OREAD Diary  December 1 〜 31, 2003

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December 31, 2003 Wednesday

オーリアッドは、「出会いと創造の空間」を目指して、今年の6月13日、再出発いたしました。まだまだ理想の形からはほど遠いですが、みなさんのおかげで、面白い空間になりつつあります。ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。


             
                        Photo by Akio Hanaoka, June 13, 2003


December 29, 2003 Monday

「2004カウントダウン in いな通り町」の司会者から午後電話が入った。ぼくの出番は12月31日午後10時10分から20分間とのこと。但し、ステージへの出入りの時間も含まれているので、正味15分というところか。

ステージは4トントラックの荷台とのこと。おそらくかなりの寒さで、フィンガーピッキングは無理だろう。また、いつもの長いバラッドを歌っても聞いてもらえそうもない。We Shall Overcome と Blowin' in the Wind、 それに、「新しい光迎えよう」の3曲を歌おうと思う。当日の雰囲気を見て変わる可能性もある。

このイベントに参加したいという物好きな人はそう多くはないでしょうが、もし興味がありましたら、12月23日の日記に詳細を書きました。近くに5階建の市立駐車場があるようです。


December 27, 2003 Saturday

今年最後の営業日&飛び入りライブデー。

年の瀬であり、昨夜は雪も降り、かなり寒かったが、何人かの人たちが歌いにきてくれた。感謝。

本日の出演者は順に、長島功、芦部清志、三浦久、赤羽真理、堀内千晴。

長島さんは、村下幸蔵の「春雨」をはじめ何曲か。息子の聖(さとる)君(4歳)も一緒にステージに上がる。家ではよく一緒に歌っているらしい。家を出るときはお父さんと一緒に歌いたいといっていたとのことだが、終始お父さんの背中に隠れていて、残念ながら彼の歌を聞くことはできなかった。

   聖君の頭がお父さんの後ろに見える。

わが家の息子たちにもこういう時代があったなと懐かしく思い出す。

長島さんは村下孝蔵のファンで、仲間と一緒に2度村下孝蔵さんを伊那谷に呼んでコンサートを開いたとのこと。それだけに彼の急逝にはショックだったようだ。彼が亡くなってからもう何年になるだろう。いい歌い手だった。

芦部さんの作る歌はメロディが美しい。言葉にも無駄がない。今晩は「月と海」「月の神話」「林檎」「切なくて」を歌う。そしてアンコールに「街道(みち)の傍らで」。この歌は先々週の飛び入りライブで初めて聞いた。いい歌だ。コーラスの部分は、ぼくが聞き取れた限りでは、次のとおり。

   決して豊かではなかったけれど
   満ち足りていた遠いあの日の記憶が
   風に吹かれてゆれる、街道のかたわらで

そうそう、芦部さんが所属するバンド「ボノボ」も12月31日夜、「2004年カウントダウン in いな通り町」に出演するとのこと。

赤羽さんがチューニングしている間に三浦が1曲「千の風」を歌う。その後、赤羽さんが「赤い手鏡の中」をはじめ数曲歌う。今晩はファミリーデーとでもいおうか、赤羽さんは20歳の美しい娘さんと彼女の友だちを連れてきてくれた。「たまには違った世界を経験したほうがいい」と誘ったとのことだが、逆にお父さんはちょっと歌いづらそう。ぼくにも経験がある。身内がいると歌いづらいもの。でもどうぞまた連れてきて下さい。オーリアッドはおじさんたちだけのお店ではないはず。

堀内さんは今晩は「冬の星座」「冬景色」など冬にちなむ歌を数曲。「冬の星座」さながら、今夜は本当に星がきれいだった。

   木枯らしとだえて、さゆる空より
   地上に降りしく、くすしき光よ
   ものみな憩えるしじまの中に
   きらめき揺れつつ、星座はめぐる

  

最後は、赤羽さんの歌の中に出てきた「甘いラム酒」を飲みながら車座になって歌う。田中正幸さんが正調(?)「ゴンドラの唄」を聞かせてくれる。さらに、「若者たち」「夜空の星に」「星影のワルツ」「琵琶湖周航の歌」「We Shall Overcome」「ふるさと」(うーん、思い出せない。もっと歌ったはずなのに)などを歌う。

6月に再オープンしたオーリアッドは、多くの方々の協力のもと、なんとか半年が過ぎた。営業的にはなかなか厳しいものがある。しかし、いくつもの新しい出会いは、営業的困難を補って余りある。

オーリアッドのステージは、プロにもアマにも、上手な人にも、それほど上手でない人にも開放されている。音楽だけとは限らない。あらゆるジャンルの表現者に開放されている。来年は飛び入りライブデーがさらに充実することを、さらに多くの出会いが訪れることを、願っている。

今年の営業は今日が最後です。来年は1月3日(土)の飛び入りライブデーからスタートです。

よいお年を!


December 26, 2003 Friday

「本当は翻訳なんかしている暇がないくらいだと嬉しいのだが」と昨日書いたところ、ありがたいことにその通にりなった。ロバート・ジョンソンを聞きながら翻訳をしていると、数人の人たちが入ってきた。仕事納めの飲み会のあと寄ってくれたようだ。

ロバート・ジョンソンは馴染みがないだろうと、ジョニー・キャッシュ、ビートルズ、ディクシー・チックスやボン・ジョヴィの入ったオムニバス「トリビュート・トゥ・ヒーローズ」などをかけた。しばらくして、そのうちの一人が、「入ってきたときにかかっていたロバート・ジョンソンをお願いします」とのこと。驚くと同時に嬉しかった。早速、「コンプリート・レコーディングス」の2枚目をかけた。

ビートルズは「アビー・ロード」の半分と「サージャント・ペパー」をかけたのだが、久し振りに聞いた「サージャント」がよかった。一曲一曲の個性が際立っている。

   It was twenty years ago today
      Sgt. Pepper taught the band to play

この出だしだけで記憶は60年代に直行する。

明日は今年最後の営業日、今年最後の飛び入りライブデー。


December 25, 2003 Thursday

昨夜、ロバート・ジョンソンの『コンプリート・レコーディングス』という2枚組みのCDを、オーリアッドと家で探したが見つからなかった。今朝再度挑戦し、オーリアッドの一番下の棚の奥に身を潜めて隠れているのが見つかった。人生の3分の1をものを探して生きている、とどこかに書いたことがあるが、最近はますますひどくなっている。

いずれにしろ、このアルバムは1990年にリリースされているのでもう10年以上も前のことになる。「これを持っていないブルーズ・ファンは、聖書を持たないキリスト教信者と言える」(永井清)といわれるほど評価の高いCDである。

今朝はソニーからオリジナルの歌詞も届き、早速翻訳を始める。オーリアッド開店後も、かなり仕事ができた。本当は翻訳なんかしている暇がないくらいだと嬉しいのだが。

玄米雑炊の作り方の手ほどきを受ける。小ぶりの土鍋に水とダシを入れ、さらに白菜と茸と鶏肉を入れ、沸騰させる。そこに玄米のご飯を200グラム入れる。お塩とお醤油で味付け。最後に溶き卵をかける。

悪くはないが、やはり雑炊というのは、前夜の水炊きの鍋にご飯を入れて作るのが一番美味しいようだ。


December 24, 2003 Wednesday

クリスマス・イブ。お店は暇で、以前に送られてきたディランの Street-Legal と、今日送られてきた The Essential Johnny Cash を聞く。両方ともいいアルバムだ。

Street-Legal に関していえば、全曲好きだが、4曲目の Is Your Love in Vain? から5曲目の Senor そして6曲目の True Love Tends to Forget へと移っていくあたりが特にいい。また1曲目のSixteen years... という出だしを聞いただけで、ぞくっとくる。

The Essential Johnny Cash の大部分の曲は先日訳したばかり。初めて通して聞いた。ジョニー・キャッシュのカントリーには思想がある。主張がある。深いバリトンの声は安心を与えてくれる。癒し系の音楽といっていい。

今晩ソニーから電話があり、Robert Johnson の The Complete Recordings 全41曲の翻訳を依頼された。この2枚組みのCDはもう何年も前に発売されていて、Robert Johnson という名前は、ぼくの「アルー」という歌にも登場する。今度、再リリースにあたって翻訳も新しくしたいとのこと。冬休み、時間を有効に使うことができる。ありがたいことである。

合間に「千の風」を練習し、カレーを仕込む。ヨーグルト、生クリーム、りんごをたっぷり入れる。ニンニクも入れる。美味しくできた。最近はこのカレーが好評である。近々玄米雑炊を始める予定。


December 23, 2003 Tuesday

先日<20日)の飛び入りライブのとき歌ってくれた小池久美子さんが、ステージから、12月31日大晦日の伊那市での「2004カウントダウン in いな通り町」のイベントに彼女の所属するバンドが出演することになっているといったあと、ぼくの名前も出演者のなかに入っているというので驚いた。翌日主催者から連絡があり正式に依頼された。面白そうなので出演することにした。


 
2004年カウントダウン in いな通り町
   地元ミュージシャン多数出演!2003年〜2004年年越しイベント
   平和を願って、新年を迎えよう!


   場所:伊那市駅ビル「いなっせ」北側、多目的コミュニティ広場

   2003年12月31日(水)
    午後8時 ライブコンサート スタート
    午後11時30分 平和・環境・まちづくりフリートーク
    午後11時59分 カウントダウン
   2004年1月1日(木)
    午前0時 あけましておめでとう 新年を迎えてのフリートーク
   午前1時 終了
 


ぼくが何時ごろ、どのくらい歌うのか定かではありません。おそらく2,3曲というところでしょうか。お近くにお住まいで、面白そうだなと思った方はお出かけ下さい。野外ですから、ホッカイロ等、防寒の用意を周到に。あったかい甘酒サービスあり。


December 20, 2003 Saturday

東京から辰野へ戻ったのが午後5時近く。ホテルのテレビニュースが長野県に大雪が降ったと報じていたので心配したが、南信は薄化粧程度。助かった。それでも雪は雪だし、気温もかなり下がっていたので、今晩の飛び入りライブにはおそらく誰も来ないだろうと思ったが、オーリアッドへ到着と同時に、車が一台止まった。中から出てきたのは、5,6年前にぼくのクラスにいた信大農学部の学生2人と連れの女性一人。

その元学生の一人、弦巻(つるまき)吉春君にまず歌ってもらう。優しい、暖かい歌が多い。気に入った歌は「マフラー」「帰り道」。「マフラー」は、もし願い事がかなうなら、翼なんかほしくない、君にマフラーを編んでほしいという歌。「マフラー2」というのもあって、これはぼくがマフラーを編んであげるという歌。実際彼は歌っていないときは、編み棒を巧みに操りマフラーを編んでいた。もう3本目とか。「帰り道」は学生時代、授業をさぼって旅をしていた頃、伊那谷を思いながら書いた歌とのこと。

  うーん、いずれ帰ろう君が暮らす谷間の町へ
  うーん、そのうち帰ろう、やさしいなつかしい谷間の町へ

弦巻君と一緒にきた中村君は、北海道をヒッチハイクしているときに信大の学生だといったら、乗せてくれた人からぼくのCDを見せられて、「この人、知っているか」と聞かれたらしい。乗せてくれた人は阿知波一道さんだったという偶然。

弦巻君が歌っている間に、杉本等さんと小池久美子さんが入ってくる。さらに赤羽真理さんも。弦巻君のあと、杉本さんがギターを弾き、小池さんが歌ってくれた。1曲目は曲名を忘れたが、坂庭省吾さんを偲んでナターシャーセブンの歌。その他、「ドナドナ」など数曲。その後赤羽さんが数曲歌ってくれる。最後に歌ってくれた歌がよかった。これまた曲名を失念してしまった。

その後、堀内夫妻、ボブ鈴木夫妻と彼らの友人2人がやってくる。堀内さんは教会でのクリスマス会の後とのことで、「ホワイト・クリスマス」などクリスマスの歌をアカペラで数曲。

ボブ鈴木の友人の畑山靖司さんが歌う。ずっと前にお会いしたことがあるが、歌を聞くのはおそらく初めて。まず彼のニール・ヤングばりの高音の張りのある声に驚く。気に入った歌は、Rivers of Babylon。まずこれを英語で歌い、途中で憲法9条を日本語でメロディに乗せて歌ってしまった。「・・永久にこれを放棄する」というところがいかにも美しく響いた。Deportee の日本語バージョンも歌った。和訳は田川律さんらしい。

最後にボブ鈴木が歌う。今日はいつもよりたっぷり歌ってもらう。ボブは外国の曲を自分の歌のようにして歌うのが上手い。ビートルズの Money を日本語で歌ったが、ぼくにはそれと分からなかった。今日聞いたなかで面白かったのは、「オー、オーリアッド」が繰り返されるうた。元歌が「オー、シャンゼリゼ」だとは後で聞くまでわからなかった。

そうそうぼくも最後に1曲、昨夜マンダラ2で失敗した「千の風」を聞いてもらった。このときも出だしのメロディに先ず失敗し、やり直して何とか歌うことができた。

  私の墓の前に立ち
  涙ながさないで
  私はその石の下に
  眠ってはいません
  私は風、千の風
  いつもおまえのそばにいるよ
  春は名のみの風の中に
  金色の稲穂の波に

前回の飛び入りライブはカメラの電池が切れていて撮ることができず、今回はカメラを家においてきてしまい撮ることができなかった。弦巻君のほのぼのとした歌っている姿や編み物を編んでいる姿を撮りたかったのだが。



December 19, 2003 Friday

第10回三浦久年末ライブのため臨時休業。年末ライブの写真をいくつか。

(1)    (2)   (3)

Photos (1) and (3) are by Takuya Miura and (2) by Seiichi Tanaka. The guitarist in photo (3) is Yoshio Noma a.k.a. Norman.



December 18, 2003 Thursday


いよいよ明日がマンダラ2での10回目の年末ライブ。とにかく10年はやろうと続けてきたライブである。今晩はその前夜ということで、お客さんがいなければ練習しようと思っていたが、練習をするだろうからとわざわざ聞きに来て下さった親子がいた。「幼い頃野原には」「王城山に黄色い月がのぼり」など日頃あまり歌っていない歌を中心に1時間ほど歌う。お母さんが「ゴンドラの唄」が好きだとのことで一緒に歌う。

December 17, 2003 Wednesday

Christy Moore の This is the Day というアルバムを繰り返し聞く。彼の淡々とした歌い方が好きだ。特に、Victor Jara は歌そのものももちろんいいが、彼の歌い方も実にいい。こんな風に歌いたいものだ。

December 16, 2003 Tuesday

昨日遅く大月高志さんからメールが入った。彼には以前ソロで歌ってもらったことがある。1月3日(土)の飛び入りライブに彼のユニット「香月!」が歌いにきてくれることになった。女性ボーカルと男性の2人のギターがサポートするバンドである。この日は2004年のオーリアッドの最初の営業日で、飛び入りライブデーである。是非多くの方に歌いに、また聞きにきてもらいたいものである。

今週金曜日19日はマンダラ2出演のため臨時休業いたします。

 12月19日(金)吉祥寺マンダラ2
 第10回三浦久年末ライブ in Tokyo
 6:30pm 開場 7:30分開演 2500円+オーダー
 マンダラ2(tel: 0422-42-1579)JR吉祥寺駅より歩いて6分。
 公園口を出て左折。ガードを抜け信号を渡り、末広商店街へ。
 コンビニ「サンクス」手前、地下。

野間義男さんが何曲かギターでサポートしてくれることになりました。お近くにお住まいの方はお出かけ下さい。


December 13, 2003 Saturday

飛び入りライブデー。午後6時前にオーリアッドへ行くと、すでに車が一台とまっている。山岸豊さんだった。彼は11月22日の飛び入りライブのときに、富山の千田佳生さんと一緒に来た堀金村のシンガー。まだ誰もいないオーリアッドで、しばらくサウンドチェックをかねて歌ってもらった。

しばらくしたら富山の千田佳生さんがやってきた。昨夜東京でライブがあり、その帰りとか。山岸さんも千田せんもお互いをオーリアッドで見つけて驚いたよう。

本日の出演者は、山岸豊、千田佳生、掘内千晴、芦部清志、三浦久。

山岸さんは前回一曲しか歌ってもらえなかったが、今晩は、千田さんと一緒に、そしてソロで、たっぷり歌ってもらった。「心のより所を求めて」「時間」「木陰の季節」「君が好き」を含む8曲。ぼくが気に入った歌は「雪降る夜に小布施で」。千田さんのペダルスティールギターが入ると目立たないが、ソロのときは、山岸さんのギターの音がしっかりと聞こえてくる。ギターの腕は相当なもの。ドロップDの変則チューニングを後で教えてもらったが、ぼくにはちょっと弾きこなせそうもない。

千田さんは、4か月かかって取り寄せたという新しいアンプを持ってきた。音色が以前にもましていい。千田さんが歌った歌の中では「兄弟」が印象深い。

堀内さんは、いくつかの英語の歌を。英語とドイツ語で歌った「サイレント・ナイト」がよかった。そろそろクリスマスなんだ。

芦部さんは煙草をやめ、ダイエット中とのこと。身体が引き締まって見える。「東京」「月と海」「街道(みち)の傍らで」「林檎」。初めて聞いた「街道の傍らで」がよかった。子供の頃、買い物に行った雑貨屋や遊んだ集会所は、今はコンビニやガソリンスタンドになっている。砂利道の街道は拡幅され舗装され車がひっきりなしに走っている。あの頃は「豊かではなかったが満ち足りていた」と回想する。

彼が所属している「ボノボ」というバンドが、来年1月14日午前11時半、NHK長野「みんなのスタジオ」に出演するとのこと。残念ながら長野県以外では見られません。

三浦は久々に「ミン・オン・トウィーのバラード」「アニー・イナシオのバラード」、それに「風に吹かれて」と「ゴンドラの唄」。

前回は辰野のミュージシャンが多かったが、今晩は、堀金村、富山県、諏訪市、宮田村と町外が多かった。毎回違って実にいい。残念なことに、カメラの電池がなくなっていて、写真を撮ることができなかった。


December 12, 2003 Friday

遅くなってSさん来訪。ぼくが知る限り辰野でディランとスプリングスティーンについて語れる唯一の人。しばしEssential Bruce Springsteen の話題となり、そのアルバムの1枚目を聞く。

またディランのハイブリッドCDのうち Blood on the Tracks を聞く。音がクリヤーなにの彼は驚いていた。しかし、音がクリアーならいいとは限らない。If You See Her, Say Hello とか Buckets Of Rain はクリアーすぎて、ぼくには深みに欠けるように思われる。

かつてディランは、次のように語ったことがある。

  The only beauty's ugly, man
  The crackin' shakin' breakin' sounds're
  The only beauty I understand

  唯一の美は醜いものだ
  ガラガラ、ゴツゴツ、ザラザラした音が
  ぼくが理解する唯一の美

以前彼から借りたディランの4枚組みのブートレッグを返し、ディランのハイブリッドアルバムを何枚か貸せる。

オーリアッドの年末の営業は27日(土)の飛び入りライブまで。新年の最初の営業は1月3日(土)の飛び入りライブから。どうぞお出かけ下さい。


December 11, 2003 Thursday


下諏訪のエイデンへプリンターのインクを買いにいったついでに、岡谷の北條楽器に寄りサムピックを買った。以前にもサムピックを試したことがあるが、あまり上手く弾けなかった。しかし今回は背に腹は変えられぬ。なんとか弾けるようになりたいもの。planet waves というサムピックの新製品を紹介される。親指にぴったりとフィットし、とがった部分もあまり長くなく、弾きやすい。

サムピックで弾くと低音の部分がくっきりと大きく響く。今晩遅くにやってきたNさんに、サムピックを使っての演奏を聞いたもらった。「悪くないですけれど、いつもの三浦さんのやさしい弾き方のほうがいいと思います」とのこと。

サムピックを使って柔らかい音をだすことができるだろうか。マンダラ2までには何とか弾きこなしたい。あるいは、それまでに爪が伸びていれば何の問題もないのだが。

「何もない青空」を練習。何とか歌えるようになってきた。Nさん曰く、「三浦さんの<何もない青空>になっていますよ」。


December 10, 2003 Wednesday

夕方オーリアッドに着き、昨日の講演のために使用した機材の一部をステージに戻した。そのとき、右親指の爪が縦に深く割れているのに気づいた。しまった、と思ったが後の祭り。若い頃は栄養(カルシウム)不足のせいかよく爪が割れたものだ。最近は割れることはほとんどなかった。

仕方なしに爪を切りとった。割れた部分を少しでも残すとそこからまた割れ始めることが多いので、深めに切り取る。

「ゴンドラの唄」と「何もない青空」をお客さんのいないときに練習。前者は節回しの難しいところもあるが、何とか歌えるようになった。「何もない空」はもう少し歌いこむ必要がある。右親指の爪がないとギターが弾きづらい。音も弱い。19日のマンダラ2までに伸びてくれたらいいのだが。


December 6, 2003 Saturday


飛び入りライブデー。今晩の呼び物は、琴と尺八の演奏になるはずだった。しかし、午後7時過ぎ、彼らが来れなくなったと知らされた。彼らの演奏を聞きたいと集まってくれた人たちには申し訳ないことをしてしまった。しかし、けっこう面白い夜になった。

今夜遅く届いた堀内さんからのメールがそのことを物語っている。

  尺八奏者が来られなかったのはちょっと残念でしたが、その
    かわり皆さんと一緒に歌ったり、お茶を飲んだり、と本当に
    楽しいひとときでした。ピアノ伴奏をしてくださった勝野さ
    ん、数学の教師の浦野さん、クラシックギターの中村さん、
    長島さん、等々、本当にいろいろな人々と知り合えてうれし
    い限りです。 

演奏した人:赤羽真理、長島功、Miss Katsuno、Mr. Urano、堀内千晴、三浦久&薫子、中村東茂一。

赤羽さんはレーナ・マリアの歌がよかった。長島さんはさだまさしの「無縁坂」「案山子」「風に立つライオン」を歌ったが、彼が今まで歌った中で一番よかった。Miss Katsunoはピアノをソロで弾いてくれたり、伴奏をつけたり。Mr. Urano は長島さんのギターで「神田川」を。堀内さんは、ロシア語、英語、イタリア語の歌を。彼の記憶力にはいつも驚かされる。三浦は練習に練習を重ねた「ゴンドラの唄」を、そして薫子と一緒に"Who's Gonna Shoe Your Pretty Little Foot?"を。中村さんは「ジャニー・ギター」「禁じられた遊び」等をクラシックギターで。

Makoto Akahane   Isao Nagashima 
                            
Miss Katsuno       Tomokazu Nakamura 

同じ「飛び入りライブデー」でもその日によっていつも違うのが面白い。楽しい夜だった。


December 5, 2003 Friday

Amazon Books Japan に注文しておいた森繁久弥と遊佐未森のCDが届く。両方に「ゴンドラの唄」が入っている。歌詞カードを見ると森繁の「ゴンドラ」は1番と4番しか歌っていない。遊佐は1、2、4番を歌っている。ぼくが知りたかったのは2番の歌い方。それで遊佐を最初に聞いた。彼女は、最初に出てくる「頬」は「ほほ」と歌い、2番目に出てくる「頬」は「ほ」と歌っている。ぼくは両方ともに「ほほ」と歌いたい。「君がほに」では音として聞いただけではそれが頬とは分からない。

次に森繁の「ゴンドラ」を聞いた。最初は下手くそと思ったが、次第にその歌い方に惹かれていくのがわかる。最後には目に涙が浮かんでいた。凄いと思った。

森繁久弥調にぼくも歌いたいと思い、お客さんのいない間、ステージで練習。ハーモニカを入れてみた。悪くない。

明日の飛び入りライブデーに久保村やよいさんと駒ヶ根のトム・ディーバーさんが、琴と尺八の演奏をしに来るとNさんが伝えに来てくれた。駒ヶ根に尺八を作っているアメリカ人がいると聞いたことがある。おそらくその人だろう。ぼくも「ゴンドラの唄」を歌うつもり。


December 4, 2003 Thursday

『追憶の60年代カリフォルニア』を最近読んだAさんから、「あなたのメロディ」でダーク・ダックスが歌ったという歌を今でも歌えますか、と聞かれた。

「歌ってみましょう」ということになり、ギターをもって歌ってみた。最初、コードがあやふやだったが、しばらく弾いていたら思い出した。ことばは単純ですぐに思い出した。

   Lord, let me see her again someday
   Lord, let me see her again someday
   I have to go to my mother 10000 miles away
   Lord, bless her, lord, walk with her
   I have to go to my mother 10000 miles away
   Lord, let me see her again someday

1964年夏、サンタローザを離れるときに書いた歌である。「もう一度会わせて」と願ったスージー・グラスピーには、1966年と1997年に会うことができた。 「一万マイル離れた母のところへ行かなければならない」と歌った母は、先月この世を去った。

歌いながら、12月19日のマンダラ2でのライブでこの歌を歌ってみたらどうかと思った。今年の年末ライブのテーマは「母」である。

9時過ぎに、Nさんがやってきた。彼の後ろに知らない人がいる。「桂九雀さんです」とNさんが言う。前からNさんは一度九雀さんの落語会をオーリアッドでやりたいと言っていた。今晩辰野のどこかで九雀さんの独演会があり、下見に九雀さんを連れてきたとのこと。打ち上げがあるとのことで、長くは話せなかったが、場所としては気に入ってもらえたようである。もし実現すれば、オーリアッドとしては初めての落語独演会になる。

九雀さんの雰囲気はとてもよかった。人柄のよさが伝わってくる。彼の師匠の枝雀さんより「素直」そうである。


December 3, 2003 Wednesday

松本から、何年も前にぼくのクラスにいたI君が訪ねてくれた。以前一度寄ってくれたようだが、その時は閉まっていたとのこと。もう32歳になったというから、彼がぼくのクラスにいたのは10年以上も前のことになる。彼は一昨年亡くなったミャンマーからの留学生ミン君の友人。しばし二人で在りし日の彼を偲んだ。

11時過ぎ家に戻って車から降りると満天の星空。10月26日の夜、エミグラントとひがしの君のライブのあと家に戻ったとき、はなちゃんやりゅうへい君が「オリオン座のまわりにあんなに星があるなんて知らなかった」といって喜んだのを思い出した。


December 2, 2003 Tuesday

「ゴンドラの唄」を練習している。2番が上手に歌えない。off note の神谷さんからいただいた「ジンターナショナル」というアルバムの中で大工さんがこの歌を歌っているが、2番は歌っていない。

   いのち短し恋せよ少女
   いざ手をとりてかの舟に
   いざ燃ゆる頬を君が頬に
   ここには誰も来ぬものを

3行目に、「頬(ほほ)」が2度出てくる。ここが字余りになってしまう。Amazon Books Japanで調べてみたら森繁久弥が歌うこの歌のCDがあった。早速注文した。2番を歌っていてくれたらいいのだが。12月19日(金)のマンダラ2での年末ライブまでには歌えるようにしたい。

この歌の詞は吉井勇、曲は中山晋平。イタリアの古典詩人ポリッツィアーノの詩がこの歌の元歌とのこと。

塩野七生訳によるポリッツィアーノの詩のファースト・ヴァースは次のとおり。

   青春とは なんと美しいものか
   とはいえ 見る間に過ぎ去ってしまう
   愉しみたい者は さあすぐに
   たしかな明日は ないのだから

吉井勇のファースト・ヴァースは次のとおり。

   いのち短し恋せよ少女
   朱き唇、あせぬ間に
   熱き血潮の冷えぬ間に
   明日の月日のないものを

吉井勇の言葉の見事さよ。

December 1, 2003 Monday

いよいよ12月。今月オーリアッドで予定されているイベントは、今のところ通常の飛び入りライブ以外はない。

営業日および営業時間は、水曜日から土曜日までの午後6時から11時まで。12月19日(金)はマンダラ2での恒例の年末ライブのため休業。