OREAD Diary November 1〜November 30, 2006



November 30, Thursday 2006

師走になる前から走り回っている。しなければいけないことを先延ばしにする悪い癖は、いつになっても直らない。

朝から夕方まで松本。その後オーリアッドへ。

ジャズ・ヴォーカルを聞いていたら「センチメンタル・ジャーニー」が流れてきた。誰が歌っているかと思ったらドリス・デイだった。なんともいえぬ懐かしいメロディ。一瞬のうちに別世界へ。

  Gonna take a sentimental journey
  Gonna set my heart at ease
  Gonna make a sentimental journey
  To renew old memories

遅くなって、歌の練習。11時過ぎ家に戻る。車を降りると南の空にオリオン座。その左下に明るい星がひとつ。調べてみたら大犬座のシリウス。太陽を除く恒星の中で一番明るい星らしい。



November 29, Wednesday 2006

そろそろ12月、というのに暖かい。畑やガレージの整理には暖かくて大いに助かる。しかし、こんなに暖かくていいのかと心配になる。寒くても心配、暖かくても心配。心というものは難儀なものだ。休まるときがない。

土曜日以来のオーリアッド。少し遅れて入る。太田裕士さんがきていた。一緒にマンダラ2に向けて練習。今晩はサックスではなく、何曲かピアノで合わせてみた。「門」「宝福寺にて」など。


November 25, Saturday 2006

午後遅く、マンダラ2へ向けて練習しているところへ、大阪から Kinds of Tea の二人が到着。しばらくしてサウンドチェックをお願いする。彼らのギターはマイクを通さなくても充分なくらいに鳴っている。2台のギターのインストラメンタルが心地よい。最終的にはラインを使ったが、ギブソンとマーティンの生音が素晴らしい。

本日は大賑わいの飛び入りライブ。出演順に、井原仁志、木下卓也、福井大輔、穂高久志、たかよ、Kinds of Tea、藤森和弘、赤羽真理、大月高志、ダニエル・ジリッグ、出戸明(敬称略)。

後半のみ、前半のみ、の出演者もいたが、基本的に前半2曲後半1曲をお願いした。最後は、大阪からはるばるやってきてくれた Kinds of Tea のインストラメンタル。その後しばし歓談。









人はなぜ歌うか。その答えはおそらく千差万別。100人に100の理由があるだろう。人はなぜ歌を書くのか。この問いに対しても、人によって答えは異なるだろう。

振り返ってみれば、ぼくにとっては歌うことよりも、歌を書くことが重要だった。歌を書くことで、いくつかの苦しみを乗り越えてきたように思う。

ある哲学者がいじめの問題を語る中で、いじめは、「外に向けられた攻撃的エネルギー」、自殺は「内に向けられた攻撃的エネルギー」であり、「攻撃的エネルギー」と、鑑賞的に現状を受容する「受容エネルギー」のバランスを保つことが重要であると説いていた。更に、そのために必要なのは「芸術的創造活動」であると。

それを読んだとき、ぼく自身の経験から考えて、彼の説に深く同意した。もちろん、歌以外にも、芸術的創造活動はたくさんある。芸術といわれるものでなくても、草花を育てる、農業をする、木工品をつくるなど、人は何かを創ることによって、大きな喜びや慰めを与えられる。今、学校教育の中で欠けているのはそのことではないだろうか。いや、今の日本の社会に欠けているのはそのことではないだろうか。

歌を書く作業は孤独な作業である。いい歌を書くためにはどれだけ孤独になれるか、どれだけ孤独に徹することができるかにかかっている、と思う。しかし、人前で歌うということになると、それは一人の問題ではなくなる。人前で歌うためには、自省の念を込めていうのだが、ある特殊な個人的なできごとを、できるだけ普遍的なものにする必要がある。

普遍性の定義は難しい。しかしここでは、普遍的な歌には「喉仏」があるということにとどめておこう。「喉仏」とは歌う人がその歌を歌うことによって伝えたいもの。


November 24, Friday 2006

午前中、白菜の採り入れ。更に、壊れた小枝シュレッダーなどの大型不燃物をゴミ収集センターへ。ガレージの中の「モロ」の入り口を塞いでいて、野菜を貯蔵することができないので。

午後は塩尻へ買い物。2枚組みのジャズ・ヴォーカルの廉価盤を買う。disc one が女性ヴォーカリスト。disc two が男性ヴォーカリスト。ジャズといっていいか分からないが、アンディ・ウイリアムズやフランク・シナトラのヴォーカリストとしての実力を再認識させられた。再認識というよりも、認識したといったほうが正確か。ヴォーカルそのものに関心をもつようになったのは、今年の前半 Ryu の『おとぐすり』を聞いてから。

日中は暖かかったが、夕方から急に寒くなった。夜、家に戻って車から降りると、満天の星空。南の空には、オリオン座。明日の朝は寒くなりそうだ。

なんとかCD-RWの録音もできるようになった。但し、メーカーのものによっては、受け付けないものもあるようだ。たまたまそのディスクが不良品だったということも可能性としてはあるが。


November 23, Thursday

勤労感謝の日。寒い一日。といっても例年に比べたら暖かい。今日の休日はありがたい。雑用をいくつかすませ、猫と遊ぶ。いや、遊んでもらう。わが家にきてから二日目。少し慣れたのか行動が大胆になってきた。2匹一緒のせいか、母猫を探すようなそぶりもなく(内心はわからないが)、二人でじゃれあって遊んでいる。いくら見ていても飽きない。

夜は前半英語教室。後半オーリアッド。数日前に届いた本田竹広さんの『ふるさと-On My Mind』を聞く。お客さんがいなかったので大音量で。よかった。やはりジャズはある程度の音量が必要のようだ。遅くなって、マンダラ2での年末ライブに向けて練習。






November 22, Wednesday 2006





平日にしては忙しい日。コーヒーをいれながらも心配だった。子猫たちがどうしているか。不思議な縁で、今日の昼ごろ、わが家に子猫が2匹やってきた。淡いべージュとダークグレイのモノトーンの姉妹。歌の練習を少しして、11時過ぎ家に帰る。彼女たちはすでに眠っていた。新しい環境で不安だったに違いない。疲れて、すやすやと眠っていた。


November 20, Monday 2006

午後、オーリアッドへ。CDレコーダーのマニュアルの続きを読む。ファイナライズするために、何も書き込む必要はなかった。そう書いてあったが、実際にはボタン2箇所を押すだけだった。なんと簡単な。最初からそう書いてあればいいものを。

何曲か録音して、聞いて見る。音は悪くない。きれいに録音できる。但し、たくさんの楽器を同時に録音するとき、後で個々の音を調整できないので、ちゃんとしたCDの録音には適していない。ライブ音源を録るにはとてもいい。

CD-Rに録音し、ファイナライズすると、もうそこには追加で録音できない。CD-RWだとそれができるとのことで、CD-RWで試してみたが録音さえできなかった。次の課題はCD-RW。


November 19, Sunday 2006

午後、オーリアッドへ。昨夜の片づけをし、その後、CDレコーダーを、マニュアルを見ながら、操作してみる。なんとか録音することはできた。しかし、ファイナライズしなければ、普通のCDプレーヤーで聞くことはできないと書かれている。TOC (Table of Contents)を書き込むとフィイナライズできるとのことだが、どうやって書き込むのか。集中力がなくなった。今日はそこまで。

この手のマニュアルを読むのは本当に苦手。今まで、いい加減に読んで、適当に始めて、せっかくある機能を使いこなせないものが多かった。今回は時間がかかってもいいから、しっかり読もうと思う。

そのあと、歌の練習。ジョニー・キャッシュのAt San Quentin の最後のメドレーのようなことができないかと、いろいろ試してみるが、難しい。



November 18, Saturday 2006

しみじみとしたいい飛び入りライブになった。その理由のひとつは、オーリアッドのミキサーが新しくなり、マイクやラインのことで慌てなくてもよくなったからだ。そればかりではない。音そのものがよくなった。クリアーである。

午前11時、レコーディング・エンジニアの石崎信郎さんがやってきて、オーリアッドのミキサーを新しいものに換えてくれた。マイクやマイクのコードなどももってきてくれた。ラインに繋いだときにハウリングが起きたのは、システムではなくラインそのものに問題があったらしい。新しいラインに換えてもらったらハウリングはまったくなくなった。

開店後、誰もいない客席に向って歌う。新しいシステムの音を確かめ、楽しむために。まだ慣れていないので、フェーダーの位置など、試行錯誤でやっているが、音がクリアーだ。

そのうちに藤森和弘さんと奥さんが入ってくる。そして赤羽真理さんも。トップバッターを藤森さんにお願いする。「人生に勇気」など3曲。ギターのサウンドがいい。それはギブソンのギター、そして藤森さんの技術故ではあるが、新しいミキサーの効果も少しはあるかもしれない。



赤羽真理さん。「旅人の木」など3曲。一曲初めて聞いた歌があったが、タイトルを聞きそびれた。誰かのカバーであるような。悪い歌ではないが、最近の赤羽さんのオリジナルのほうがはるかにいいと思った。優劣というよりも、赤羽さんに合っている。

 

田中創さん。一曲目 Just like a Woman。なんとこの若者は素晴らし感性をしているのだろう。彼はどの歌をカバーしても、すべて自分の歌にして、それをそっと聞き手に手渡す。彼のギターにも歌い方にも、ディランを好む人たちにありがちな押しつけがましさがない。自戒の念を込めてのことだが。3曲目。ピザを焼く都合があって厨房にいると、言葉は聞き取れないが、日本語で歌っているのが聞こえてきた。彼が日本語で歌うのを初めて聞いた。カウンターにもどるとすぐに終ってしまった。赤羽さんが「彼のオリジナルです」と教えてくれた。



ダニエル・ジリッグさん。Froggie Went A-Courtin'. スプリングスティーンの Seeger Sessions からのカバーかと思ったら、ディランの Good as I Been to You からとのこと。そういえばディランも歌っていた。この歌を歌うときのダニエルの低い深い共鳴するような声がよかった。2,3曲目に春日淳也さんがパーカッションで入る。



ここで10分休憩。

Round Two. トップバッターとしてぼくが「果樹園の道」と「千の風」を歌う。続いて藤森さん。後半3曲目はオリジナル「子守唄のように」。休憩前に入ってきたK元県議が、「カバーより、オリジナルのほうがずっといい」と声をかける。同感である。赤羽さん、「森の小道」と「千両梨の実」。藤森さん、赤羽さんの演奏の両方に春日さんがパーカッションではいる。Kさん、「パーカッションがいいね。才能あるね」。



田中さん、Ben E. King そして Nina Simone のカバーのあと、先ほど彼が歌ったオリジナルをリクエスト。ぼくも聞きたかったし、その後聞きにきてくださったお客さんが何人かいたので。その新曲は「東京」というタイトルとのこと。

  果てのない暗闇を手探りで進む
  悲しい空(そら)の音、近づいて遠くなる

で始まり、

  夢の続きを願っていた、焼け野原の真ん中で
  あの夏の東京

で終る。うーむ。驚くべき感性。

 

最後はダニエル。Dusty Days と Highheel Sneakers。パーカーション、春日さん、リードギター田中さん。最後に、ボーカルとリードギターが入れ替わり、Sweet Home Chicago。拍手喝采。カウンターにいた初期のオーリアッドを知っている「垣内バンド」のリーダーが、「あの頃とはレベルが違うね。もう俺はここでは歌えないよ」と感嘆!これで今晩のライブ終了。

と思ったが、S&Gの大ファンのK元県議が歌うことに。オリジナルと Boxer。彼の場合はオリジナルよりカバーのほうが断然よかった。



その後しばし歓談。11時半閉店。その後、再び、誰もいない客席に向って、歌ってみる。新しいおもちゃを買ってもらった子供のようだ。



November 17, Friday  2006

午後、洗馬小学校でトークライブ。送られてきた地図を頼りに進む。サラダ街道を少し行ったところにあった。もっと遠くかと思っていたが、意外と近い。校庭に入り、体育館をぐるっとまわって、教職員玄関へ進む。見事な松の枝のアーチをくぐり抜けると見えてきたのが二宮金次郎像。いろんなところでこの像を見たが、こんな見事な環境に置かれたものは初めて。

子供のとき見慣れた像だが、最近はあまりお目にかからない。勤勉のシンボルであるこの像が、軍国主義に利用されたとかで撤去されたところも多いと聞く。その代わりに、なぜかぼくが住む町の小中学校には裸婦像が多い。裸婦像は嫌いではないが、小学校にはやはり二宮金次郎が似合う。

子供たちが、「金融」授業の一環として、学校の畑で育てた大根を売っていた。立派な大根だった。何本か購入。

夜はオーリアッド。明日の飛び入りライブのために今日のトークライブで使った機材の一部をステージに戻し、セットする。不思議なことに今晩はマイクの音はよく出ていた。いずれにしろ、明日、石崎さんがミキサーを取替えにきてくれることになっている。上手く使いこなせるといいのだが。

遅くなって、マンダラ2での年末ライブに向けてI Have a Dream の練習。家に帰ってテレビをつけたら、ワシントンDCの公園にキング牧師の記念碑が建つというニュースが流れた。背景に I Have a Dream の映像が流れた。


November 16, Thursday 2006

松本から帰り、オーリアドへ。前半英語教室。9時過ぎ降りていくと、ジブラーンの会の方々がまだおられた。「還暦のお祝いに」とリボンのついたきれいな封筒をいただく。「えっ、去年でしたが」と驚くと、「何がいいか考えているうちに遅くなりました。奥様と一緒にどうぞ」とのこと。某リゾート地の有名レストランのディナー券だった。一年遅れというのもうれしいものだ。感謝。

明日は洗馬小学校でトークライブ。洗馬(せば)という地名は珍しい。木曽義仲の馬が強行軍で歩けなくなったとき、この地の欅の木の根元から湧き出る水で馬の脚を洗ったら元気になったという伝説が残っているらしい。この地を過去何回か通ったことがある。のどかな農村地帯、懐かしい「日本の故郷」である。


November 15, Wednesday 2006

暖冬だとはいえ、やはり冬。寒い一日だった。灯油のストーブだけではオーリアッドがなかなか暖まらなかった。土曜日からずっと閉まっていたということもあるだろう。

Johnny Cash at San Quentin はとりあえず、最後に残っていた対訳を今日の午後送り、校正がくるまでしばらく手を離れた。昨年末からずっとジョニー・キャッシュとつきあってきた。この一年で訳した彼のアルバムは8枚になる。彼と個人的に親しくなった気分だ。特に At San Quentin は音楽の力というものを再認識させてくれた。彼のように聴衆とかかわることはぼくにはできそうもないが、参考になるところがたくさんあった。

諏訪二葉高校から先日のトークライブの写真と生徒たちの感想文が何枚か送られてきた。感想文を書かなければいけなかったとは気の毒だが、読ませてもらって、大いに感心した。深くものを考えていることが伝わってくる。やはり「いじめ」の問題に彼らが深い関心をもっていることがわかる。次のようなことを書いた人がいた。

  テレビのCMで聞いた言葉を、私は忘れられません。「命を大切
  に。そう何百回言われるよりも、<あなたが大切だ>という一
  言だけで生きていける」という言葉です。私はそれを聞いてひ
  どく安心した覚えがあります。

秋田で最近起こった幼児殺人事件を思うとき、絶望的な気分になる。<あなたが大切だ>と言ってくれる人を必要としているのは子供だけではないだろう。子供も大人も、その言葉に飢えている。


November 14, Tuesday 2006

午前中は雲りで、時々薄日が射していたが、午後からは小雨。寒い一日だった。朝、テレビで本田竹広というジャズピアニストの生い立ちをやっていた。偶然見始めて、最後まで見てしまった。ジャズにはまったく疎いが、彼の風貌といい、ピアノの音色といい、惹きつけられるものがあった。早速アマゾンに『ふるさと-On My Mind』という、彼が日本の童謡を弾いているアルバムを注文した。

その後、翻訳。夕方、送るべき3つのうち2つを送った。ライナーの訳と、確定した英語の歌詞とMC。原稿用紙にしたらおそらく100枚を超えているはず。歌詞&MCの対訳は明日送ることにする。2枚のCDと1枚のDVDからなるこのJohnny Cash at San Quentin (Legacy Edition)は、ジョニー・キャッシュを語る上で欠かすことのできない記念碑的な作品になるだろう。

リヴィングストン・テイラーの Unsolicited Material(邦題『持ち込み音源』MHCP1208) は、彼の他のアルバムとともに、11月22日に再発売されるようだ。ぼくが訳したからというわけでなく、このアルバムはお勧めだ。


November 13, Monday 2006

月曜日は終日まったく自分だけのために使える日。朝から Jonny Cash at San Quentin (Legacy Edition)の訳の最終調整。先ずライナーを見直し、そして今、歌詞とMCの訳を再度修正しているところ。このまま順調に進めば明日のうちに全部済ませて、送ることができるかもしれない。

オーリアッドのPAの調子が悪い。先週の飛び入りライブでもヴォーカルのマイクが突然大きくなったり、
聞こえなくなったり。接続してもまったく反応のないチャンネルもある。

1985年8月に初代オーリアッドが開店して以来の機材である。新調する潮時と思い、レコーディング・エンジニアの石崎さんに電話をする。すると、なんと運がいいのだろう。今週金曜日、中村ブンさんと一緒に仕事で下諏訪くるので、土曜日に寄るつもでいたとのこと。

機材を新調したい旨つげると、早速、明日、ミキサーとCDプレヤー/レコーダーがわが家に届くように手配してくれた。土曜の夜は岐阜でブンさんの仕事があるので、あまり長くはいられないが、機材のセッティングをしてもらえるとのこと。

今週の飛び入りライブから新しい機材を使うことができる。演奏をCD-Rに録音することもできるらしい。上手く使いこなせればの話だが。



November 12, Sunday 2006

午後1時から安曇野市明科の総合福祉センター「あいりす」でコンサート。関係者のご尽力で、ホールいっぱいの聴衆。「それぞれの道」「次郎」「碌山」「千の風」「新しい光迎えよう」など。太田裕士さんのサックスも好評で、いいコンサートになった。

「ふるさと」「紅葉」「里の秋」をみなさんと一緒に歌った。みなさん大きな声で歌ってくださり、盛り上がった。「昔はよかった式」の思考と揶揄されるかもしれないが、昔はほんとうにいい歌がたくさんあった。いい歌を書きたいと常に思っているが、同時に、これらの歌を後世に伝えるのも大事だと最近思っている。マンダラ2の年末ライブにも童謡を歌うコーナーを設けたらどうか、というのが太田さんのアイディア。若い彼にとってはこれらの童謡はかなり新鮮に響くようだ。



November 11. Saturday 2006

静かな飛び入りライブデー。今夜は常連出演者のみとあって、和気藹々と気楽に、普段は聞けないトークなどもあって、面白かった。それに触発されてか、お客さんの中にも休憩時間にスピーチを始める人もた。

まずサウンドチェックを兼ねて、ぼくがいくつか歌う。久しぶりに「アルー」を歌うと、客席から「東チモールの歌を歌ってほしい」という声があった。歌詞カードが手元になかったので、また近いうちに歌うということに。「アニー・イナシオのバラード」は本当に長い間歌っていない。

続いて藤森和弘さん。何曲か歌った中で「子守唄のように」がなんといっても耳、いや心に残った。彼が好んでカバーする歌手たちの歌よりも、彼のオリジナルは彼の優しさを伝える。

赤羽真理さん、久々に「人生の海の嵐に」を聞かせてもらった。奴隷貿易船の船長をした後、悔い改め牧師になり、「アメージング・グレース」を書いたジョン・ニュートンの作詞とのこと。文字通り彼の船は奴隷を運んでいるときに海の真ん中で嵐にあったのだ。

大月高志さん。「カノン」そして、香月!の名曲「秋桜」をピアノで。彼がこの曲を書いた直後にオーリアッドで弾いてくれたときのことを覚えている。





ここで10分休憩。この間に香月!のアルバム ELEMENTS から「秋桜」をかける。それを聞いたお客さんがこのアルバムが欲しいと購入してくれた。ELEMENTS は、オーリアッドではあと残り一枚。この曲の最後に聞こえてくるギターソロは、大月さんによると、「いがらん」こと栗林秀和さんが弾いているとのこと。なかなかいい。

後半、先ず藤森さんの最初の2曲に、春日淳也さんがパーカッションでサポート。3曲目は大月さんのピアノが加わり、Close Your Eyes。赤羽さん、「旅人の木」「千両梨の実」を大月さんのサポートで。「千両梨」の素晴らしさは何度もここで述べたが、最近「旅人」が実にいいと感じ始めた。最後に大月さんと春日さんのサポートでぼくが「オーリアッド・バンドの歌」。



その後しばし歓談。

             ■

「子猫はどうなりました」という質問があり、ホームページの掲示板には書いたが、OREAD Diaryには書かなかったことに気づいた。残念ながら獣医さんに預かってもらった2匹目も生き延びることができなかった。かわいそうなことをした。2匹一緒にして、柿の木の下に埋めてやった。


November 10, Friday 2006

今日もいい天気。しかし、朝から翻訳。問い合わせていた聞き取れないMCに対する返答も届き、いよいよ最終段階。これからが一番楽しいところ。

まだ英語を確定できないところ、確定できても意味不明のところもある。そこは「・・・」にしておくより仕方ないだろう。

今夜は前半が少し忙しく、後半は暇で、昨夜弦をかえたギターで、明後日の「明科福祉まつり」のコンサートのための練習。主催者から「里の秋」のリクエストがあった。幼い頃、囲炉裏を囲んで家族でこの歌を歌ったことを思い出した。

調べてみたらこの歌は、「みかんの花咲く丘」と同じ長野県松代出身の海沼実の作曲。作詞は千葉県出身の斉藤信夫。斉藤は戦時中、教師として間違ったことを教えたことを悔い、戦後教壇を去る。千葉の実家でぶらぶらしているところへ、海沼から電報があり、以前書いた詩を手直しすることを要請された。そうしてできたのが「里の秋」とのこと。

  静かな静かな里の秋
  お背戸に木の実の落ちる夜は

と、意味もよくわからずに歌っていたが、「背戸」とは家の裏、あるいは裏庭のことを意味するらしい。ひとつ勉強になった。


November 9, Thursday 2006

昨日と今日は、信州でも年に数回あるかないかと思われるほどの好天気。朝、山麓線を松本へ向う。雪をいただいた北アルプスの白い稜線が、紺碧の空に映える。

夕方家に戻る。しばらく休み、オーリアッドへ。前半英語教室。

後半オーリアッド。音楽は昨夜に引き続きジム・クローチ。バックパッカーと赤いTakamine の弦を変える。バックパッカーは最近よく音が狂うと思っていたら、3弦のペグが、ネジが緩んで、しっかりと固定されていなかった。

アメリカの中間選挙は民主党が上院でも過半数をとりそうである。喜んでいるであろう何人かの友人の顔が浮かんでくる。Vote for Change の立役者だったボスも喜んでいるだろう。

アメリカの議員の数は、上院100名、下院435名。単純に比較はできないだろうが、日本の国会議員の数は多すぎないか。人口はアメリカの半分以下なのに、議員数は衆議院、参議院ともに日本のほうが多い。


November 8, Wednesday 2006

アメリカの中間選挙の結果が報じられている。下院(Congress)は民主党の勝利、上院 (Senate) は拮抗している。現在49対49。あと2議席、モンタナとヴァージニアの結果次第。2年前の大統領選挙にこの結果が出ていたらと思わずにはいられない。それでも、このバランス感覚はちょっと羨ましい。

ブックレットの解説の訳を担当した Byrds のボックスセットTHERE IS A SEASON(邦題『巡る季節の中で』)の絵見本が届いた。バーズ・ファンは見逃せないものになりそうだ。バーズのことを思っただけで、頭の中にリッケンバッカーの12弦ギターが響いてくる。それだけ彼らには独自のサウンドがあったということだろう。それにあのハーモニー。

CDのラックを眺めていたら、ジム・クローチのアルバム(The Very Best of Jim Croce)が目に入った。久々に聞くことに。なつかしい歌声。「アラバマ・レイン」はいい。


November 7, Tuesday 2006

早朝、雨上がりの庭に出ると、雲間から陽が射していて、とてもきれいだった。何枚か写真を撮った。そのうちに曇が広がり、やがて雨が降り出した。風も吹き始めた。

雨の中、長野大学の特別クラス(国際文化A)のために、上田に向う。充分に間に合う時間に出たつもりが、途中工事が多く、何度も信号で待たされた。その間、和田峠の紅葉の美しさを眺める。一週間前よりも更にきれいになっていた。

授業の開始時間に数分遅れたが、何とか間に合った。クラスのあと、先生方と会食。先週も思ったが、長野大学の近くには洒落たレストランがある。

帰りは、何度も止まって、紅葉の写真を撮った。途中、新そばを食べ、道の駅で茸を買った。和紙のお店では、小さなランプを買った。帰りは、行くときの倍以上の時間がかかってしまった。最後に岡谷の楽器店に寄り、弦とハーモニカホールダーを買う。

 

 


November 4, Saturday 2006

飛び入りライブ。最初にやってきたのは、大きなウッドベースを抱えた丸山俊治さん。チューニングを終えたあと、「千の風」の採譜をしたとのことで、まだ誰もいない客席に向って一緒に演奏。その後、トップバッターをお願いし、ピアノ弾き語りで、「まだ見ぬ友、トム・ウエイツ」「天王寺思い出通り」。



川島茂さん。「娘がねじれるとき」「紅葉」「このまま伝えよう」。「紅葉」は今の季節よく歌われる童謡ではなく、父と息子の永遠のテーマを歌った歌。



赤羽真理さん。先ず一曲目、「花語らず」。彼がこの歌を歌うのは2度目のこと。そして「バーボン・ダブル」と「千両梨の実」。そろそろ「千両梨の実」「旅人の木」に次ぐ新曲を期待したいところ。



藤森和弘さん。風邪を引いて声が出ないとのことだったが、なんのなんの。今日のギター Gibson Advanced Jumbo をもち、「人生に勇気」「子守唄のように」「Stay Dream」。



大月高志さん。「セーラー服と機関銃」の弾き語り。以前にも彼がこの歌を歌うのを聞いたことがある。最近また、このドラマがリメイクされて放映されているらしい。



ダニエル。I'll Be Your Baby Tonigh, Everybody's Talking, Stay の3曲。最後の曲は太田裕士さんがサポートに入る。太田さんのサックスが入ると、この曲は Stay というよりは Soar と呼ぶにふさわしい。



太田さん。 先ず、サックス独奏で、Over the Rainbow。繊細でメローな響きが心地よい。次にピアノ弾き語りで「虹の中へ」、そして「ドレッソング」。最近、リヴィングストン・テイラーの歌う Over the Rainbow を訳したばかり。太田さんの「虹の中へ」(Into the Rainbow)は、それよりポジティヴ。ここで10分の休憩。



後半はセッションタイム。まず丸山さん。大月さんのピアノのサポートが入り、ベース弾き語りで「プカプカ」。今日のオーリアッド・セッションバンド(ピアノ、大月高志;サックス、太田裕士;ギター、ダニエル・ジリッグ;ベース、丸山俊治)とともに、川島さん、 Stand by Me と「酒と泪と男と女」。赤羽さん、「旅人の木」「千両梨の実」。



藤森さん、「上を向いて歩こう」「住みなれたこの町で」。続いて藤森さんの奥さん Takakoさん、「若者たち」。最後はダニエル。ギターに川島さんが入り、You Ain't Going Nowhere, Highheel Sneakers。これで今日の飛び入りライブは終了。

 

南アルプスに建設されるという発電用風車建設反対署名のお願いのあと、しばし歓談。昨日の日記に書いた信大交響楽団定期演奏会のチケットは、今夜希望者があり、お渡しした。

              ■

2匹の子猫のうち、黒いほうは今朝、獣医さんの手の中で息を引き取った。もう一匹は獣医さんにしばらく面倒を見ていただくことになった。「あまり期待はしないでください」とのことだったが、何とか生き延びてほしい。2匹が一緒にじゃれて遊ぶ姿を心に描いていた。残念だ。




November 3, Friday 2006

午後、長野市の障害者支援施設「ハーモニー桃の郷」で開かれた「ハーモニー夢祭り」で歌わせていただいた。まず最初「みかんの花咲く丘」と「紅葉」をみなさんと一緒に。そのあと、前半ぼく一人で、後半、太田裕士さんのサポートで歌う。最後の歌は「新しい光迎えよう」。

「宝福寺にて」を歌うと、とても喜んでくださった方々がいた。舟木一夫さんのファンだった。あとでお聞きすると、この秋も舟木さんはこの歌を各地で歌ってくださっているようである。

長野から戻ったのが午後6時。それから子猫の世話をし、オーリアッドへ。2匹とも元気がない。だんだんと痩せていくようで心配だ。特に黒いほうは。明日、獣医さんのところへ連れていこう。

昨日、学生から「第78回 信州大学交響楽団定期演奏会」のチケットを2枚もらった。ぼくは行くことができない。ご希望の方があれば差し上げます。オーリアッドにきていただければ直接お渡ししますし、メールでご連絡いただければ郵送いたします。

  
第78回 信州大学交響楽団定期演奏会

  11月11日(土)長野県県民文化会館中ホール
  11月19日(日)長野県松本文化会館大ホール

  開場:午後2時半、開演:午後3時。

  曲目:ブラームス 交響曲第2番ニ長調作品73
      エルガー  チェロ協奏曲ホ短調作品85
      ブラームス 大学祝典序曲作品80

  客演指揮:田久保裕一
  チェロ独奏:長谷川陽子


November 2, Thursday 2006

夕方、松本から帰り、子猫の世話をしたあとオーリアッドへ。2匹のうち、黒いほうに元気がない。ちょっと心配。

前半英語教室。後半オーリアッド。しかし、あまりにも疲れているので、早めに閉店。今週は、火曜日、上田;水曜日、諏訪;木曜日、松本と、外に出ることが続いている。明日は長野。

オーリアッドが10月からsmokefree になったことを知った友人からメールが入った。

"Congratulations on making Oread smokefree! It's a bold and admirable step to take in Japan, a most tobacco-tolerating country. Non-smokers and kids should always have the right to enjoy smokefree air."

きわめてタバコの煙に寛大な日本で実行するには、大胆で称賛に値する措置である」という主旨のことが書かれている。禁煙になってから1ヶ月が経ったことになる。賛否両論はあるが、よかったのではないかと思っている。


November 1, Wednesday 2006

午後、諏訪二葉高校でトークライブ。機材の運搬を男子生徒たちが積極的に手伝ってくれた。今年春卒業した同窓生から「半分は眠っていると思うけれど、気にしないでくださいね」と警告されていたが、ありがたいことに、私語もなく、居眠りすることもなく、聞いてくれたようである。

そのあと家に戻り、子猫たちにミルクをやり、オーリアッドへ。公民館の文化祭で演奏するという宮木器楽クラブのメンバーの打ち合わせなどあり、平日にしては忙しい日。

家人が留守のため、少し早めに閉店し、再び家に舞い戻り、子猫たちにミルクを。よく飲み、よく眠る。早く自分で飲めるようになってほしいもの。それにしても可愛い顔の猫たち。


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