OREAD diary October 1〜31, 2003

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October 31, 2003 Friday

オーリアッドを再開した6月には、6時に開けるとき外は明るかったが、今はもう真っ暗だ。

8時ごろ、ボブ鈴木からファックスが入る。

  先日はお疲れ様でした。人いっぱい入ってよかったですね。びっくりし
  ました。ひがしのさんが聞けず残念でした。フェダインの川下さんとは
  ずっと昔からの知り合いで、久しぶりに会えてうれしかったです。元気
  そうだったし。

彼は仕事の関係で、ひがしの君が終わったあと到着したのだ。ファックスには、明日の飛び入りライブには行けないが、8日には行きたいと書かれていた。

そうそう先日のエミグラント・コンサートには、昔オーリアッドバンドでサックスを吹いていた Dr. H ご夫妻も、駒ヶ根から来て下さった。打ち上げで話したいと思っていたが、気がついてみたらいなかった。飛び入りライブデーに来て、サックスを吹いてくれたらいいのだが。

今晩もジョニー・キャッシュのCDを聞く。カントリーだから訳しやすいだろうと思っていたが、なんのなんの、けっこう難しい。長いバラッドもいくつかある。2枚目には、「北国の少女」だけでなく、ディランの歌がもう1曲(It Ain't Me, Babe)入っていた。「北国の少女」は『ナッシュビル・スカイライン』に収められているディランとキャッシュのデュエットだ。

午後6時半、南箕輪村の南部小学校PTA教養文化部長の浦野さんと副部長の伊久間さんがオーリアッドを訪ねてくれた。11月12日(水)の南部小での講演会の打ち合わせのため。浦野さんは現在隣町の中学校の先生で、次男が辰野中学に通っていたときの部活(卓球部)の先生だったとのこと。伊久間さんは、10年以上も前に一度オーリアッドにライブを聞きにきたことがあるとのこと。基本的な打ち合わせのあと、しばし歓談。

お二人が帰ったあと、ソニーから送られてきたジョニー・キャッシュのCDを聞く。言葉もメロディも明快でわかりやすいが、ところどころ訳しづらそうなところがある。与えられた歌詞と違っているところもある。全24曲なんとか訳さなければならない。そのうち1曲はディランの「北国の少女」。

>エミグラントのサウンドチェックのときの写真を1枚。

           

頭の中には「エミグラント・ひがしのひとしコンサート」の余韻がまだ続いている。しかしお店は、あの白熱の演奏と熱狂的な拍手喝采がうそだったかのように静まり返っている。今日からまたいつものペースのオーリアッドにもどる。

水野哲男さんが当日の写真をCD-Rに焼いてもってきてくれた。ぼくはカウンターの中から撮ったので、ドラマーの中尾さんが写らなかったが、水野さんの写真ではしっかりと写っている。そのいくつかをここに紹介しよう。

(1) (2)  (3)


(4) (5)   (6) 

(1)ゆうへい君 (2)はなちゃん (3)怪しげ3人組 (4)三浦久 with 関島岳雄さん on tuba right behind (5)エミグラント on parade (6)featuring 川下直広さん on sax
 


Ocotober 26, 2003 Sunday

「夢の隊列−エミグラント・ひがしのひとしコンサート」終了。素晴らしい演奏の、素晴らしい夜になりました。

6時40分開演。ひがしの君がまず登場し、一曲歌う。それは小さな少年が口笛が吹けるようにりたいと願う歌。口笛が吹けるようになれば大人の仲間入りができるかもしれないと。そのあと、若い小暮はなさんと三上ゆうへい君がそれぞれ4、5曲歌う。ふたりの感性はみずみずしい少年のそれ。それでいて心の深奥のことばにならない世界を垣間見させる不思議な歌。再度ひがしの君が登場しソロで数曲歌う。「遠い空」がよかった。最後に3人で「カメのいる夜」。

その後、ぼくが2曲歌う。「カムサハムニダ、イ・スヒョン」は一人で、「碌山」をエミグラントと一緒に。リハーサルで2回通して歌っただけだが、さすが見事な伴奏。歌い終わったときの拍手喝采がいつもと違う。それはぼくの歌に対してではなく、エミグラントの演奏に対してだったことは明らか。

そして最後にエミグラント登場。曲と曲の間にほとんど切れ目がなく延々と演奏が続く。渡辺勝さんの歌も、歌というよりも楽器の音として他の楽器−川下直広さんのサックス、関島岳郎さんのチューバ、イマイアキノブさんのエレキギター、中尾勘二さんのドラムス、松村孝之さんのパーカッション−と絡み合う。すばらしい演奏。素晴らしい時間。最後の川下さんがソロで演奏した「友よ」が終わったとき、時計を見ると10時15分を過ぎていた。あまりの熱演に文字通り時間が経つのを忘れていた。

打ち上げの席で、名古屋から駆けつけてくれた「いとうたかお」さんが一曲歌ってくれた。ありがとう。いつの日か、オーリアッドでのライブが実現すればいいのだが。


Takao Ito & offnote musicians & staff


October 25, 2003 Saturday

飛び入りライブデーながら明日のエミグラント・ひがしのひとしコンサートのせいか、静かな夜。まさに「飛び入り」できて下さったのが信大の哲学教授Sさん。専門は仏教学。東大の中村元氏の最後の助手だったとか。彼を前に「碌山」「丁度よい」「カムサハムニダ、イ・スヒョン」を歌う。

その後、ほたる書房の田中さん、小野藤沢の中村夫妻、それに諏訪の堀内夫妻もお見えになり、談論風発、大いに盛り上がる。

東京出身ながら、S先生が「信濃の国」を正調テノールで歌う。その後、童謡やフォークソングが歌われる。5か国語に通じているという堀内さんが「枯葉」をフランス語で歌う。最後に、「学生時代」をみんなで歌いお開き。そうそう、堀内夫妻は、教会でのハロウィーン・パーティの帰りとかで、仮装したまま。堀内さんが迷彩服、奥さんはチャイナドレスを着ていた。
 

いよいよ明日エミグラント・ひがしのひとしコンサート。予約者は35名を超えている。東京からくるバンド・スタッフが13名。かなり賑やかになることが予想される。

オーリアッドでは珍しい本格的なバンドの演奏である。ドラムやエレキの音が外に漏れる心配がある。しかし近所の家々では、日本シリーズを夢中で見ている時間帯。大丈夫だろう。両チームに頑張ってもらって、白熱の試合を展開し、延長戦になってほしい。


Ocotober 24, 2003 Friday

エミグラント&ひがしのひとしコンサートが明後日となり、off note の神谷さんから連絡が入る。スタッフを含め総勢13名とのこと。ドラムス、ピアノ、エレキギター、サックス、チューバ、パーカッションなどの入ったオーリアッド史上最大のバンド。通常はアコースティック中心のライブハウスだが、どんな演奏になるか楽しみだ。ピアノの調律は木曜日にすませた。

ふりーぱさんが夜やってきた。お客さんが音楽にのって身体を動かすと北側と南側の壁沿いのベンチが動くので固定したいとのこと。作業着を着て、床に寝転び、電動ドライバーで手際よく金具で固定してくれた。ありがたい。エミグラントの演奏が白熱してもこれなら大丈夫だ。
           
今日は久しぶりに大工哲弘さんの「蓬莱行」を聞く。とてもいい。神谷さんによれば、昨日東京で大工さんとエミグラントのコンサートが行われたとのこと。大工さんは長野ではまだ一度もソロライブをやったことがないので、長野へ行きたいといっていたとか。希望的観測かもしれないが、ひょっとしたら「大工哲弘オーリアッドコンサート」が実現するかもしれない。


October 22, 2003 Wednesday

昨日、望月中学での講演を終えて家に戻ると、ソニーからディランの昔のアルバムのリマスター盤が6枚届いていた。これらは単にリマスターしたということではなく、まったく新しいCDで、SACD、つまりSuper Audio CDと従来のCDが二重の層になっている「ハイブリッドディスク」とのこと。SACD専用の装置で聞けば最高の状態で聞くことができるが、従来の装置でもかなりいい音らしい。ディランのメーリングリストも、少し前にSACDの話題で賑わったことがあった。

今晩、オーリアッドで、The Freewheelin' と Bringing It All Back Home それに、Blonde on Blonde のハイブリッドディスクを聞いた。音にはあまり関心がないぼくでも、一聴して、違いがわかる。実にいい音だ。まろやかで延びがある。しかもクリアーである。それぞれの楽器の音も鮮明に聞こえてくる。ディランがそこにいて歌っているようだ。

昔よく聞いた3枚のアルバムを聞きながら、ぼくが好きなのはやはりこの時代のディランだと再認識した。言葉に力がある。無駄な言葉がない。これからしばらくは、ハイブリッド盤でディランのアルバムを聞きなおすことになるだろう。Blonde on Blonde の Sooner or Later One of Us Must Know, I Want You, Memphis Blues Again, Just Like a Woman などを聞いていると、60年代後半、アイラヴィスタのアパートでこれらの歌を聞いていた頃の様々な思い出が蘇ってきた。

             

「夢の隊列」コンサートが近づいてきた。おかげさまで、参加予定者の数も徐々に増えてきた。当日はかなりの数になりそうだ。今晩連絡があり、メキシコ、ドイツ、フランスからの留学生3人が聞きにきてくれるのこと。


October 18, 2003 Saturday

今日は午後、近くのホテルで講演をし、6時15分からの懇親会にも出席したので、オーリアッドに入ったのは9時近くになっていた。

水野哲男さんがご家族できてくれて、何曲か歌って下さったとのことだが、お会いすることができなかった。彼が子供さんたちと一緒に歌ったという歌を聞きたかった。またお願いします。

また、今日は日本シリーズの初日なので、お客さんは少ないだろうと思っていたが、ぼくが戻る前、何人かの初めてのお客さんもあり、けっこう忙しかったようだ。

オーリアッドに戻ると、Tさんがカウンターでコーヒーを飲みながら待っていて下さった。ぼくが書いた英語の勉強方法の原稿を、ページ割して持ってきて下さった。彼によれば、何人かの人たちに読んでもらったが、好評だったとのこと。もっと若いときにこれを読んでいたらとも。ページ割されたものを読むと、文章の欠点もよくわかり、とても助かる。ここまできたら焦ることもない。じっくりと取り組んで、いい本にしたい。

Tさんがお帰りになったあと、しばらく歌う。We Shall Overcome, Turn Around, Lemon Treeなど。


October 17, 2003 Friday

お客さんの中に今日のヤンキース対レッドソックス戦を見た人がいて、話が盛り上がった。本当に素晴らしい試合だった。クレメンスは調子が悪く4回までに4点を取られたが打線が奮起して11回ついに逆転。

「バンビーノの呪い」なんて信じられないが、クレメンスは、今日の試合のあと、"How can you not believe in it?"(どうしてそれを信じないでいることができるだろうか?)といったという。それほどに、劇的な試合だった。

いつも冷静で礼儀正しい松井選手が、同点のホームを踏んだとき、飛び上がって喜びを表現したのが印象的だった。

明日は飛び入りライブデー。


October 16, 2003 Thursday

今晩は齋藤こうたさんが送ってくれたCDを聞いた。エミルー・ハリスの新しいアルバム Stumble into Grace の中の I Will Dream がよかった。Peter Frampton の While My Guitar Gently Weeps のカバーも悪くない。昔、Sgt. Peppers のカバーを聞いたときはちょっとひどいと思ったが。

エミルー・ハリスはヤンキースのファンに違いない。彼女の横にいるのは、ヤンキースのロジャー・クレメンス。明日のアメリカン・リーグ優勝決定シリーズ第7戦の先発が予想されている。レッドソックスのマルティネスとの投げ合いが見ものだ。それにしてもタフな選手だ。41歳で来年引退する選手とは思えない。


Ocotober 15, 2003 Wednesday

ボブ鈴木と奥さんが寄ってくれた。茅野でやっているジーンズショップの定休日で、飯島町の「ディラン」というお店へ友川かずきさんのライブのことで打ち合わせに行ってきたとか。この飯島町のお店に何か月か前に飯田へ行った帰りに寄ろうとしたが、道に迷ってしまって行けなかったことがある。

友川かずきさんが飯島へ来るなら辰野のオーリアッドでもと思ったが、ギャラの面でちょっと難しいかも。しかし、一度は会ってみたい人だ。彼が昔NHKのラジオでDJをしていたとき、ぼくの「漂泊の友」のなかから何曲かかけてくれたと、人づてに聞いたことがある。

もう何年も前に、フォークブームが去った後の彼の生活をフィーチャーしたドキュメンタリーを見たことがある。それによれば、彼は歌を歌うよりも絵を描くことに創造的はけ口を見出していたようだ。彼が秋田弁の訛りで中原中也の詩を絶叫するLPレコードを持っていた。圧倒的な存在感だった。彼の写真を見るとなぜか太宰治を思い出してしまう。

Googleで「上京の状況」を検索してみたら、トップに彼を紹介するサイトがあった。彼のプロフィールはもちろん、彼の絵や映像もみることができる。
http://www02.kani.or.jp/~kano/tomokawa.html


October 11, 2003 Saturday

飛び入りライブデーながら、今晩は歌い手が一人もやってこなかった。お客さんも9時過ぎにちらほら。こういう日もあるだろう。ぼくがしばらく歌う。「門」「宝福寺にて」「山頭火」など。修理されたTakamineの音は安定していてとてもいい。

先日きたお客さんからココアはないかといわれ、一昨日から始めた。寒くなるとココアは身体があたたまっていい。それに、ポリフェノールや各種ミネラルが含まれたすぐれた健康飲料でもある。

鍋に入れたココアの粉と砂糖を、少量の熱いミルクで溶いている瞬間は、けっこう好きな時間だ。

もう少ししたら、玄米雑炊も始めようと思う。

「夢の隊列」のコンサートまでほぼ2週間。予約も徐々に増えてきた。どんなコンサートになるか楽しみだ。ドラム、サックス、チューバ、ピアノ、ギター、パーカッションからなる総勢6名のバンドというから、下のEストリート・バンドより一人少ないだけ。オーリアッドのステージに彼らが立ったら壮観だろう。そろそろピアノの調律を頼んでおかなければ。


October 10, 2003 Friday


                   


ザ・ライジング・ツアーのシェア・スタジアムでの最後のパフォーマンスの写真。追悼の意をこめて全員黒い服を着ている。凄い迫力だ。今晩、ソニーのSさんからメールがあった。それによれば、アンコールの1曲目でボブ・ディランが登場し、「追憶のハイウエイ61」を歌ってステージを下りたあと、スプリングスティーンは次のように語ったという。

   ボブ・ディランの存在なしに、ぼくたちは今夜、ここに立つことはで
   きなかった。ボブ・ディランはこの国の歴史のある時期に、放たれた
   銃弾にひとりで立ちはだかるかのように歌を書いた。

   ぼくは、はっきりと覚えている。まだ若かったころ、自分の部屋で聞
   いた彼の歌が、ぼくに力を与えてくれたことを。そして、ぼくが生ま
   れて育った町以外の世界を見せてくれたことを。

   有能な人物が歴史を作るものなのか、歴史が有能な人物を作るものな
   のか分からない。しかし、ボブが有能な人物のひとりであることは確
   かなこと。今も、そしてこれからもずっと。今日、このステージを一
   緒に飾ってくれて、そしてぼくたちにインスピレーションを与えて続
   けてくれて、本当にありがとう。

スプリングスティーンがこれほどに表立ってディランに感謝の意を表するのを聞いたことがない。でもぼくは、スプリングスティーンの音楽の根源には、ディランの名を不朽にした3部作 Bringing It All Back Home, Highway 61 Revisited, Blonde on Blonde 、それに、その直前の Another Side of Bob Dylan があると思っていた。この夜スプリングスティーンが大観衆の前でディランについて語ったことは、ぼくの思いでもある。

今夜、オーリアッドのほうへソニーのKさんから電話があり、追加でブルーズを2曲訳してほしいと頼まれた。今夜は極めて暇だったので、早速訳して送った。そのうちの1曲はビリー・ホリデイのI'm a Fool to Want You。浮気な男を恋する切ない女心が見事に歌い込まれている。

明日は飛び入りライブデー。どんな夜になるだろうか。


October 8, 2003 Wednesday

箕輪町上古田の山間にある「赤そばの里」を見に行った後、今日はいつもより1時間早くオーリアッドに入った。先日のライブ後の打ち上げで乱雑になっていたテーブルと椅子をなおし、机とコンピュータをステージ裏の物置から取り出し、ステージ脇の定位置に置いた。


開店後しばらくして、お客さんがいないので、コンピュータのところへ行き、ネットサーフィングをしているうちに眠ってしまった。午前は、玉ねぎの苗を植え、芝刈りをし、午後は、「赤そばの里」へ行くために少しあるいたので、疲れていたのだろうか。目が覚めて客席を見ると、ステージから最も離れた2番テーブルに2人のお客さんがすわってこっちを見ている。「しまった」と思ったが、後の祭り。音楽は、最近訳した Feel Like Going Home をかけていたのだが、すでに終わっていて、
スピーカーからは何も聞こえない。

どのくらい眠ったのだろうか。どのくらいお客さんは2番テーブルで待っていたのだろうか。注文は異なる2種類のスパゲッティだったので、これまた出すまでに時間がかかってしまった。初めて来て下さったお客さんなのに、もう来てもらえないかも。


October 5, 2003 Sunday


ソニーのスプリングスティーン担当のSさんから、数時間前に終わったというスプリングスティーンのコンサートの速報が入った。

そのコンサートは、昨年8月から始まったBruce Springsteen & E Street Band のThe Rising Tourの最後のコンサートで、10月4日(日本時間では5日)にニューヨークのシェア・スタジアムで行われた。

            

アンコールを含めて全30曲、3時間15分にわたるコンサートだったようだ。驚いたことに、ボブ・ディランが飛び入りで参加したらしい。

  何といっても本日の最大の驚きは、アンコールでボブ・ディランが飛び
  入りゲストで登場したこと!ほとんど他人のコンサートに飛び入りする
  ことのないディランが登場したときは、全く誰もが予想だにしないこと
  が起こって、驚愕と喜びが織り交ざった、会場中が異常な状況。曲は
  「追憶のハイウェイ61」。

スプリングスティーンとディランといえば、昨夜演奏してくれたYAMA-SHOWSの「くのやん」は16歳のころThe Riverを聞いて感激したといっていたし、「もっちゃん」は Blood on the Tracks の Bucket of Rain が好きだといっていた。もっちゃんは特に、その歌詞の「できることはただ、しなければいけないことをすること」というところが好きだといっていた。

  生きることは、悲しい
  生きることは、思い通りにならないもの
  できることはただ、しなければいけないことをすること
  しなければいけないことを、できるだけよくしようとすること
  おまえのためにぼくは最善をつくすよ、ハニー、ベイビー
  分からないかい 
(三浦久訳)

ブルーズ調のいい歌だ。ディランが「エメット・ティル」のメロディをレン・チャンドラーから盗んだと白状したように(10月2日参照)、ぼくも白状しよう。ぼくの「王城山に黄色い月がのぼり」は、この歌のメロディに大いに影響を受けている。



October 4, 2003 Saturday

ふりーぱさんに、「一度オーリアッドでYAMA-SHOWSライブを」といわれて企画された「YAMA-SHOWS OREAD LIVE」無事終了。久々に勢いのある気持ちのいい歌を聞かせてもらった。中高生に人気があるのもうなづける。ビートルズとブルー・ハーツを足して2で割ったようなバンド、といえば分かってもらえるだろうか。極めて心地よい一時。ことばも面白いし、音楽性も豊か。彼らはこれから遠くまで行くだろう。

漫才のようなふたりの掛け合いが面白い。マネジャーによれば、今日はとても気持ちよく歌えたのか、いつもよりMCが長かったとのこと。客席からも時折話に割って入ろうとする人もいて、会場は爆笑、苦笑に包まれる。

            

最近テレビ局の依頼で書いたという「信州のおいしいうた」などいい歌がたくさんあったが、ぼくがもっとも気に入った歌は、「明日に向かって」。それにアンコールで歌った「献血したぜ」。今のところ長野県以外で彼らの生の演奏を聞くのは難しいかもしれないが、機会があったら是非聞いてほしいバンドである。ちなみに、オーリアッドに集まったお客さんに中高生はいなかった。しかし、中高年にも充分楽しめる音楽。おっと、客席の誰かさんの駄洒落が移ってしまったみたいだ。

打ち上げは最後はいつもの「飛び入りライブ」状態になり、諏訪からきたTakashiさんがギターとピアノで数曲歌い、岡田章さんがいつもの「オネスティー」を、そして、Takashi&岡田で、「レット・イット・ビー」。彼らの熱気にインスパイアされ、ぼくも歌いたくなった。YAMA-SHOWSの「くのやん」(写真左側、立っている方)にリードをお願いして「碌山」を歌う。実は、この歌を2000年夏、初めて「碌山美術館」で歌ったとき、YAMA-SHOWSのもう一人のメンバー「もっちゃん」が聞きにきてくれて、彼らの最初のCDをいただいたという経緯がある。

                

最後にYAMA-SHOWSに歌ってもらおうとすると、「Sota」(写真左、赤い服)も一緒にと3人で歌う。最後は箕輪町に住んでいるというSota君の「苺一笑」(イチゴイチエと読むらしい)。彼の顔に似てとても優しいほんわかとした歌。Sota君は松本縄手通りでの路上ライブの仲間とのこと。

若者たちの歌声が気持ちのいい一夜だった。


October 3, 2003 Friday


岡谷の北條楽器店に糸巻きを替えてもらうように頼んでおいたギターが修理されて戻ってきた。新しい弦も張ってくれていて、とてもいい音がする。いとうたかおさんの「小さな唄に手を引かれ」を久し振りに聞き、お客さんのいない間に、彼の優しいフィンガーピッキングを真似て弾いてみた。いい感じだ。昨日のディランを聞いたときもそう思ったが、これから少しギターの基本的な弾き方を練習したいと思っている。

明日は、YAMA-SHOWSのライブ。お客さんが入ってくれたらいいのだが。中高生に人気があるというから、いつものオーリアッドのライブとは違った雰囲気になるだろう。ぼく自身、彼らの歌を聞くことを楽しみにしている。


October 2, 2003 Thursday

今晩は、ディラン好きのお客さんがディランの4枚組みのブートレッグを貸せてくれた。You Don't Know Me という名前がついている。CDのクオリティといい印刷の美しさといい、今までのブートレッグのレベルをはるかに超えている。それにディランの写真がいずれもいい。ディランの好きな人が写真を選択したことがわかる。ぼくはあまりブートレッグを聞くほうではないが、これはいい。

            

今晩は1枚目だけしか聞けなかった。14曲中11曲が、WBAIというFM局での生演奏で、歌と歌の間に、DJとの会話が入る。その会話が実にいい。この会話から分かることは、このときディラン20歳。ニューヨークへ出て行き、コロンビアから「Bob Dylan」というアルバムが出る前のこと。


ディランがカバーしている歌で、いくつもいい歌があった。ハンク・ウイリアムズの「ロンサム・ホイッスル」ブッカ・ホワイトの「フィクシング・トゥ・ダイ」など。特に気に入ったのは、ウディの「ハード・トラベリン」だ。ギターワークといい、声といい、20歳の若者とは思えない。

自作の歌を歌ってくれないかとDJに言われて、ディランは、「エメット・ティル」の前奏を弾き始めるが、すぐに止めて、この歌のメロディはレン・チャンドラーから盗んだと言う。ぼくの好きな歌なので、へーえ、と思ったが、当時、フォークシンガーたちはコーヒーショップに集まり、歌を交換したり、影響を与え合ったりしていたのだ。オーリアッドがそんなコーヒーショップになれたらなと思う。


October 1, 2003 Wednesday

いよいよ10月。10月26日(日)には、エミグラントを迎えて、オーリアッド再開以来最大のコンサートが予定されている。考えてみたら、旧オーリアッドでもこれほど多くのメンバーからなるバンドのライブをやったことがない。おそらく何人かはステージからはみ出るだろう。それだけに、迫力ある演奏が期待できる。

ひがしの君とゆうへい君とはなちゃんのトリオも楽しみ。今年の七夕コンサートの楽屋で撮った写真がある。真ん中がひがしの君。

          
photo by miura

もう一枚、ひがしの君の写真を。ひがしの君の笑顔は気持ちがいい。飲みすぎるとちょっと困ることもあるが。

           
photo by miura

第2回マンスリーサロンのお話しをアップした。お話しの後の質疑応答も面白かったが、いずれ、アップするということで、今回はメインの話しだけにとどめた。


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