

明日は、午後1時半より、オーリアッドにて、朗読の会「ひびき」による、「お話しを聴くひととき」。テーマは相馬黒光。「女」像のモデル。

明後日は、Bob Dylan at Zepp Tokyo。

な、なんと、今夜、東京初日、ボブは「ミスター・タンブリンマン」を歌ったそうな。それに、一昨日の名古屋では「エブリ・グレイン・オブ・サンド」。


March 20, 2010 Saturday

松本大学6号館にて「まちの縁側楽会」が行なわれた。10時半会場着。30の団体(そのうちの多くは Non-profit Organization 非営利組織)が、与えられた机三分の二のスペースに持参した掲示物などを展示。正直なところ、「楽会」の主旨がよくわからないまま、誘われるままに参加したのだが、多くの地域で様々な活動をしている方々にお会いできてよかった。





メインの講演をされた延藤安弘さんのイタリアと日本の「縁側」を巡るスライドとお話しがよかった。話術の巧みさに感嘆させられる。オープニングに「オーリアッドバンドの歌」、そして最後に「祈りの歌」を歌う機会が与えられた。丸山さんは、最後、ぼくの前に「職人になったおじさんたち」を歌う。定年退職された方々のボランティアグループが多かった今日の会にふさわしい歌。丸山さんには、機材の運搬、展示設定を手伝っていただいただけでなく、オーリアッドを代表して、ビンゴで3等獲得!景品の長芋10本は、山分け。

                   ■

オーリアッド、ぎりぎりセーフの7時開店。最初にお見えになったのは飯塚さんとお友達。飯塚さん、「3月20日は記念日なんです。10年前の今日、初めてトシさんの歌を岡谷で聞きました」。

トップバッターは、原田和恵さん、アルパの演奏。2曲。アルパの繊細な音をマイクがひろえず、ボリュームを上げようとして、ハウリングを起こし、ご迷惑をかけた。次回からはラインでアンプにつなぐことができそう。藤森和弘さん、会社の移転などで忙しかったようだ。「人生に勇気」「子守唄のように」など。久しぶりに歌ったとのこと。いつもより若干テンポが遅く聞こえたが、そのせいかどうか、説得力が増していたような。

丸山さん、「楽会」のあと、一旦家に戻り、それから、かけつけてくれた。2日前にはスキーにもいったとか。すごい体力。新曲「雪のかくれんぼ」「三角広場に桜咲くころ」など。ここ数年ですでに20曲以上書いたとのこと。ぼくは一年にかろうじて1曲。大月さん、「カノン」。年度末のこの時期は忙しく、少々体調が悪いとのこと。季節の変わり目、身体にはお互い気をつけたいもの。しまった、リイチさんのCDを渡すのを忘れた。

赤羽真理さん、「鹿のように」「バラは憧れ」など。そして前半最後にぼくが『ポジティブリー寺町通り』から2曲。「明日は遠く」と「俺のいない町」。ここで休憩。






後半、原田さん、ピアノ弾き語りで3曲。「そばにいるよ」「約束の知恵」など。いつ聞いても、美しい声。藤森さん、「小さな幸せ」「もうすぐ一年生」など。愛音ちゃんも、ほんとうにもうすぐ一年生。丸山さん「あの道この道」「職人になったおじさんたち」など。後者はフルバージョンで。「楽会」では時間の関係でショートヴァージョン。

次に飯塚さんに10周年記念について語ってもらう。飯塚さんが話したように、この10年には本当にいろんなことがあった。10年は長いようで短いようで、長い。岡谷でトシさんの歌を聞いてから、南箕輪に建設予定だった子供未来科学博物館の建設反対運動にトシさんを呼んだことがのめり込む発端になったとか。本当によかった、あのような異様な建物があの美しい赤松林に建たなくて。この10年で、みんな変わった。もっとも変わったのはトシさんかも。

赤羽さん「森の小道」と「千両梨の実」。ぼくが「こおろぎが歌うように」と、かろうじて歌詞を思い出した『ポジティブリー寺町通り』に収められている「俺もおまえも一人ぼっち」。あとで家人曰く、「全然違う歌になっていた」。ディラン的といえば聞こえがいいが。

遅くなって、原田和夫さん。碌山の「女」像の垂れ幕をもってきてくださった。朗読の会「ひびき」が明後日(3月22日)の「お話しを聴くひととき」のためにお願いしたもの。どんなふうに見えるか壁に掛けさせてもらう。実物よりも大きい。すごい迫力。それを見て赤羽真理さんが、これに合う枠があるとのことで、家からもってきてくださった。大きな頑丈な枠。明日の午後、一緒に枠にはめる作業をすることに。

ビートルズの『サージャント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の2曲目 "With a Little Help from My Friends (友だちの少しの助けを借りて)"さながら、Non-profit Organization ならぬ No-profit Organization のオーリアッドは、なんとかget by。


March 19, 2010 Friday

日中はかなり気温が上がり、いよいよ春、と期待したが、夜はかなり寒い。

明日の「まちの縁側楽会」のプレゼンテーション用に、オーリアッドで行なわれた過去のイベントの写真を探してプリントアウト。オーリアッドを再開してから今年の6月で7年。いろんなイベントを行なってきたものだ。飛び入りライブはほぼ毎週。文字通り、雨の日も雪の日も。写真を見ながら、感慨深いものがあった。

いつものことながら、切羽詰らなければ何もアイディアが湧かないゆえ、今回も、ここにきてあわてている。充分とはいえないが、何とか形になりそう。

それにしても、この間のコンピュータ、インターネットの発達には驚かされる。オーリアッドを再開したころは、写真や曲を送ることは不可能だったし、大量に写真を保存することもできなかった。初期の頃の資料が乏しいのは、そのせいである。

夜、オーリアッド。「豊田勇造コンサート」の予約の電話がいくつか。

「DYLAN が ROCK」の disc two を聞きながら、Suze Rotolo の A FREEWJEE;OM' TIME - A momoir of Greenwich Village in the Sixties を読む。ディランの2枚目のアルバム・カバーの女性である。「明日は遠く」で歌われた女性。スージー・ロトロ。日本語訳がすでにヘッケル菅野訳で出ている。

明日のオーリアッドは上記イベント参加のため、午後7時オープン。


March 18, 2010 Thursday

今日も寒い一日。朝から、昨日とりつかれた Spyware を除去しようとして悪戦苦闘。Total Vista Security というインチキ・アンチ・ウイルス・プログラムを購入させようとするもの。昼頃になって、コンピュータを再起動し、AVG Anti-Virus でスキャンしたところ、トロイの木馬が出てきた。それを駆除し、もう一度再起動したら、しつこい攻撃がようやくなくなった。

もし、みなさんのコンピュータの動きが悪くなり、Total Vist Security と称するプログラムから、「クレジットカードの番号が盗まれる危険あり」というような警告が頻繁にポップアップしても、あわてて、有料のインチキ・セキュリティ・プログラムをダウンロードしませんように。それこそ番号が盗まれる危険をおかすことになります。

夜、オーリアッド。みうらじゅんさんが選曲した 「DYLAN が ROCK」の disc one を聞く。1曲目、Tombstone Blues。久々に聞いた。ロックだ。1枚目から最後の17曲目 All Along the Watchtower まで、オール・ロック。Blonde on Blonde からは Absolutely Sweet Marie と Memphis Blues Again の2曲。やはり、この「水銀のような」サウンドがぼくは好きだ。

今夜の名古屋での初日、雨が降っていたせいか、「雨の日の女」 (Rainy Day Women #12 & 35) から入ったようだ。

少し、歌の練習。「オーリアッド・バンドの歌」など。


March 17, 2010 Wednesday

太陽の降りそそぐ美しい日。しかし、風は冷たい。「早春譜」の歌詞そのまま。

午後、定期健診。先生が開口一番「おっ、痩せましたね」。ここ数日何人かの人にそういわれた。ようやく成果が出てきたかも。それでもまだ減ったのは4キロほど。それにこの一週間はまったくの変化なし。今までの倍は落とさねば。

午後、ようやく演題を決め、送る。もう少しいいものをと思ったが、もう時間がない。

夜、オーリアッド。ビートルズ好きのお客さんが団体で。久々何枚かのビートルズ・アルバム。ボックスセットを持っていってなかったのが悔やまれる。Magical Mystery Tour, Abbey Road, Help, Revolver...。久々に聞く Because や You Never Give Me Your Money のメロディの美しいこと。

11時過ぎ閉店。帰りに徳本水の水を汲む。夜中でも水を汲みにきている人がいる。今夜は誰もいなくて助かった。一人でダンボールいっぱいの2リットル入りペットボトルに水を汲んでいる人がいたりする。

パソコンの調子がおかしい。Total Vista Security と称する Spyware にとりつかれたみたいである。

↑上記Spyware は、AVG Anti-Virus で「トロイの木馬」を駆除し、再起動したところ、いなくなりました。またいつ顔を出すか分かりませんが。(3/18/10)


March 16, 2010 Tuesday

朝起きたら雨。家人の言うには夜中にかなり強く降る音がしたとのこと。昼前には止み、少し太陽も顔を出した。昼過ぎ、徳本水まで水汲みに。水を汲みにいくだけでも運動になる。一週間ほど、この水を飲んでいる。この水を飲み始めたら水道の水が飲めない。今までは感じなかったカルキのにおいが気になる。

5月に予定されている講演のタイトルを考えているが、いいタイトルが思いつかない。そろそろ主催者にプロフィールと一緒に送らねば。終日コンピュータの前。考えれば考えるほど、わからなくなる。

昨日の Kobun Chino Otogawa 老師に話を戻すと、彼は、2002年の7月、池に落ちた5歳の娘を助けようとして溺死したと、次のサイトに書かれていた。残念ながら、娘も助からなかったようだ。http://www.jakkoan.net/Kobun/

彼の弟子の一人、ジェリー・ハルパーンは次のように述べている。

おそらく指導者としての老師のもっとも素晴らしい特質は、弟子たちに自分自身の人生を生きるよう求め、そうするために、自由であることを奨励したことである。彼は弟子たちに彼に依存することを許さなかった(あるいは依存することを許して搾取することをしなかった)。

この言葉はスティーブ・ジョブズのスピーチにも少し関係がありそうだ。老師の写真は次のURLから。確かにぼくがタサハラでお会いしたチノウさんだ。http://www.shakuhachi.com/LL-Otagawa.html


March 15, 2010 Monday

午後、伊那東部中学の三年生を対象にしたブックトーク。先ず最初にぼくが「風に吹かれて」を歌ったあと、上島先生がキング牧師やローザ・パークスに関する本を紹介。そのあと、ぼくが「ローザ・パークの歌」「I Have a Dream」を歌い、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学の卒業式でのスピーチの最後の部分を紹介し、「あの果てしない大空へ」を歌う。

最後、調子に乗って「ガビオタの海」まで歌ってしまったが、寒い体育館の床にすわっていた子どもたちには迷惑だったかも。反省。

前回見せてもらった子どもたちが紙粘土で作ったキング牧師の像を、帰り際にいただく。早速オーリアッドに飾らせてもらうことに。




そうそう、いつものように、「風に吹かれて」を歌ったあと、「ボブ・ディランという名前を聞いたことのある人?」と聞いてみたが、ひとつも手は上がらなかった。そういえば、現在来日中だが、あまり新聞やテレビで取り上げられている様子がない。初来日のときのメディアの取り上げ方は異常なほどだった。明日まで大阪、そのあと名古屋。22日から東京へ来る。

                  


伊那から戻ってメールをチェックしたら、大学院時代の先輩からメールが届いていた。家族でカリフォルニアを旅行中で、マウント・ボールディに招待されて、コーエンの師、佐々木老師にお会いしたとのこと。老師はあと2週間で満103歳とのこと。しっかり2時間、提唱をされたというから、凄い!ぼくもできたらお供したかったが、今月のスケジュールでは難しかった。

禅といえば、今朝、スティーブ・ジョブズのバイオグラフィーをいくつか読んでいたら、彼の結婚式は仏式で行なわれて、その導師は Kobun Chino Otogawa だと書かれていた。そしてこの禅僧について調べたら、1967年、サンフランシスコ禅センターの鈴木俊隆老師に招かれてカリフォルニアに渡り、Tassajara Mountain Zen Center (タサハラ・マウンテン禅センター)で1970年まで鈴木老師のアシスタントとして指導したと書かれていた。漢字では乙川弘文。

そうすると、ぼくが1969年の夏にタサハラでお会いした禅僧がスティーブ・ジョブズに影響を与えた禅僧だったのだ。

1969年8月に帰国する直前、友人たちとタサハラの禅センターへ行った。以下は「ぼくが出会った歌、ぼくが出会った人」の第20回「電線の上の一羽の鳥」からの引用―

予約もなしに行ったわけだから、断られるかもしれないと思ったが、夜は野宿するという条件で、雲水と一緒に生活できることになった。剃髪し墨染めの衣を着 たアメリカ人の雲水を見るのはこれが初めてだった。20人はいたと思う。4時半に起床。その後、食事、作務、坐禅の繰り返し。午後には長い休憩もあった。指導していたのは「チノウさん」という日本人の禅僧だったが、チノウという名前を漢字でどう書いたのか思い出せない。 (http://www.nagano.net/journal/miura/980514.html) 

Kobun Chino Otogawa の Chino はローマ字読みのチノではなく、英語読みのチノウなのだ。そういえば、梶山先生に「タサハラに、京大で仏教学を学んだというチノウさんという禅僧がいた」と話したことがある。すると先生は彼の名前を言った。そのときは聞き取れなかったが、「乙川君だ」と言ったのだろう。確かにそう言ったように思う。


March 14, 2010 Sunday


宮木諏訪神社御柱祭、三の柱の木場出し。辰野町川島渡戸地区。今日は曳行ではなく、直会(なおらい)の接待係りに志願したので、8時に渡戸の公民館へ。直会の設営がほぼ終わったところで、料理が届く10時半まで、木場出しを見に山へ。途中の横川川の渓流が美しい。頭上の青空も。

樅の大木を山から曳き下ろす。威勢のいい木遣りが山中に響き渡り、氏子衆と梃子衆の「よいしょ、よいしょ」のかけ声とともに進軍ラッパが鳴り響き、御柱が急坂をすべり降りる。途中、ほぼ直角に川を渡すところで立ち往生。

そこまで見て、10過ぎ公民館に戻る。届いた150人分の料理を、三部落の接待係の人たちと、テーブルに並べる。11時半、無事御柱を川を渡し、里まで曳き出した男衆が戻り、渡戸地区御柱委員長の挨拶のあと、今村地区御柱委員長の乾杯の音頭で直会スタート。接待係も一緒に参加。おむすびの美味しいこと。




後片付けを済ませ、1時半帰宅。午後は明日のブックトークの準備など。

夜、ブックトークのための機材を取りにオーリアッドへ。車中、ニュースで今日春場所が始まったことを知る。朝青龍の強制引退で大相撲はどう変わるだろうか。そういえば、幕下まで下がった北桜が引退するというニュースが数日前に流れた。相撲好きのお客さんと数年前、松本の地方巡業を見に行った。その時、印象に残った力士が3人いた。安馬、豊真将、それに北桜。

安馬は大関に昇進し、しこ名を日馬富士に変え、豊真将は前頭5枚目でがんばっている。今場所は相撲好きのお客さんと話をすることができない。早くよくなって戻ってきてほしい。


March 13, 2010 Saturday

劇的なエンディングのある飛び入りライブになった。

誰もいない客席に向かって、「もう一度だけ」「旅立つおまえに」など日頃あまり歌わない歌を歌っているところへ森西ふみさん。彼女は、かつて所属していたフォークサークルの人たちが書いたという「心を込めて」「出会い」を歌う。両者ともにいい歌。その間に、花岡明生さんがバンジョーをもってやってきた。しかしバンジョーではなく、ギターで「再会」と「里山の冬」。前者は初めて聞く歌。ナターシャセブンの歌とか。いい歌である。花岡さんの声も実に味がある。

原田和恵さん、「ゴッド・ブレス・ユー」「あなたのなされることは」「君は愛されるために生まれた」。2曲目は伝道の書3章1-8節に基づいた歌。同じテーマのピート・シーガーの Turn, Turn, Turn より、優しく繊細。原田さんは3曲目「君は愛されるために生まれた」を歌う前、この歌がいかにして書かれたかを語る。以前にも聞いたことのある歌だが、その話を聞いてから聞くと、更に心に沁みる。

垣内彰さん、最近の生活の変化について語ったあと、彼が設計段階から完成させたある機械の話。完成したばかりで、うれしくて夜も眠れないほどとか。その気持ちはわかる。モノを創る喜び。それが人の役に立つものであればなおさら。ここで休憩。

後半トップは、赤羽真理さん。「ホーボーの子守唄」「旅人の木」、そして「今すぐに」と「許し」。後半2曲は昨年度の赤羽さんの成果。説得力がある。そろそろ帰るという花岡さんに「再会」をもう一度お願いする。

  
手紙をもらってびっくりしました 
  本当にあなたが今日も生きていたなんて
  この町、飛び出し帰ってこないと 
  叫んだあの声、昨日のようにおぼえてる
  10年前に消えたままのあなたに
  もう一度あえるなら、旅の話聞かせてね







森西さん、「自然の恵」を歌う前に、外に出たら猫の鳴き声がして気になったとのこと。その猫の鳴き声はぼくも気になっていた。原田和夫さん「キリストには代えられません」を歌う前、戦後の貧しい時代の子どもたちの豊かな遊びに言及。原田和恵さん、素晴らしい歌声で一曲。(前にも聞いた歌なのに、今タイトルが思い出せない)。そのあと、赤羽さんとぼくが加わって、「アメイジング・グレイス」。客席からも大きな歌声が聞こえてきて、いい雰囲気。

その後、しばし歓談。


                 ■

11時の閉店前に外に出て、鳴いている猫を探す。道の反対側から聞こえてくる。必死に助けを求めている。この鳴き声をぼくは昨夜遅くにも聞いて、少し探したが、どこにいるか分からなかった。道路を横切って鳴き声のするほへ歩くと、鳴き声は斜め前のガソリンスタンドの高い塀とその左側の家の間から聞こえてくるようだ。その真っ暗な空間を凝視するが、猫の姿は見えない。そこへ垣内さんが車を止め降りてくる。しばらくして彼が「あっ、いた」と叫ぶ。塀の上に黒い猫。暗闇に黒猫。時々目が光る。垣内さんは低い脚立をもってきて、その上に乗り、手を差し出すが届かない。ガソリンスタンド側には飛び降りることのできる物置の屋根もあり、猫は降りようと思えば降りられるのではないかという結論に達し、救出を断念。ぼくはオーリアッドへ、垣内さんは家へ。

オーリアッドに戻ると、一番テーブルで森西さんと原田さんがまだ話していた。二人は中学の先輩後輩とか。しばらくして二人はレジを済ませ、外に出る。我々も、照明をおとし、火の元と戸締りを確かめ外に出る。ガソリンスタンドのほうがなにやら賑やか。大勢の人々。その半分は通行人で、彼らが通り過ぎると、残ったのは4人。そのうち一人は梯子をもっている。近づくと、森西さんと原田さんと二人の警官。

森西さんの勇気に畏れ入った。必死に鳴く、荒れ狂う猫に手を出し、つかまえ、それを横にいた警官と一緒に梯子の中段で待機していた警官に手渡す。警官も、必死にもがく猫に引っ掻かれないようにつかまえ、下におろす。猫はすぐに走って暗闇に消えた。見事な救出劇。










垣内さんと猫を探しているとき、すぐ近くの警察署に、助けを求めるという発想は二人には起きなかった。大の男が二人、真夜中、猫を助けて下さいと警察署に頼みに行っても、耳を傾けてくれたかどうか。

森西さんと原田さんの頼みに快く応じ、救出してくれた警察官のお二人に感謝。最後の写真の三人の笑顔が素晴らしい。久しぶりにいい笑顔を見た。


March 12, 2010 Friday


朝10時30分から、朗読の会「ひびき」の発表会(3月22日)のリハーサル。ぼくが「碌山」の歌を何回かに分けて歌い、その間に朗読の会の方々が相馬黒光について書かれた文章を、あるいは彼女自身が書いた文章を、朗読するというもの。このアイディアを初めて聞いたときは、どうなることかと心配したが、やってみたら、とてもいい。感動的。相馬黒光の今まで知らなかったいくつかの側面を知ることができる。

  「第11回お話しを聴くひととき」
    ―相馬黒光
あの大正デモクラシーの時代を激しく生き抜いた女性・・・

  日時:3月22日(月・祭)午後1時開場、1時30分開演
  出演:朗読の会「ひびき」&三浦久
  会場:オーリアッド
  会費:500円(飲み物+新宿中村屋のお菓子付き)
  主催:朗読グループひびき

荻原山や相馬黒光に興味のある方は是非おでかけ下さい。

6時からオーリアッド。遅くに「夢の話が面白かったです」というお客さん。昨日昼寝したときに見た夢は、確かにインパクトのある不思議な夢だった。昨日書かなかったことがある。それは光と闇。砂漠の一方はまばゆいばかりの光。もう一方は漆黒の闇。その闇の中を、左手にはトマト、右手には皮をむいた玉葱をもって、交互にかじりながら、闇の中を進んだ。

ヒッチハイクをしようとしたとき、左手の親指を突き出したので、そこは日本だったに違いない。アメリカだったら右手のはず。そうすると、砂漠で道に迷ったときは若いときのぼくで、大通りでヒッチハイクをしようとしていたぼくは現在のぼくだったという解釈もなりたつ。

ディラン、大阪初日の Ballad of a Thin Man を次のURLから視聴できる。サウンドはかなりクリアー。映像はステージの照明器具なんかがやたらと映っている。それにしても凄い時代だ。ディランの歌い方がいい。
http://www.youtube.com/watch?v=CXeO5O9551A&feature=player_embedded#

ディラン、大阪2日目の菅野さんのレポートが白木さん経由で届いた。初日の17曲中、10曲変更したとのこと。今日は曲名のみ転載させていただく。(*印が変更された曲)

ボブ・ディラン3月12日 ZEPP大阪 

1. Leopard-Skin Pill-Box Hat*
2. Lay, Lady, Lay*
3. Beyond Here Lies Nothin'*
4. Don't Think Twice, It's All Right*
5. The Levee's Gonna Break
6. Just Like A Woman*
7. Tweedle Dee & Tweedle Dum*
8. Make You Feel My Love*
9. Honest With Me*
10. Po' Boy*
11. Highway 61 Revisited
12. I Feel A Change Comin' On*
13. Thunder On The Mount
ain
14. Ballad Of A Thin Man
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. All Along The Watchtower

この中でぼくの注目は Just Like a Woman。どちらかと言うと、昨日のセットリストのほうがぼくの好み。


March 11, 2010 Thursday

今日は晴天の美しい日。気温は低く、寒かったが。

午後、昼寝をしたら不思議な夢をみた。砂漠で道に迷って困っていたら、若者が後から、コーエンの「ハレルヤ」を歌いながら近づいてきた。突然、日本語の歌詞が混じる。素晴らしい歌詞だ。それで「それは誰が書いたの?」と聞いても黙っている。確か、Who wrote it? と英語で話しかけていたので、外国の砂漠で、その若者も外国人だったと思う。彼は何も言わず、ズボンを下げ、横になり、彼の下半身の生々しい傷を見せた。ぼくはどうしてやることもできず、ただ You must be honest when you see a doctor. と言って、彼をそこに残して文字通り手探りで歩き始めた。しばらく歩くと大通り出た。車が行き交っている。親指を突き出してヒッチハイクをしようとして、「ヒッチハイクをするには歳をとり過ぎているかな」と考えているところで目が覚めた。

昨日のCNNの記事の影響だろうか。砂漠に残してきた若者はぼくの半身か。ユングの言うシャドーか。

夜、オーリアッド。ジブランの会の方々。

今日はボブ・ディラン・ツアーの初日。ZEPP大阪。遅くに、菅野さんのレポートが、ソニーの白木さん経由で届けられた。20分遅れでスタートし、正味1時間50分のコンサート。セットリストは新旧織りまじっていて楽しみ。ぼくの一番の注目は To Ramona。

ボブ・ディラン3月11日 at ZEPP大阪 19時20分―21時10分

  ボブは上下黒の衣装、パンツのサイドに赤色のストライプ。
  黒のスペイン帽子。ピンクのシャツ。

1. Watching The River Flow 
ボブ:キーボード、 注目の2010年の幕開きは、2009年秋のツアーでもオープニングでよく歌われた「河の流れを見つめて」。

2. Girl From The North Country 
ボブ:ギター。トニー:ウッドベース、 ステージを包むように設置された黒幕に美しい雪模様のように照明が当てられた。ボブとチャーリーがツインリードで絡み合う。

3. Things Have Changed 
ボブ:ギター。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。ボブのリードギターが冴える。

4. To Ramona 
ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース。ボブが艶やかなヴォーカルを聞かせる。

5. High Water (For Charlie Patton) 
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:バンジョー。ボブは両手を広げ、セクシーなポーズを決める。エンディング近くでハーモニカを演奏。

6. Spirit On The Water 
ボブ:キーボード&ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。トニー:ウッドベース。「ピークが過ぎたと思っているのかい?」と歌う最後の部分では、日本の観客も「ノー!」と反応した。

7. The Levee's Gonna Break ボブ:キーボード。ドニー:マンドリン。トニー:ウッドベース。照明が効果をあげる。

8. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met) 
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク。ドニー:ペダルスティール。鍵盤のような縦縞の模様の照明がバックの黒幕にあてられる。

9. Cold Irons Bound 
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:ペダルスティール。両手を広げ、決めのポーズを何度もとる。

10. A Hard Rain's A-Gonna Fall 
ボブ:キーボード。トニー:ウッドベース。ドニー:マンドリン。スチュ:アコースティックギター。スタッカートのリズムで美しいメロディを刻む。最後にボブは「どうだった」と問いただすかのような仕草を見せる。

11. Highway 61 Revisited 
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。こんがらがった輪っかのような照明が当てられ、ボブは上半身を上下に揺するノリノリダンスを披露。ステージ上でミュージシャンたちがエネルギーをぶつけ合う。ジャムバンドの極みを見た。

12. Can't Wait 
ボブ:ステージ中央、ハーモニカ。ドニー:。マンドリン。バックの黒幕に映し出されたシルエットが幻想的でドラマチックなムードを高める。

13. Thunder On The Mountain 
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。スチュ:アコースティックギター。この夜初めてステージ全体に明るい照明が当てられた。ボブのリードオルガンに呼応するようにチャーリーのギターが絡み合う。

14. Ballad Of A Thin Man 
ボブ:ステージ中央、ハンドマイク&ハーモニカ。黒幕にシルエットが映し出され、ボブは腰を深くかがめて得意ポーズを何度も決める。

  メインセットが終わり、10分後にアンコールセットがはじまる。
  バックに大きなアイロゴの幕が飾られる。

(アンコール)
15. Like A Rolling Stone 
ボブ:キーボード。ドニー:ペダルスティール。コーラス部分で、客席にスポットライトが当てられる。

16. Jolene 
ボブ:キーボード&ハーモニカ。トニー:ウッドベース。リードキーボードといわんばかりに、ボブがみんなを引っ張る。

  メンバー紹介:この夜、歌以外でボブが声を発したのは、このときだけ。

17. All Along The Watchtower 
ボブ:キーボード。スチュ:リードギター。ボブが5人のミュージシャンをぐいぐいと引っぱり、エネルギーのほとばしる自由な絡み合いがステージで展開。究極のジャムバンドの演奏をバックに、自由に歌うボブは、まさにことばの魔術師のようだ。

  場内の明かりがついても、アンコールを求める拍手と歓声は
  静まらなかったが、ボブは戻ってこなかった。
                             
Report by 菅野ヘッケル


March 10, 2010 Wenesday

大雪。雪かき。旧道、家のまわり。そしてオーリアッドの前の歩道と駐車場。国道はまだ除雪されていなかったので、大型トラックに踏み固められた雪がデコボコになっていて、走りづらい。その後も雪は降ったり止んだり。しかし午後には晴れ間も見えた。夕方、オーリアッドへ行くときは、国道の雪は取り除かれていた。道路沿いには雪が高く積まれている。

6時からオーリアッド。久々にボブ鈴木から電話。4月2日の豊田君のコンサートの予約。

暇なので、ネ
ットサーフィング。先ず目に入ってきたのが、"More happiness may come with age, studies say" (研究によれば、老いと共に幸福になれる)という見出しの CNN の記事。こんな見出しに先ず目が行くことが、老いつつある証拠。

この研究をした人の一人によれば、

一般的に言って80代、90代の人たちのほうが、若い世代よりも幸福である。・・・彼らは自分たちが何に悩むか、前もって分かっているので、不都合な状況を避けることが上手である。

ここに使われている比較級 younger は、80代以上と比べて「より若い」ということである。俗に言う「50、60は洟垂れ小僧」という言葉を思い出した。コーエンふうに言えば、 Just a kid with a crazy dream である。 まだまだ老け込んではいられない。この文の後半の一文に同意するかどうかは別にして、確かに健康な80代、90代の方々は「幸福」そうに見える。

また次の文からは、高齢化が急速に進んでいるのは日本だけではないことが分かる。

アメリカ国勢調査局の最近の報告によれば、80歳以上の人口増加率が、世界の多くの国で、もっとも高くなっている。2008年から2040年の間に、この年齢層は世界中で233パーセント増加するのに、同じ期間の全人口の増加率は33パーセントである。

ぼくも確実に233パーセントの中に入っている。80歳以上になれば「より幸せになれる」という説を信じよう。

早目に閉めることに。温度計によれば気温はいつもと比べて低いわけではないのに、異常に寒い。雪が積もったときの底冷え。駐車場に止めた車の温度計は5℃。宮木の信号は3℃。宮所の信号は2℃。わが家の玄関先、−1℃。寒い。


March 9, 2010 Tuesday

もうすぐ春だと楽しみにしていたら、真冬に戻ってしまった。今冬一番の大雪。朝から降り始めて、まだ降っている。

次の一列目の写真は午前11時ごろ撮ったもの。積もってはいたが、まだ大雪という感じではなかった。これで止めば、すぐに融けるだろうと思っていた。二列目の写真は午後11時ごろ撮ったもの。雪はますます激しく降っている。但し、大粒の雪片に見えるのはフラッシュを焚いたから。実際にはこんなに大粒ではない。右下のウッドデッキの雪を見れば、どれだけ大雪だったかわかる。





昨夜はいい番組を見た。アフリカのセネガル沖にあるゴレ島についての番組。この島は世界遺産になっている。遺産といっても負の遺産。奴隷貿易が行なわれていた時代、アフリカ中から集められた「奴隷」たちが、この島からアメリカへ送られて行ったのである。その島を奴隷の子孫であるアフリカ系アメリカ人の学生たちが訪問する。奴隷の館の館長の説明を聞きながら、涙を流している者もいる。

後半では、アレックス・ヘイリーの小説をもとに制作された映画『ルーツ』を見て、先祖の地アフリカへ移住したアフリカ系イギリス人やアメリカ人が紹介される。『ルーツ』の主人公クンタ・キンテのふるさとの村を訪ねた彼らは、クンタ・キンテの兄弟の子孫から村を案内される。最後は村人たちの太鼓とダンスに合わせて、訪問者たちも踊り始める。アフリカ特有の激しいリズム。そのダンスを一度も踊ったことのない訪問者たちも見事に踊っている。彼らの血の中には、400年前の先祖の血が流れている。

明日の朝は旧道の雪かき。寝過ごさないようにしなければ。


March 8, 2010 Monday

一面の雪景色。寒い。お昼頃にはほとんど融けてしまったが。

終日探しもの。夜になって家人が見つけてくれた。食卓の上、目の前にあった。M先生の退官記念パーティー出欠のはがき。

先日10数年ぶりにメールが届いたキャサリンから、今朝またメールが届いた。 Facebook にプロフィールを載せてあり、ぼくを「ともだち」に加えたいので、Facebook に参加するようにとのメールだった。互いの写真やビデオや活動予定を簡単に見ることができるらしい。Facebook とか mixi とか twitter とか、今まではややこしそうで避けてきた。キャサリンの提案を受け入れて、登録することに。途端に知っている人の写真と名前がたくさん出てきて驚いた。どういうシステムなのだろうか。バラク・オバマさんの写真もあり、クリックしておいた。

すぐに、反応が入り始めた。しかし、当のキャサリンからは今のところ何の音沙汰もない。使いこなせるかちょっと心配。


March 7, 2010 Sunday

冬がもどってきた。朝起きると雨。手洗いに行こうとすると、猫たちが近づいてきて足にまとわりつきながらミャ−ミャー鳴く。一緒に階下へおり、餌をやり、外を見ると、雨が雪に変わっている。大して積もりはしなかったが、一日中降り続く。

午後1時から区の委員会。一年間の委員としての任務に対し若干の賦銭をいただく。御柱関係を除いて区の委員会は新旧引継ぎ会を残すのみ。
委員会終了後、慰労会。

夜はちょっと疲れて、うとうと。

昨日の日記に、オープンマイクでの丸山さんの後半の演奏について書くのを忘れていた。雪を見て思い出した。先ほど、書き加えたが、「雪のかくれんぼ」はほのぼのとした佳曲。それにしても丸山さんの旺盛な創作意欲には驚かされる。


March 6, 2010 Saturday

今朝の「たつの新聞」に、「いきいき親父塾」が栽培した大豆を、ボランティアセンターで販売しているという記事が出ていた。以前、村の人からいただいた自家製大豆がとても美味しかったので、午後ボランティアセンターへ。4袋購入。その足で「湯にいくセンター」へ。湯船の中で思いがけない人に。M先生。「湯にいくセンター」のロビーでも大豆を売っていた。生産者の名前が書かれている。かつて駅伝で名を馳せた方。ぼくが中学のとき彼は高校生で、中学のグランドで指導を受けたことがある。1袋買うことに。

早目にオーリアッドへ。先日の予餞会で使った機材がそのままになっていた。先ず機材のセッティング。それから昨日の「宴会」の後片付け。その後、サウンドチェックをしているところへ最初のお客さん。1番テーブルへ。

しばらく、何曲か歌っているところへ、昨日購入したばかりという Martin をもって丸山俊治さん登場。今までのハカランダよりは若干固めだが、素晴らしい音色。「山スキーの歌」「今日の日は本日限り」など。藤森和弘さん「今日は土曜日」「子守唄のように」など。赤羽真理さん「今すぐに」「森の小道」など。大月高志さん、 Merry Christmas, Mr. Lawrence &「カノン」。そして前半最後は、原田和夫さん「キリストには代えられません」。ここで、休憩。スピーカーからはボブ・ディランの Modern Times









後半トップは丸山さん。「ブルペン・エレジー」&「雪のかくれんぼ」。後者はお孫さんと三角広場への道を散歩していて、お孫さんが人目につかない日影に残っている雪の塊を見て、「雪がかくれんぼしてるね」と言ったことばから発想したという新曲。昨日できたばかり。「もういいかい」「まーだだよ」というかくれんぼの常套表現が組み入れられている。丸山さんの新しい方向性を感じさせる歌。続いて、原田和恵さん。ピアノ弾き語りで2曲。3曲目「君は愛されるために生まれた」はアカペラで。きれいな声。原田さんが3曲目を歌おうとしているところへ、思いがけず、リイチさん一行。賑やかな雰囲気に。藤森さん「人生に勇気」「片想い」「もうすぐ一年生」。リイチさん「月の光に」&「愛美(アミ)」。何年か前、愛音ちゃんと愛美ちゃんがステージに上って一緒に童謡を歌ったことがある。愛音ちゃんはもうすぐ一年生。愛美ちゃんは、あと一年で一年生とのこと。リイチさんと一緒にきた軽井沢の佐藤哲也さん、「雪の軽井沢」&「明日へ」。そしてリイチさんと佐藤さんで「琥珀色の物語」。赤羽さん「許し」&「千両梨の実」。最後にぼくが「祈りの歌」。そしてどなたかの提案で記念撮影。その後しばし歓談。思いがけぬリイチさんの登場で、楽しい夜に。

リイチさんから4月1日リリース予定の luar というタイトルのアルバムをいただく。6曲入り。家に帰り早速聞いてみた。先ず1曲目の「月の光に」のギターに驚く。石井完治さんという方の友情出演とのこと。歌い方として感心したのは「めざめ」「今だけは」のようなどちらかというと地味な歌。いずれにしろ素晴らしいアルバムである。


March 5, 2010 Friday

ここ数日スティーヴ・ジョブズのスピーチに感銘を受けて、その訳をしたり、彼の経歴を調べたりしていたら、次のようなニュースが突然目に入ってきた。おそらくこのスピーチと出会っていなかったら、見ても見えなかっただろう。http://money.cnn.com/magazines/fortune/mostadmired/2010/snapshots/670.html?cnn=yes

WORLD'S MOST ADMIRED COMPANIES:
Steve Jobs does it again: Apple is keeping its Most Admired crown for the third year in a row.

世界でもっとも尊敬される会社: スティーヴ・ジョブズがまたやった―アップルは3年連続で「世界でもっとも尊敬される会社」のタイトルを守った。


彼のスピーチの一部を昨日の日記に引用したが、その3番目のパラグラフの一行目が抜けていた。

みなさんの時間は限られています。だから誰かの人生を生きることで無駄にしないで下さい。

それに、そのあとに出てくる dogma を「ドグマ」とカタカナに置き換えただけにしておいたが、どうもしっくりしない。「定説」に変えたが、もっとピタッとする言葉はないものか。

午後、オーリアッドの厨房の換気扇を取り替えようと、サイズを測りに行く。最近紐を引っ張っても外側の羽が開かなくなっていた。しかし、しっかりと固定されていて、素人では簡単に取り替えられそうもない。仕方なく、油を落とし、前方の蓋を開けると、紐の先のプラスチックとスイッチをつなぐ部分が切れている。試行錯誤の末、針金で接続する。ありがたい、なんとか動くようになった。

久しぶりに、ディランの Modern Times を聞く。特に、 When the Deal Goes Down, Workman's Blues #2, Ain't Talking の3曲が印象に残る。久々に聞いたら実に新鮮。いいアルバムである。

後半、大勢のお客さん。外は雨。



March 4, 2010 Thursday

午後から雨になった。気温も下がり、寒い。

昨夜の予餞会でジョブズのスピーチの一部を翻訳して、歌う前に読んだところ、5日の卒業式に卒業生に印刷して渡したいので、全訳が欲しいとのことだった。一応ラフの訳はできていたが、そのままは送れない。午後その訳の訳し直し。

何ヶ所かいい日本語にならないところがある。なんとか5日5時からの卒業式には間に合わせたい。

最後のほうの一部は次のようである―

               
・・・以上が、私が死にもっとも近づいた体験です。今後数十年は、もうそんな体験をしたいとは思いません。でもその体験を通して、私はみなさんに今、以前よりも確信をもって、次のように言うことができます―

誰も死にたくはありません。天国へ行くことを願っている人たちでさえ、天国に行くために、死にたいとは思いません。しかしながら、死は誰もが最後に共有する目的地です。死を免れた人はいません。でも、それでいいのです。なぜなら、おそらく死は、命あるものが発明した唯一最高のものだからです。死は命の入れ替えを可能にしてくれる代理人です。死は「新しいもの」を迎えるために、「古いもの」を取り除いてくれます。今、みなさんは「新しいもの」です。でもいつか、今からそれほど遠くない将来、徐々に「古いもの」になり、取り除かれる運命にあります。大げさな表現を許してください。でもそれは真実です。

みなさんの時間は限られています。だから誰かの人生を生きることで無駄にしないで下さい。定説に捕らえられてはいけません。定説を生きることは、他人の考えを生きることです。他人の意見の騒音に、あなたの心の中の声がかき消されてしまってはいけません。そしてもっとも重要なことは、あなたの心と直感に従う勇気を持つことです。あなたの心と直感は、なぜかすでに、あなたが本当になりたいものを知っています。その他のことはすべて二次的です。
               

夜になっても雨。9時過ぎ、歌声喫茶帰りの丸山さん。3月20日の松本大学での「まちの縁側楽会」のお手伝いをお願いする。


March 3, 2010 Wednesday

こんなに心温まる卒業生を送る会は初めての経験。午後5時50分から、上伊那農業高校定時制の予餞会。今年卒業する4年生は13人、送り出す下級生は16人。すでに平成20年度から箕輪進修高校定時制と統合されていて、学生募集は行なわれていない。来年度その3年生が卒業すると、この高校の定時制は消滅する。縁あって、一昨年、昨年と、2度にわたって、トークライブをさせていただいた。その度に励まされ勇気づけられた。

校長先生の挨拶から始まった。豚汁とお寿司の夕食を挟み、二部に分かれて生徒と先生の出し物。生徒たちは全員、「サブニュマ」というアフリカンドラムのグループの指導を受けている。生徒たちの演奏もよかったが、「サブニュマ」の演奏が素晴らしい。実にダイナミック。身体ばかりでなく魂まで揺すぶられる。10人ほどの男性ドラマーに4人の女性ダンサー。そのダンサーの一人の背中には赤ちゃんが。激しく揺れるリズムに赤ちゃんも揺れる。少し心配になったが、赤ちゃんは気にしていないよう。

DEPAPEPE (知らなかった)のコピー・ユニットもよかった。その一人は音楽専門学校に進みギターを学ぶとのこと。もう一人は4年生大学へ進学が決まっているようである。教頭先生を座長にした先生方の寸劇もよかった。

ぼくは、早速スティーヴ・ジョブズのスピーチの一部を紹介し、「あの果てしない大空へ」と「祈りの歌」を、彼らへの餞(はなむけ)として歌わせてもらう。歌いながら、ジョブズが言わんとしたことは、このふたつの歌の中に含まれていると感じた。

最後に、卒業生に下級生から花束が贈られ、卒業生一人ひとりがお礼の言葉を述べ、担任の先生からの卒業生に向けての言葉と歌があった。そして卒業生はクラッカーが鳴る中、アーチと拍手で送り出された。手作りの実に心温まる送る会。






オーリアッドに入ったときには10時近くになっていた。家人と交代。相撲好きのお客さん、珍しく遅くに。帰り間際に、しばらく入院することになったとのこと。早く治って、元気な顔を見せて欲しい。そろそろ春場所も始まる。


March 2, 2010 Tuesday

今朝の「たつの新聞」に、春を告げるセツブンソウが隣村の群生地に咲いたとの写真入の記事があった。朝食後、家人とウォーキングを兼ねて見に行くことに。城山公園とは逆方向。かつての三州街道を北へ歩く。

「がおん伝承館」の駐車場入り口のメールボックスに案内の地図が置かれていた。一枚いただき、さらに進むと「順路」という標識が見える。それに沿って進むと、沼地の向こうに群生地があった。きれいとは言いがたいが、小さな可憐な花。驚いたことにそのいくつかの小さな花の中に蜂がいた。「花開いて蝶自ずから来る」。雪が融け、花が咲き、蜂が蜜を吸いにくる。小さな花に小さな蜂。

帰路、群生地の近くに住む知り合いの夫婦としばらく立ち話をし、村境にある不動明王の石仏と、子供たちが小さかった頃、子供会でよく掃除をした天神様の写真を撮る。1時間近くかかったがいい運動になった。




                      

夜、Apple社のCEOスティーヴ・ジョブズが、2005年のスタンフォード大学の卒業式で行なったスピーチの翻訳を試みる。昨日彼のスピーチをYouTube で偶然聞いて感激した。

このスピーチは多くの反響があったらしく、何種類ものYouTube で見ることができる。英語の字幕のついているものや、日本語の字幕のついているものもある。是非多くの人に聞いてもらいたい。

(1)学長によるジョブズ紹介&ジョブズのスピーチ(字幕なし) 22:10
  http://www.youtube.com/watch?v=Hd_ptbiPoXM&feature=channel

(2)ジョブズのスピーチ(英語字幕) 15:04
  http://www.youtube.com/watch?v=UF8uR6Z6KLc&feature=player_embedded#

(3)ジョブズのスピーチ 前半 (日本語字幕) 8:49
  http://www.youtube.com/watch?v=qQDBaTIjY3s

(4)ジョブズのスピーチ 後半 (日本語字幕)5:45
  http://www.youtube.com/watch?v=ShoOOS2GrWU&NR=1

(5)スピーチの原稿は次のサイトで読むことができる。
  http://news.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html



March 1, 2010 Monday

朝食後、家人とウォーキングに行くことに。いつもの城山公園まで。昨年11月にできたこの遊歩道に名前がついていることを知った―「山の腰道」。往復して時計を見るとちょうど30分。長過ぎず、短過ぎず、ちょうどいい。

戻ってから庭を見ると、スノードロップと福寿草が咲いている。ふきのとうもいくつかあった。早速お昼にふき味噌を作ってもらう。ほろ苦い早春の味。





午後1時20分から、伊那東部中学校、小島先生のクラスでブックトーク。授業参観日でお母さん方も何人か。前半、上島先生が何冊かの本を紹介し、後半ぼくが歌を交えてのトーク。 I Have a Dream を歌い、公民権運動の話をし、先日ホワイトハウスで公民権運動を記念してコンサートが開かれ、ジョーン・バエズが We Shall Overcome を、ディランが Times They Are A-Changing を歌った話をする。彼らは先生から We Shall Overcome を教わっているとのことで、一緒に3番まで歌う。大きな声。とてもいい。そのあと、ぼくが「時代は代る」の上院議員と下院議員が出てくる3番と、国中の母親と父親に向けられた4番を訳してから、英語で歌う。

それから、今朝の朝日新聞の声欄にあった「親は公務員になれというが、私には他に夢がある」という主旨の高校生の投書を紹介し、昨日訳した、ホールデンがフィービーに「ライ麦畑にいて落ちそうになる子供を捕まえてやる人になりたい」と言うところを読み、「大人になったら何になりたいの」を歌う。ここでタイムアップ。立ち上がると、小島先生が、もう少し時間を延長してもいいとのことで、最後に用意していた「旅立つおまえに」を歌う。

  おまえがこの世に生まれてから
  喜びも悲しみも分かち合ってきた
  小さな手の半ズボンの少年は
  今はどこにいるのだろう
  がんばれ、がんばれ、
  おまえの未来は、おまえの手の中にある



少々尻切れトンボだったが、熱心に聞いてくれた。最後に残っていた子供たちと先生を囲んで記念撮影。男子の何人かが機材を車まで運んでくれた。女子たちは3階の教室の窓から手を振ってくれた。2週間後にまた彼らに会える。今度は3学年全員が対象。

紙粘土で彼らが作ったキング牧師の像をオーリアッドに飾ってほしいとのことだった。学校名やクラスの名前を書いてほしいとお願いする。15日に渡してもらえるようである。


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