OREAD Diary

February 1〜February 28, 2007



February 28, Wednesday 2007

2月最後の日。
俗に、2月は逃げると言うが、今年の2月は実に逃げ足が速かった。

土曜日以来のオーリアッド。水曜日、最初に流れる音楽は土曜の夜最後にかかったもの。今回それは、The Byrds のボックスセット  There Is a Season のdisc one。この中には、バーズのヒット曲がいっぱい。リッケンバッカーの12弦ギターの音色がオーリアッドの空間を満たす。

9時少し前、太田裕士さんがやってきた。着くやいなや、サックスを取り出し、インターネットのオークションでいいマウスピースを入手したので、聞いてもらいたいとのこと。何でも、そのマウスピースは彼のサックスと同じくらい古く、セルマーという名の40年ほど前にフランスで作られたものとか。

比較するために、同じ曲をマウスピースを換えて演奏し、録音しようということになった。何曲か録音したあと、音大で娘さんがサックスを学んでいるY先生にも連絡して来てもらうことに。30分ほど16トラックの演奏。二人の聴衆のための贅沢なコンサート。

素人のぼくにも、明らかに音色の違いが分かる。今までのメイヤーのマウスピースは音が明るく、なめらかで、細かい複雑な音階にもスムーズに対応しているように思われる。一方、新たに入手したセルマーは、音が渋く、荘重な感じがする。曲によって使い分ければいいのではと思った。あるいは、その日の気分によって。

録音したものを聞きなおして、ぼくが一番感動した曲は、彼が今晩即興で演奏したもの。言葉人間のぼくだが、彼のサックスを聞いていると、時々、魂が激しくゆさぶられる。ああ、これが音楽なんだと思わされる瞬間がある。



February 27, Tuesday 2007

寒い一日。暖かかったり寒かったり、体調を維持するのが大変。某テレビの健康番組でも今年の冬は身体の不調を訴える人が多いと言っていた。ぼくも2月になってから、いくつかの要素が重なって、かなり疲れ気味。

今日は月に一度の定期検診の日。先月の血液検査の結果が出ていた。心配していた γ-GTP は過去5年で一番低い77だった。これでも正常値をオーヴァーしているが、T先生の話では全然心配ないとのこと。

順番を待っている間に
DYLAN & COHEN Poets of Rock and Roll を読む。コーエンが躁鬱病であったことはよく知られている。その最初の徴候が出たのは、9歳のときに父が死んだときだったらしい。その後の母の再婚がさらにそれに追い討ちをかけた。なぜか山頭火のことを思い出した。山頭火の場合は、彼が11歳のときに母が自殺し、その後父は愛人と失踪した。

コーエンは "Godfather of Gloom" (憂うつのゴッドファーザー)とか "Prince of Darkness" (
陰気王子)と呼ばれたこともあるらしいが、ぼくが山頭火やコーエンにこんなに魅かれるのは、ひょっとしたら程度の差はあれ、同じような傾向がぼくの中にもあるのかもしれない。


February 26, Monday 2007

今朝、Johnny Cash Ultimate Gospel
のライナーの訳と24曲の英詞とその対訳をメールで送った。一段落。

夕方、昨日録画しておいてもらった「昭和歌謡黄金時代〜春日八郎と三橋美智也〜」を見た。小学高学年から中学にかけて、この二人の歌をよく聞いたり、歌ったりした。「別れの一本杉」「お富さん」「古城」「哀愁列車」など懐かしい歌の数々。

彼らの歌を聞きながら、ぼくの歌の原点はディランでも、レナード・コーエンでも、ビートルズでもない、と思った。この二人の歌を含む昭和30年代の歌謡曲がぼくの歌の原点にある。

そして今回彼らの歌を聞いて思ったことは、彼らの声および発声が実に見事だということ。コブシをきかせて歌うところでも決して喉に負担をかけていない。高音に移動するところでも、決して声を張り上げていない。このことが分かるようになったのは、この一年、声や発声に関心をもって、いろんな人の歌を聞いてきたからだと思う。

以前は聞くときも歌うときも、言葉を重視していた。しかし今は、声と歌い方も、同じくらい重要だと思っている。

夜、次の仕事にとりかかった。Leonard Cohen の最初の3枚のアルバム。対訳とエッセイ。極めてチャレンジングな仕事である。対訳は70年代に一度したことがあるが、初心に戻って、もう一度白紙の状態で訳してみたいと思っている。


February 25, Sunday 2007

今日届いたボブ・ディランの作品について語り合うメーリングリスト (HWY61-L)に、ディランがローリングストーンズと Like A Rolling Stone を歌っている映像のURLが載っていた。

ミックが
"We'd like to do a song that we wrote, I mean Bob Dylan wrote for us." (ぼくたちが書いた、いやつまり、ボブ・ディランがぼくたちのために書いてくれた歌を歌います)と言うと、テンガロンハットをかぶり、エレキギターをもったディランが登場し歌い始める。セカンドヴァースはミックが歌いディランはギターを弾きながらミックを見守る。コーラスのところではミックは例の如くぴょんぴょん跳ねながら歌い、最後にはハーモニカまで吹いている。

面白い映像である。この映像だけでなく、「ライク・ア・ローリングストン」の他のヴァージョンもたくさん見ることができる。ディランファン必見のサイト。ひょっとしたら、YouTube のこのサイトを知らなかったのはぼくだけで、他のディランファンはみんな知っていたのかもしれない。
http://www.youtube.com/watch?v=pTqEW2em0u4&mode=related&search

昨日、ソニーから、『ジョニー・キャッシュ アット・サン・クエンティン(レガシー・エディション)』が届いた。At San Quentin のライブ盤はこれが3枚目。最初は、1969年にリリースされたオリジナル。これは全コンサートのうち、ジョニー・キャッシュが歌った歌の中から10曲が選曲されたLPレコード。2枚目はアメリカでは2000年に、日本では昨年リリースされた『アット・サン・クエンティン(ザ・コンプリート)』で、キャッシュが歌う18曲が収められている。

コンプリートと銘打ってあるので、これが完全盤かと思ったが、そうではなかった。3月7日にリリースされるレガシー・エディションは、completely complete。究極の完全盤。カーター・ファミリー、カール・パーキンス、スタットラー・ブラザーズの演奏も含まれ、キャッシュ自身の歌もさらに4曲増えている。全31曲、2枚組。それにグラナダTVが当日撮影したテレビ・ドキュメンタリーのDVDが加えられている。

日本で昨年リリースされた18曲入りの『ザ・コンプリート』に引き続き、この『レガシー・エディション』のライナーと歌詞の訳を担当した。ナーレーションもすべて聞き取り、翻訳した。客席とのやりとりで聞き取れないところもいくつかあったが、以前のアルバムとは比較にならないほど会場の雰囲気が伝わってくる。ブックレットの写真も、こんな写真を出してしまっていいの? と心配になるほど生々しいものがいっぱい。

  
『ジョニー・キャッシュ アット・サン・クエンティン
  
(レガシー・エディション)』MHCP 1226-8

   特別価格 4935円(税込み)
   2007年3月7日発売

以前の At San Quentin のアルバムをもっている人にも、今までジョニー・キャッシュを聞いたことのない人にも自信をもってお勧めする。最後のメドレーは本当に感動的。残念なのはこのメドレーの部分がDVDに入っていないこと。


February 24, Saturday 2007

飛び入りライブ。サウンドチェックをしているところへ、山岸豊さんと成川修さん。成川さんはオーリアッド初登場。早速、音のチェックをしたいとのことで、歌ってもらうことに。うーむ、不思議な歌の世界。つづけて山岸さんもサウンドチェック。新曲「音楽は贈物」のさわりを歌う。

先ずぼくが「死は終わりではない」を歌ったあと、成川さんにお願いする。前半は基本的に一人3曲。成川さん「このままじゃ腐っちゃう」というフレーズがある歌など。山岸さん「歌はかけがえのないもののひとつ」など。藤森和弘さん「子守唄のように」など。

続いて井原仁志さん「泣かないで」など。福井大輔さん「もうひとつの夢」など。木下卓也さん「ひぐらし(蜩)」など。歌を聞き手に届ける方法のひとつは聞き手にイメージを喚起させること。その点、「ひぐらし」が喚起するイメージは鮮烈である。校舎の屋上に立つ少女。

赤羽真理さん「千両梨の実」など。そのあとぼくが「千両梨の実」と「明日は遠く」。前者は赤羽さんに聞いてもらいたくて、後者は今晩初めてオーリアッドにきたアメリカ出身の若者に聞いてもらうために。ここで前半終了。












後半は一曲づつ。成川、山岸、福井、木下の各氏。そして、ダニエル・ジリッグの友人の守屋武志さん。そのあと井原、藤森の両氏。

山岸さんは新曲「音楽は贈物」のフルヴァージョンを歌う。彼が歌うことに思い悩んでいるときに、ジョン(・サンダーズ)が彼のおじいさんから聞いたという言葉を彼に話す。それは "Music is a gift."という言葉。この歌は「歌はかけがえのないもののひとつ」という山岸さんのもうひとつの歌に呼応する。音楽は二重の意味での贈物。自分に与えられた贈物であると同時に、聞いてくださる方々に届ける贈物。

守屋さんはダニエルと一緒に歌ったことはあるが、アカペラで一人で歌うのは初めて。歌う前に泡盛のシークワーサー割りを3杯、ジャックのダブルを2杯飲んだ。大丈夫かとはらはらしていたが、Bridge Over Troubled Waters を朗々と歌う。藤森さんの新曲「今日は土曜日」で今夜の飛び入りライブ終了。

その後しばし歓談。ぼくの「千両梨の実」はあまり評判がよくなかった。成川さんは、今夜は赤羽さんの「千両梨の実」が聞けてよかった、勉強になった、と言っていた。

今日初めてオーリアッドにきた若者はイリノイ州オーロラの出身だという。シカゴに近い町。ジョン・サンダーズがいたら話が合っただろう。

11時過ぎ閉店。外に出たら寒い。でもこれが今の季節の適正気温。


February 23, Friday 2007

一日中翻訳。結局今日も送れなかった。2月末締め切りなので、まだ時間的には余裕があるが、できるだけはやくすませて、次の仕事にとりかかりたい。

昼前にソフィーとフィービーを獣医さんのところへ。2度目の3種混合のワクチン接種。体重を量ってもらったら、ソフィー3キロ。フィービー2.5キロ。大きくなったものだ。ソフィーはよく食べよく眠る。フィービーはよく遊び、小食。眠る時間も少ない。兄弟でも性格はかなり違う。

夕方オーリアッドにはいると、すぐに電話。横浜にお住まいの方から『千の風』の注文。「日曜日のそれ」で聞いたとのこと。「カムサハムニダ、イ・スヒョン」に続いて「千の風」もかけてくれたようだ。ありがたいことである。


8時過ぎ、太田裕士さんが入ってくる。昨夜の「ときわドレッシングライブ」は大盛況だったようだ。お客さんもたくさん入り、演奏も3人の息がピッタリあったとのこと。先週の飛び入りライブで演奏して、その後微調整したのがよかったとのことだが、飛び入りライブが少しでも役に立ったのなら、嬉しい限りである。

しばらくして、Y先生が入ってくる。昨日のドレッシングライブに奥さんと行ってきたので、その報告にきたとのことだが、太田さんがいてびっくり。「コンサートはとてもよかった。3時間が短く感じた」とのこと。しばらく話したあと、何曲か太田さんのサックスでぼくが歌うことに。「千の風」「果樹園の道」「千両梨の実」"Brother Sun, Sister Moon" そして、「ザ・メドレー」。そのあと、太田さんがピアノ弾き語りで「虹の中へ」「宇宙の歌」。

そろそろ閉店というところへ、T先生が友人と一緒に入ってくる。驚いたことに、先生は自分のギターをもってきた。先生のギターを一曲聞いたあと、ぼくが太田さんのサポートで「千の風」。そのあと、クラシックのみならず、ジャズにもうるさい先生が、コルトレーンの 話を始めたのを受け、太田さんが Love Supreme 。T先生も友人も拍手喝采。めったに聞ける演奏ではなく、何か得をした感じ。


February 22, Thursday 2007

一曲の訳のために、というよりは、一曲のうちの2行のために、ああでもないこうでもないと一日が過ぎてしまった。大変だ。でもぼくの経験では、こうしているうちに、ひょいといい考えが浮かんで、訳が完成することがある。そのときの「快感」は喩えようがない。全24曲のうち、23曲はできあがっている。もう一曲。明日は何とかしたいもの。

オーリアッドは歌声喫茶の日。英語教室が始まるまで、皆さんの歌声を聞かせてもらう。今日は「早春賦」「春よこい」など今の季節を感じさせる歌が多い。いつも思うことだが、歌うことが好きな人が集まってくるだけあって、みんな上手である。今日の伴奏はアコーディオン1台、ギター2台、ウッドベース1台。

英語教室が終わり下に降りると、会は終わり、役員の方々のみが話をしていた。今日はあとからもお客さんが入り盛況だったようだ。次回は4月の第三木曜日。

木曜日の英語教室は今晩が最後。このクラスの生徒たちは4月からは高校生。3年間よくがんばった。

遅くなって歌の練習。「千両梨の実」、それに "Brother Sun, Sister Moon"。


Feberuary 21, Wednesday 2007

スイミングのあとオーリアッドへ。2月はすでに1月よりは泳いだ回数が多い。泳いだ晩はぐっすり眠れる。時には眠れ過ぎて困ることもあるが。体調は徐々によくなっている。

The Great Speckled Bird という歌の訳に苦労している。この鳥は旧訳聖書のエレミヤ書12章9節に登場するとのことで、Bible Online でいくつかのヴァージョンにあたったが、明確なイメージがつかめない。この「大きなまだらの鳥」は比喩的に何かを表しているようだが、それぞれの聖書の訳によってニュアンスが違う。中にはまったく鳥の出てこない訳もある。

いずれにしろ、この鳥は周りの鳥からいじめられている鳥である。歌の最後で、この歌のナレーターは、この鳥の翼に乗って天に昇る。聖書にはその記述はまったくない。

お客さんに、何週間か前の飛び入りライブの音源を聞いてもらっているうちに、赤羽さんの「千両梨の実」を歌ってみたくなった。お客さんが帰ったあとピアノの上をみたらコードつきの歌詞があった。その歌詞カードを見ながら、しばら繰り返し歌ったら、何とか歌えるようになった。ほぼ毎週赤羽さんが歌うこの歌を聞いているので、メロディーはしっかり頭の中に入っている。もう少し歌いこんだら、土曜日に歌ってみたい。



February 20, Tuesday 2007

Swing Low, Sweet Chariot を訳し始めて、このよく知られた黒人霊歌には、二重の意味があることがわかった。

    Swing low, sweet chariot
    Coming for to carry me home
    Swing low, sweet chariot
    Coming for to carry me home

先ず、この誰でも知っているコーラスの冒頭をどう訳していいか迷った。Swing low はどういう意味か。swing という動詞を見て最初に浮かぶイメージは何かが「揺れる」「揺れ動く」イメージである。しかし「低く揺れる」は不自然。それなら low は「静かに」とか「緩やかに」という意味があるのだろうか。少なくとも辞書にはそのような意味は載っていない。

考えあぐねてアメリカ人の友人にメールを打ったら、次のサイトを教えてくれた。http://www.manhattanbeachmusic.com/html/swing_low.html

そこには、はっきりと、Swing low の 文字通りの意味 (LITERAL MEANING) は 「上から降りてきてくれ」(Come down from above) で、暗号としての秘密の意味 ("CODED," SECRET MEANING) は 「奴隷所有公認の州へきてくれ」(Come into the slaveholding states) と書かれていた。

改めて swing を辞書で調べてみたら、「(孤を描くように)動く、向きを変える」とあった。これならわかる。Swing low は天の二輪馬車に乗っている天使の群れに、下に降りてきてくれ、と頼んでいるのである。

さて、秘密の暗号のほうだが、Follow the Drinking Gourd という歌が、南部の奴隷たちを北に逃がすための暗号の歌であったことは知っていたし、奴隷たちを助ける秘密の組織(Underground Railroad)が存在したことも知っていた。しかし、Swing Low, Sweet Chariot もそうだったとは知らなかった。

今日はコンピュータが不調で何度もダウン。仕事中にインターネットへのアクセスが中断してしまう。そのつど電源を切り、しばらく待たなければ回復しない。Vista にかえたら解決するだろうか。


February 19, Monday 2007

先週末に次の仕事の音源が届いた。それで現在進行中の仕事を完成しようと、昨日、今日と翻訳三昧。おかげで Johnny Cash の Ultimate Gospel  24曲、ラフの訳が終了した。これ以前にもキャッシュのゴスペルを集めたアルバム(DuetPersonal File など)を訳したが、これは、アルバムタイトルが示すように、まさに「究極のゴスペル」。神の讃歌に満ちている。彼のアーティストとしての生涯の前半は、映画『ウォーク・ザ・ライン』に描かれている。彼の真の姿を伝えるにはもう一本の映画が必要である。

もう一度音源を聞きなおし、英詩の細部をつめる必要がある。そのあとは英語から離れて、ラフの訳をリズムのあるわかりやすい日本語に置き換える作業。いつも成功するとは限らないが、この部分が翻訳の一番楽しいところ。

午後、コンピュータがダウン。一度ダウンすると電源を切って、しばらくそのままにしておかなければならない。気分転換にスイミングへ。

200メートル+50メートル泳いだあと、サウナに入る。しばらくして3人の年輩の女性が話しながら入ってくる。彼らの会話を聞くともなく聞いていると、コンサートに行ったが、歌よりも落語が多く、知っている歌も少なく、5800円も払って損をしたというような内容だった。落語をする歌手がいるのか、誰だろう。しばらくして二人が出て行った。残った一人に、「その落語をするという歌手は誰ですか」と聞くと、落語家と歌手のジョイントだった。そしてその歌手は超有名女性演歌歌手。

その人は「コンサートに行って一度でも満足できないと、ファンは次は行かなくなりますからね」といい、続けて「私はよく東京や大阪までコンサートに行きますが、いつも満足して帰ってきます」という。その女性演歌歌手かと思ったら、若手の超有名男性演歌歌手だった。「交通費、宿泊費を入れたら大変ですね」というと、即座に「そのために生きていますから」との返事。

ぼくも歌手の端くれ。聞いてくださる方が満足してくれるかどうかは別にしても、歌うときは、どこで歌うにしても、心を込めて歌わねばならない、と思わされた。


February 17, Saturday 2007

開店後すぐに赤羽真理さんが入ってくる。「今夜は8時に帰らなければいけない」とのこと。ぼくが先ず「花語らず」を歌うと、赤羽さんも「花語らず」を歌う。一ヶ所メロディが違うところがある。それでノートを見せてもらうとコードが違っていた。しばらく歌唱指導。赤羽さん、再度「花語らず」。かなりよくなった。そのあと、「旅人の木」「千両梨の実」。ぼくも彼の「千両梨の実」を歌えるようになりたいもの。

そのあと、ぼくが、藤森和弘さんのノートを借りて、「子守唄のように」と「住みなれたこの町で」を歌ってみる。ぼくには少々高すぎるところもあって、上手く歌えなかったが、藤森さんのノートには、歌詞のコードだけでなく、前奏、間奏、後奏すべてにコードがしっかりと記されている。こうしておけば、セッションをするとき、ミュージシャンは助かる。参考になった。その後、藤森さん。新曲「愛音」。今夜も愛音(あいね)ちゃんは一緒にやってきた。「オーリアッドへ行く」と泣いて追いかけてきたとのこと。しかし今夜は閉店時間までぐっすりお眠り。彼女のデビューは再度延長。藤森さん「今日は土曜日」。先週初めて歌った新曲。

このあと、太田裕士、大槻和彦、ジョー・トゥループのトリオ。いきなり太田さんがフルートを吹き、大槻さんがギターを弾き、ジョーのフィドゥル弾き語りで彼のオリジナル曲「ランブラーズ・ラメント」。そのあと、いくつか楽器を持ち替えて、前半4曲演奏。ジョーがバンジョーに持ち替えて歌った「上村の猫」は楽しめた。ジョーは下伊那郡上村在住。それぞれ巧みなミュージシャンだが、結成後まだ日も浅いとのことで、若干統一性に欠けている気がした。その後、太田さん、ピアノ弾き語りでご存知「虹の中へ」「宇宙の歌」。そして大月高志さん、ピアノ弾き語りで「千の風になって」。素晴らしいメロディ。譜面をめくる人がいなくて、ページをめくるため、2度ほど中断したのが残念。

 







ここから後半。ぼくが「明日は遠く」と「次郎」。「次郎」は太田さんのサポートでショートヴァージョン。続いて藤森さん、大月さんと太田さんのサポートで3曲。最後の2曲「子守唄のように」「住みなれたこの町で」は、サポートのふたりの演奏といい、藤森さんの歌といい素晴らしかった。最後の歌が終ったとき客席から「それも自作ですか」という感嘆の声。

そのあと、ジョーがフィドル弾き語りで2曲。出身地ノースカロライナのマウンテンミュージック。大槻さんとジョーのユニットで2曲。そして最後、太田さんも加わり3人でジャズを3曲。大いに盛り上がる。

その後しばし歓談。大槻さんとジョーがふたりでやるときは、大槻さんのニックネーム、大(ダイ)ちゃんのダイとジョーをつなげて、ダイジョーブという名前らしいが、3人でやるときの名前がまだないという。大チャンのダイ、太田のオーとジョーをつなげて、ダイオージョーはどうかという案も浮上した。さてどんな名前になるか。

ダイオージョー(仮名)の初ライブは、来週木曜日「レストランときわ」で。詳しくは2月15日の日記参照。この日はジョーの24回目の誕生日とのこと。


February 16, Friday 2007

今日も寒い日。仕事を中断して、午後スイミングへ。いつものルーティーンをこなす。ちょっと疲れた。

高校時代、試験が近づいてくると、小説を読みはじめたり、映画を見にいったりしたもの。現実逃避の最たるもの。昨日映画に行ったのもそのひとつか。数日前、本棚からニコス・カザンツァキスの Zorba the Greek を取り出し、仕事の合間や寝る前に再読している。再読というよりも、何回目になるかわからないほどの愛読書。60年代後半、サンタバーバラで買ったペーパーバック。本全体が黄色に変色している。

本を読むには言葉のある音楽は邪魔になる。クラッシクをかけながら読んでいると、「ベートーベンとは珍しい」といいながらT先生が入ってきた。先生と話していると大いに刺激される。今夜も、岡倉天心、鈴木大拙、道元から、般若心経、質量不変の法則まで話題は多岐にわたる。

帰り際、先生に「雰囲気が今やっている朝のドラマの<かもかのおっちゃん>に似てると言われませんか」と聞くと、「バカ言え、オレのほうがいい男だ」とのこと。実に似ている。最後に先生はカウンターの上のメモ用紙に次のように書いて、お帰りになった。

  心月孤円
  光呑万象

唐の時代の禅僧、盤山宝積(ばんざんほうしゃく)禅師の言葉。「私は光、千の光/いつもおまえのそばにいるよ」のことか。

* Nikos Kazantzakis, Zorba the Greek, New York, Ballantine Books, 1967


February 15, Thursday 2007

久々に冬らしい寒い一日。午後思い切って、翻訳を中断し、松本のエンギ座へ「あなたを忘れない」を見に行ってきた。最近、見たい映画も時期を逸すと結局見ないですませてしまうことが多いので。この映画だけは見ておかなければ。ものすごくよかったとは言いがたいが、ドラマとして充分に楽しめた。釜山にご両親を訪ねたときのことを思い出した。

夕方戻り、オーリアッドへ。遅くなって太田裕士さんがやってくる。来週木曜日、彼の実家のレストランで企画されているコンサートのチラシをもってきた。

  第一回ときわのドレッシングLIVE 2月22日(木)午後8時より
    
  出演:太田裕士 (sax)
      Joe Troop (violin, banjo)
      大槻和彦 (piano)
  場所:レストランときわ(長野県上伊那郡宮田村)
  料金:2000円(1 drink + ときわのサラダ)
  問合せ: 0265-85-2207 (午後9時まで)

  
*明後日(2/17)の飛び入りライブでこの3人のユニットの演奏を聞くことができます。

最後に何曲か彼のソプラノサックスと一緒に演奏。「ボブ・ディランに捧げる歌」はサックスが入るととてもいい。


February 14, Wednesday 2007

朝から雨。午後風が強くなる。今夜のニュースで春一番が吹いたと言っていたが、辰野に吹いた風も春一番だったのだろうか。まだ2月の半ば。

土曜日以来のオーリアッド。雨はまだ小降りながら降り続き、風も強い。こんな夜はお客さんも少ないだろうと思っていたら、古い友人が訪ねてくれた。マンダラ2でのライブ盤を聞いてもらっていると、「千の風」を聞いて、「これは般若心経の世界だね」という。そして「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」と続ける。

般若心経というのは質量不変の法則で説明できるとどこかで読んだことがある。質量不変の法則というものがよく分かっていないので、何とも言えないが、彼の話を聞いていたら、「千の風」と「諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減」と通じるところがあるような気がしてきた。

以前彼とこのような話をすることはなかった。彼が経験した多くの苦悩が彼の人生に多くの豊かさをもたらしたようだ。



February 13, Tuesday 2007

今日も一日翻訳。午後気分転換にスイミングへ。200メートルほど泳ぎ、サウナへ。もう少し泳ぎたかったが、これ以上泳ぐと、疲れが残って、夜、仕事ができなくなる。

先日注文を受けて『カムサハムニダ、イ・スヒョン』を送った方から、今朝、手紙が届いた。彼女は、この歌を2月4日、「日曜日のそれ」という番組で聞いたとのこと。映画を見て感激し、昨年春、新大久保でお会いしたスヒョン君のお母さんに手紙を書いていると、ラジオからぼくの歌が流れてきたとのこと。何たる偶然。すぐにラジオ局に電話して、どうしたらCDが入手できるか聞いたらしい。

彼女の手紙の最後のほうに「韓国のシンガーソングライター Ryu君が好き」と書いてあった。驚いた。というのは去年の春以来ぼくは Ryu の歌に大きな影響を受けてきたからである。

夜も翻訳。聖書の引用が多い。原典にあたる必要があり、時間がかかる。でも勉強になる。面白い。


February 12, Monday 2007

終日、翻訳の仕事。ライナーの訳はほぼ完成。

夕方、ソニーのSさんからニューズレターが届き、グラミー賞の結果を知る。

Dixie Chicks が主要3部門を含む5部門を獲得した。彼女たちはテキサス出身。2003年、ブッシュと同じテキサスの出身であることが恥かしいという主旨の発言をして、保守的なカントリーミュージック界で、放送禁止や出演拒否にあいながらも、自分たちの主張をつらぬき通した。Album of the Year(最優秀アルバム) に輝いた Taking the Long Way は是非入手したいもの。

また、常にディクシー・チックスを支援し、反ブッシュ・キャンペインの先頭に立ち Vote for Change というコンサートを企画し、彼女たちにも出演を依頼したスプリングスティーンは、We Shall Overcome: The Seeger Sessions で Best Traditional Folk Album を受賞した。

またディランの Modern Times は Best Contemporary Folk/Americana Album を受賞した。またその中に収められている "Someday Baby" は Best Solo Rock Vocal Performance を受賞。

大統領選に向けて、ますます民主党の勢いがつきそうだ。

グラミー賞について詳しくは下記のURLより。
http://www.grammy.com/GRAMMY_Awards/49th_Show/list.aspx


February 10, Saturday 2007

今夜も素晴らしい夜になった。

開店後しばらくして、丸山俊治さんがウッドベースをかかえて入ってくる。そのあと、小池コータロー君と秋本節さん。秋本さんは、コータロー君の2枚目のアルバム制作をサポートするために、神戸からきているとのこと。25年前、オーリアッドでの光玄のコンサートに一緒にきたことがあるとか。そのときぼくは不在だったらしい。

ぼくが「明日は遠く」「フリーウエイ101」を歌ったあと、丸山さんにお願いする。丸山さんのギター弾き語りを聞くのは初めて。ベース、ピアノ、ギター、何でもござれ。オリジナルの「山スキー」や沖縄のわらべ唄など。秋本さん、The Water Is Wide の日本語ヴァージョンや西岡恭蔵さんのカバーなど。そうそう秋本さんは恭蔵さんのサポートミュージシャンだったとのこと。現在は Morgan's Bar というアコースティックバンドのリーダー。深い存在感のある声。コータロー君、「大阪にいるよ」など。彼のように楽しそうに歌う人にはめったにお目にかかれない。大月高志さん、「カノン」。そして藤森和弘さん、大月さんのサポートで「人生に勇気」「子守唄のように」など。ここで前半終了。

 



5分休憩後、後半。先ずダニエル。I Don't Feel No Pain という新曲がよかった。反戦歌、反拝金主義歌である。人間は、多くのお金を使い殺しあっている。その金をどうして飢えている人たちに使えないのか、と問う。
赤羽真理さん、「千両梨の実」のみ。今日は寒気がするとのことで、遅刻早退。田中創さん、特筆すべきは、なんと言っても新曲「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」。3曲目、コータロー君のエレキベースのサポートで Walking Blues

続いてコータロー君、秋本さんのクラリネットのサポートで Happy Swinging Blues など。まずジャジーなクラリネットの演奏に聞き惚れた。Happy Swinging Blues は今夜コータロー君が歌った歌の中ではもっとも説得力があった。藤森さん、先ず、新曲。タイトルを聞き忘れた。土曜日の一日を歌った歌。今日は土曜日、弦を張り替えて、君のために書いた歌を、オーリアッドへ歌いに行こう、と歌う。2曲目は「住みなれたこの町で」。君のために書いた歌。大月さんと丸山さんがピアノとウッドベースでサポート。その前に親戚の愛音(アイネ)ちゃんと一緒にこの歌を歌う予定だったが、ステージには勢いよく上った愛音ちゃんだったが、口が開かない。車の中では大きな声で歌っていたとのことだが。誰だって初めてステージに立つときは緊張するもの。愛音ちゃんのデビューはこの次ということに。

秋本さん、What a Wonderful World のカバーや阪神淡路大震災10周年の際に書いたという歌など。黒人のR&Bやブルーズの歌い手を彷彿させる。ぼくの手違いでギターのマイクが入っていなかった。それでもあれだけ鳴っていたというのは、驚くべき。あとで、田中創さんが「秋本さんのギターを近くで聞けて、すごい刺激になった」と話してくれた。マイクが入っていないことには気づかなかったようだ。







最後は Sweet Home Chicago の一大セッション。田中創 (vocal, guitar)、大月高志 (piano)、Daniel Zillig (guitar)、小池コータロー (bass)、そして秋本節 (clarinet)。堪能した。「感動すると疲れない」というのは本当だ。

 

その後しばし歓談。そうそう、明日は田中創さんの○回目の誕生日とのこと。Happy Birthday!



February 9, Friday 2007

成績提出締切日。朝からお昼もたべずに最後のスパート。かろうじて3時半完了。松本へ。車の窓を開けると生暖かい空気が入ってくる。まるで4月か5月のよう。帰路、あがたの森の喫茶店で遅いお昼。その後、猫グッズをいくつか購入し、オーリアッドへ。

クレイからもらったトム・ウエイツのライブ盤を聞く。凄い迫力。大歓声でよく聞き取れないところもあるが、語りが面白い。

遅くなってお客さん。オーリアッドの話は聞いていたが、来るのは初めてとのこと。昔ギターを弾いて歌っていたようで、土曜日の飛び入りライブの話をしておく。

いくつか歌の練習。最近は昔の歌をよく歌っている。それらの歌を書いた頃のことが蘇えってくる。そのうちのいくつかは今でも歌えそうだ。

11時半過ぎ、外に出ると小雨が降っている。春雨。



February 8, Thursday 2007

ウイークデイにしては忙しい日。前半は家人の都合で、一人だった。少々右往左往。しかし、おかげで、ピラフに加えてピザを焼く手順もすっかり身についた。

昨日に続き、『彫刻真髄』から一節を引用しよう。

    己れ深くミレーを愛敬すその深厳なる思想はよく彼の沈荘の筆に
    依てあらはさる、而も優雅にして而も之れ以上の詩的絵画の古今
    今来世に出づるべしとも思われず身をバルビゾン僻邑に隠して世
    を訓へたるの画聖ミレー ア、われ深く敬愛す。
           
    (三十六七年頃若くは其以前認めしもの)

これは Millet Rolland (『ミレー・ローラン』)という本の余白に書き込まれたことば。明治36年10月碌山はパリに渡っている。ということはこれはパリ在住時代のものということになる。37年に彼はロダンの「考える人」に感激し、その後彫刻に転ずる。しかし、この言葉から、絵であれ彫刻であれ、彼の姿勢は一貫していることがわかる。

閉店後、しばし練習。「その人がこの町に嫁いできたころ」「幼いころ野原には」など。外に出ると雨。温度計を見ると6℃。マイナスではなくプラス。ありがたいが、少し心配になる。


February 7, Wednesday 2007

夕方少し遅れてオーリアッドに入る。「千両梨の実」が聞こえてきた。去年の12月前半の飛び入りライブの音源である。最後まで聞く。まだ新しい録音機械に慣れていなかったので、インプットの音量が大きすぎて音が割れているところがある。でも全体的にはとてもいい雰囲気。

『碌山の恋』以来、碌山関係の本を何冊か拾い読みし始めたが、本当に凄い人である。友人の戸張孤雁(とばり・こがん)が編集した遺稿集『彫刻真髄』の中に、師と仰ぐロダンについて次のように述べているところがある。

    ここでロダン先生の作風の根本となるものを申しますと、つまり、
    先生はグリーキとエジプトの精神を極めて今日に至った。グリーキ
    の型をのみ追い求めたのが十八、九世紀のフランス彫刻界の大勢で
    あったが、ロダン出づるに及んで型を追わずに精神を見た。(p. 40)
             
*グリーキとは Greek あるいは Greece 、ギリシャのこと。

この本の最後のほうに、彼の蔵書の中の書き込みを集めたところがある。『ロダンと其作品』 (The Life & Work of Rodin)という本には次のような書き込みがある。

    明治四十年仲秋 於巴里

    「歓心自得」
     夫れ偉大なる思想が我が天職也 (p. 178)

遅くなって歌の練習。「フリーウエイ101」「死は終わりではない」など。早めに閉めて、家に戻る。採点の続きをしなければ。

荻原碌山著『彫刻真髄』(復刻版)碌山美術館、平成3年


February 6, Tuesday 2007

今朝届いた音源をもとに、午後、ジョニー・キャッシュのゴスペル集の歌詞の確定。不確かなところがいくつかあるが、あまり困難なくできそうである。最終締め切り2月末。

夜は、採点と成績づけ。一番疲れる仕事。一休みしようと階下に降りる。テレビをつけたら、「フォレスト・ガンプ」が始まるところ。最後まで見てしまった。最後のシーンはいい。以前に映画館で見たときよりもよかった。

その間、足元ではフィービーとソフィーが遊びまわっていた。一度はティッシューの空き箱をとりあって遊んでいた。フィービーの勝ち。首を箱に突っ込んで得意そう。




February 5, Monday 2007

夕方、南箕輪からの帰り、スイミングへ。途中、大芝高原のあたりを通るとき、南アルプスの山並みが先日よりもはっきりと見えた。牧場の小道に車を入れ、何枚か撮った。



スイミングのあと、家に戻る前、オーリアッドに立ち寄る。昨日直したドアがちゃんと動くか確かめるため。おそるおそるドアを引くと、スルスルと軽快に動く。けたたましい騒音もない。よかった。昨日は、厚めに塗ったパテの上に、戸車を打ちつけた。そのパテがしっかり乾いて硬くなり、安定したのかもしれない。ドアを直してほしいと言って下さったお客さんに感謝。


森昌子という歌手についてはあまり詳しくない。彼女が若いころ歌っていた「先生」という歌は知っている。それから去年だったか一昨年だったか、離婚したことも。昨日の朝日新聞の「おやじのせなか」というコラムに彼女の「聞き書き」が載っていた。

    私が出る歌番組は欠かさず見てくれていましたね。でも見ていたの
    は私の振る舞いだったんです。「他人が歌っているときは真剣に聞
    け」などと、よくしかられました。

お父さんは、彼女が再デビューを決めたころ病気になり、復帰の記者会見の最中に亡くなったとのこと。おそらく心労が重なっていたのだろう。娘の今後がはっきりし、安心して旅立っていったに違いない。



February 4, Sunday 2007

オーリアッドのトイレのドアが調子が悪いことに数週間前から気づいていた。戸車がレールから外れて動かなくなるのである。そのつど重いドアを持ち上げてレールに乗せていた。

昨夜、「トイレのドアがなんとかならなりませんか。かなりいかれてます」とお客さんに言われ、専門家に頼む前に自分たちで修理してみようと、午後オーリアッドへ。

オーリアッドの家具はすべて、テーブルも椅子もドアも大工さんの手作り。ドアはむくの板が2重になっていてかなり重い。ひょっとしたら中に防音シートが入っているかもしれない。20年以上もその重いドアを支えてきた戸車もレールもかなり磨り減っている。

こんなとき先月山梨から歌いにきてくれたカーペンターズのふたりが、近くに住んでいてくれたらいいのにと思いながら、近くのホームセンターへ。親切な店員のアドヴァイスを受け、戸車とレール、それにレールを切る金鋸と、古い釘穴を塞ぐパテのようなものを買ってきた。

古いレールを剥すのに一苦労。洗面所の横の部分には手が入らない。レールの端は柱の支えの下に固定されている。最終的には固定されている部分が折れて、何とか取り除くことができた。

レールを取り付け、戸車をつけ、ドアをレールの乗せてみる。前よりはスムーズに動くが、ピーピー、ビリビリ、もの凄い音。前もしていたが、ドアがスムーズに動かなかったので、あまり気にならなかった。ドアをはずして調べてみるとドアの左右の脇の細長い板が上の部分で少しはがれていた。これがドアの開閉時に振動し、楽器のような音を出していたのだ。釘を打って固定する。

何とか前よりはスムーズに、静かに、開閉するようになった。でもいつまた動かなくなるかもしれない。そのときは、カーペンターズに見てもらいたいものである。



February 3, Saturday 2007

寒い冬の夜の、あったかいライブになった。

まずサウンドチェックを兼ねてぼくが「サンタバーバラの夏」。ギターをラインでとってみる。大丈夫。続いて、藤森和弘さん、「寒い国からきた手紙」など。赤羽真理さん、「花語らず」「輝く陽を仰ぐ」など。

ここで垣内彰さんに、ステージに上ってもらい、今日の午後放映されたテレビドラマ『碌山の恋』について語ってもらう。「よかったことは、何と言っても自然の映像が美しかったこと。残念だったのは、黒光さんのアクの強さが描ききれていなかったこと」という主旨の話。垣内さんの話を受けて、黒光を演じた女優が好きだという若者がふたりいた。また、とにかく全国放送で碌山や碌山美術館が紹介されたことはいいことだ、という声もあった。確かに。

垣内さんのあと、大月高志さん。今日はピアノ演奏ではなく、弾き語りで2曲。「乾杯」など。この歌は懐かしい。大月さんが歌うこの歌を聞いて、改めて名曲だと思った。続いて、春日淳也さんのカホンのサポートで、田中創さんがロバート・ジョンソンの Walking Blues など。ボトルネックのギターがよかった。渋い。演奏中に、客席から拍手がおきた。










休憩を挟んで、後半。まずぼくが I Have a Dream。試行錯誤、歌うたびに拍子やリズムが変ったが、ようやく定着してきた。藤森さん、「子守唄のように」「住みなれたこの町で」など。赤羽さん、「千両梨の実」など。ふたりとも前半より後半のほうがずっといい。作品の質においても、演奏においても。彼らはこれらの歌をほぼ毎回歌っている。実に歌いこんでいる。そのことが彼らの演奏に安定感を与えている。

最後に田中・春日・大月トリオで「おいでよ、今夜は踊ろう」。なんと素敵なダンスミュージック! 大月さん、この歌はギターでサポート。見事なリフの連続。田中さんに「大月さんは、ギターが本職ですか」と言わしめたほど。続いて「東京」は大月さんが抜けてふたりで。見事な作品、見事な演奏。ペルーの楽器だというカホンの乾いた音がリズムを刻む。そして最後に、再度大月さんが「本職の」ピアノで加わり Sweet Home Chicago。

これで本日のライブ終了。しみじみとした静かな「感動」が余韻として残る。しばし歓談。歌であれ、小説であれ、ドラマであれ、必要なのは「感動」だと思う。それはぼくが以前に「喉仏」ということばで表現したもの。


February 2, Friday 2007

寒い一日。長野県の南部は降らなかったが、全国かなり広い範囲で雪が降ったようだ。テレビのニュースで雪の竜安寺を見た。

午後、南箕輪村へ。うっかり忘れるところだった。思い出してよかった。補講。楽しい授業。

夜はオーリアッドへ。寒さにもかかわらず、いつもより忙しい日。感謝。遅くなって歌の練習。

明日午後2時から『碌山の恋』というテレビドラマが、TBS系列の全国ネットで放映される。全国の人々に碌山を知ってもらう絶好の機会。彼の生き方、そして彼の先生である井口喜源治の思想こそ、現在の日本に必要なものだと思う。多くの人たちに見てもらいたい。万水川(よろずいがわ)や常念岳(じょうねんだけ)など、安曇野の自然もふんだんに登場するようである。

詳しくは次のURLから。http://sbc21.co.jp/tv/rokuzan/


February 1, Thursday 2007

松本へ。午後、試験の監督をしながらふと教室の外を見ると、ものすごい勢いで雪が舞い落ちている。思わず「うわっ!雪だ」と声を上げてしまった。ありがたいことに帰る時間までには小降りになり、そのうちに止んでしまった。しかし気温は急激に下がり、寒いことこの上ない。しかしこれが正しい冬の姿。

夕方家にもどり、しばらく休憩し、オーリアッドへ。店内に入ると Pet Sounds がかかっていた。評判のいいアルバムだが、Beach Boys といえば、ぼくにはやはり Surfin' USA のような音楽がいい。

遅くなって歌の練習。「サンタバーバラの夏」「明日は遠く」など。11時過ぎ、家に戻る。車から降りると、頭上には満月。そこから降り注ぐ光が、庭を照らし、まるで昼間のよう。



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