OREAD Diary September 1〜September 30, 2004

To OREAD Homepage



September 29, Wednesday 2004

今晩は、今朝届いたぼくのニューアルバム『千の風』のラフミックスのCD-Rを聞いた。録音直後にもらったMDよりもまとまっていて聞きやすい。とてもいい落ち着いたアルバムになりそう。トラックダウン、アルバムジャケットのデザインなど、サンタローザからもどったら忙しくなりそうだ。

ラフミックスの曲順は次のようになっていた。

    1.千の風
    2.紙ヒコーキ
   3.父よ
   4.碌山
   5.山頭火
   6.カムサハムニダ、イ・スヒョン
   7.一万マイル
   8.こおろきが歌うように
   9.新しい光迎えよう
  10.丁度よい
  11.千の風(リプライズ)

「カムサハムニダ」は、以前のバージョンよりも真に迫った感じがして、とてもいい。とにかく、今回は、シンセサイザーによる音は一切使っていない。歌も、楽器の演奏と同時にとった。確かに、もう少し上手くできたと思われるところもある。しかし、歌が生き生きしていて説得力があるようだ。

明日から10月6日まで臨時休業です。したがってこの日記もしばらくお休みです。ホームページの掲示板のほうにはサンタローザからメッセージをできたら送るつもりです。


September 25, Saturday 2004

飛び入りライブデー。レコーディングの疲れが出て体調はすこぶる悪い。2階の和室で休んでいると、6時半近く、たくさんお客さんがきているとの連絡が入る。あわてて階下に下りていく。二番テーブルに今日のメインの増沢学さんを囲んで5、6人。その中には赤羽孝昌さんもいるようだ。それに一番テーブルに飯田と諏訪からきたというオーリアッド初登場のふたり。

ぼくが「千の風」と「ガビオタの海」を歌ったあと、初登場、諏訪の井原仁志さんに歌ってもらう。最初にギターを鳴らした瞬間から、これは凄いと思わせるものがある。歌い方といいギターといい、吉田拓郎風(と、ぼくには思えた)。「いくつもの悲しみを」「血潮」「メインストリート」の3曲。ギターの鳴り方に比べてボーカルが弱く感じるところがある。そのバランスを調整すれば、もっと説得力が増えそう。

次に飯田の木下卓也さん。「東京19」「ジャパニーズ」「ひぐらし」の3曲。最後の歌はいじめられて自殺した女の子の歌。彼の曲作りの発想はぼくのそれに極めて近い。今はもう歌わないが、20代の初め、「そこへ行く日本人よ」という歌があったし、いじめと自殺のテーマには「それぞれの道」がある。プロテストソングの難しいところは、批判の対象外に自分をおいてしまうところ。プロテストソングを歌ってきた人たちが、あるときから、急に歌えなくなるのを何度も見てきた。そのことに気づき、それをどう乗り越えるかが難しいところ。

次に、赤羽孝昌さんがアカペラで「サラスボンダ」と「あざみの歌」。2曲目は途中まで。二番テーブルにいる人たちは、すでにかなり出来上がっているようだ。少々早いが、メインの増沢学さんに歌ってもらうことにする。彼もすでに奇声を発している。早く歌わなければ酔いつぶれてしまいそう。「アフリカの月」「ベイビー・カモン・イン・マイ・ルーム」「街路樹」「アイ・シャル・ビー・リリースト」の4曲。つい最近コンサートで1時間半も歌い顰蹙をかったので、今日は控えめに3曲というのを、もう一曲とお願いする。いづれもカバー曲だった。究極のオリジナルはセカンド・ラウンドにとっておいたようだ。

 

次に堀内千晴さんが、ロシア語で「ともしび」、韓国語で「果樹園への道」。続いて、ふあさんが、桃から生まれたら、「ももたろう」ではなくて「ももだろう」という詩を朗読。笑いを誘う。それから小さなオルゴールを鳴らしながら「私は私だよ」を歌い、最後にヘッセの詩「小さい少年」をもとにした歌。つづいて久々登場、諏訪の畑山靖司さん。長年歌い続けてきた人だけがもつ、独特の雰囲気。「小さな唄に手を引かれ」「月の祭り」、それに1950年代に三橋美智也が歌ったという「星屑の街」。



前半の最後は大月高志さんのピアノ。1曲目はできたばかりというまだタイトルのない曲。この曲に香さんの詩がついて新曲になるわけだ。2曲目は、久々に「パッヘルベルのカノン」。素晴らしかった。12月に「香月!」の単独コンサートをオーリアッドでやりたいとのことだが、大月さんのピアノ独奏のコーナーがあってもいいのでは。



15分の休憩後、セカンド・ラウンドが始まる。トップは、遅れてきたボブ鈴木。「月光値い千金」「雨のブルーズ」など3曲。どの歌をカバーしてもボブ鈴木節に変えてしまう上手さがある。彼のあと、前半歌った人たちに1曲づつ歌ってもらう。井原さんが「最高!」を歌い、飛び跳ねながら客席まで下りて行き、聴衆を喜ばせる。ギターワークが小気味よい。つづいて、木下さんが「太陽と水」を歌う。この歌の場合も、その「真面目さ」がぼくの歌と共通していると感じた。



増沢さんが「ミンゴスのママに」を歌う。詩は、今晩彼と一緒にきていた作家の永田浩幸さん。ミンゴスのいうのは穂高町にあるペンションおよびレストランの名前。そのオーナーが今月12日に亡くなった。その死に触発されて永田さんが書いた詩に増沢さんが曲をつけた。「私はあなたを愛していた」という繰り返しが悲しい。彼が今晩歌った歌の中ではこの歌が最高。今後も、永田浩幸作詞・増沢学作曲の歌をたくさん生み出してほしいもの。つづいて、堀内夫妻が賛美歌「悩めるイスラエル」。ふあさんが「島」を歌う。この歌を歌うふあさんのギターも声も素敵だ。この歌を聞くと不思議と心が落ち着く。

 

続いて畑山さんが「ノー・ウーマン・ノー・クライ」。久々にこの歌を聞いたが、いい歌だ。ボブ鈴木が客席からリード・ギターを弾く。最後にボブの「バンバンババン」。



飛び入りライブの土曜日は閉店の11時が回ってもまだたくさんの人が残っていて、話したり、セッションをしたりして、遅くなることが多い。そしてそれがとても楽しい。しかし今晩は、ぼくの体調が思わしくなく、11時閉店ということにしてもらった。それにしても、初登場のふたりも含めて、みんないい歌を歌っている。みんな歌が好きなんだ。

9月30日から10月6日まで臨時休業のため、来週土曜日の「飛び入りライブ」はありません。ご注意下さい。



September 24, Friday 2004

今日は昼ごろになって録音開始。まず「こおろぎが歌うように」。お昼を挟んで、「新しい光迎えよう」と「丁度よい」。録音3日目になってようやくリラックスして歌えるようになった。声がしっかりと出ている。初日に録音したものをもう一度録音しなおしたいと思ったほど。しかし、「千の風」や「紙ヒコーキ」を聞きなおしてみたが、悪いできではない。少しこわごわ歌っているが、それなりにひとつの味になっている。

 

今回は、「せーの」で一斉に録音し、後からいくつかの楽器を加えるというやり方をとった。だから、歌だけを録り直すとことができない。結果的にはそれがよかった。歌を録り直し始めると切がなくなってしまう。

今回の録音は石崎さん、そして関島さんに全面的にお世話になった。彼らの協力がなかったなら「千の風」のCD化はこんなに早くできなかっただろう。感謝してもしきれない。石崎さんは重い機材を東京から運び、セッティングをし、録音中は常にミキサーに向かっている。関島さんは、一斉の音入れのあとも、プレイバックを聞き、その場で楽譜を書き、指示を出し、休む間もなく、中尾さんとHONZIさんと音を加えている。ぼくは歌を入れてしまえば、あとは寝ていることもできた。

それでもやはり疲れてしまい、いつもの歯茎痛が始まっている。3日連続してギターを弾き続けて、右腕から肩にかけてパンパンにこっているせいである。こうなると時間が経つのを待つより仕方がない。

今回のレコーディングで Aria の400円のハーモニカが役にたった。「丁度よい」はふつうBで歌うのだが、Cで歌った。急遽Cのハーモニカを探したところ、このハーモニカが目についたというわけ。

今のところ、もっとも気に入っているのは「新しい光、迎えよう」だ。トラックダウンがすめばまた印象も変わってくるだろう。

明日は飛び入りライブ。諏訪のボブ鈴木から電話があったとのこと。明日、諏訪の歌い手何人かと歌いにくるらしい。


September 23, Thursday 2004

中尾勘ニさん昼ごろ到着。その前に、「千の風」のreprise version の録音。これは、アルバムの最後に入れる予定の、ぼくの歌と関島さんのレコーダーだけのシンプル・バージョン。

昼食前に、中尾さんを含めて「碌山」を録音。意外にも一回でOKがでる。昼食後、「カムサハムニダ、イ・スヒョン」。これも数回でOKが出る。その後、「山頭火」「父よ」「一万マイル」を夕食を挟み、夜10時までかかって録音。ちょっと疲れ気味。明日は「こおろぎが歌うように」「新し光、迎えよう」などの録音。

 

先日トシさんのコンサートの後、「千の風」を歌ったのだが、先ほどメールをチェックしたら、愛知県からきてくれた方から、「千の風」のCDの注文がきた。最終的に出来上がるのは11月の半ばから後半にかけてだと思われる。


September 22, Wednesday 2004

今日から新しいアルバムのレコーディング。今夜から3晩、妻にオーリアッドに出ることを頼む。

レコーディングは今日の午後遅くから始まり、とりあえず「紙ヒコーキ」と「千の風」を録音。東京からたくさんの機材を運んできてくれた石崎信郎さんのおかげで、わが家のリビングはレコーディング・スタジオに早変わり。




写真は左から「千の風」にバイオリンを多重にかぶせているHONZIさん。その音を聞きながら指示を出している関島岳郎さん。そして、ぼくの「すみませんもう一度お願いします」ということばにも嫌な顔ひとつせず対応してくれる石崎さん。

明日は、クラリネット、サックス奏者でドラマーの中尾勘二さんもかけつけてくれることになっている。まだ始まったばかりだが、いいアルバムになりそうな予感がする。


September 18, Saturday 2004

「トシ・コンサート」無事終了。多くの人たちから、トシさんの歌のうまさに感銘を受けたという反応があった。「何より、圧倒的な声量、表現力。色々と異論あるにしても、日本のロックシーンで頂点を極めたヴォーカリストの実力を見せてもらったと思います」というメールも届いている。

午後5時35分、トシさんとマネージャーの根本さん到着。あわただしくサウンドチェックをすませたあと、控え室で休んでもらう。6時に開場。そのときすでに10人ほどの人が外で待っていた。オーリアッドのライブでは極めてめずらしい。

7時開演。1曲目「森と風の旅人」はピアノの伴奏で歌う。歌い始めるやいなや会場は静まり返り、だれもが彼の歌に集中している。歌い終わり、フェイドアウトしていくピアノの音が完全に聞こえなくなっても会場はシーンとしている。しばらくして、割れんばかりの拍手。

その後、ギターとピアノの伴奏を織り交ぜて、「君はいないか」「遥かなる母」「海とつながる場所」などを熱唱する。2回のアンコールを含め、10曲。時間にして1時間40分。



正直なところ、彼が高音で、ときにはピアニシモで、ときにはフォルテシモで歌うことばは、耳の遠いぼくには少々聞きとれないところがあった。その中で気に入ったのは、「遥かなる母」。子供を思う母の気持ち、母を思う子供の気持ちがよく歌いこまれていた。田舎にもどるたびに笑顔で出迎えてくれる「少しやつれた母」の姿は、ぼく自身の母の姿でもあった。



彼の歌のテーマは、親をふくむ親しい人たち、ふるさと、そして、自然への優しい思いである。それは、誰もが基本的にもっている思いである。また、彼が歌や語りを通して伝えようとしている「他人との比較において生きることの愚かさ」も、すでに多くの人たちによって、書かれ、語られ、歌われてきたものである。

トシさんがおそらく影響を受けたと思われるJ.クリシュナムルティが書いた Life AheadThe First and Last Freedom は、40年近くも前に読んだときから、ぼくの愛読書である。
クリシュナムルティはいう、
野心に満ちた世界で、野心を持たずに生きるということ
は、褒賞や結果を求めずに、本当にしたいことをすると
いうことを意味している。しかしそれは実に難しい。な
ぜなら、全世界が、あなたの友達、家族、親戚、すべて
の人が、成功しよう、何かを達成しよう、一角の人物に
なろうと懸命になっているからである。しかしそのこと
を理解し、そしてそこから自由になることによってのみ、
つまり、世間的には卑しいことだと思われていたり、認
められていないことであったりしても、本当に自分がし
たいと思っていることをすることによってのみ、人は偉
大な精神を生み出すことができる。(miura訳)
トシさんの歌や語りのテーマはこのことばに収斂されているように思われる。確かにこのことばの通りで、異論を挟むのは難しい。しかし、「そのことを理解し、そしてそこから自由になること」はそう簡単にできることではない。「頂点を極めた」トシさんだからこそいえることで、今頂上を目指して四苦八苦している人は、自らそのことを体験するまではなかなか理解できないだろう。



トシさんの歌と話に共感しながらも、「世界がひとつになる」ことの難しさの前で、ぼく自身が感じてきたことは、他人に働きかける前に、常に自らの生き方を省みなければいけないということ。クリシュナムルティは、「あなたが変わらなければ世界は変わらない」といっている。

感銘深いクリシュナムルティのもうひとつのことばは、「私に従ってはいけない」というもの。「私に従いなさい」という宗教的指導者の多い中で、こういえる人は信用できると感じた。仏陀の「自らを燈火として生きなさい(自燈明)」ということばに通じるものがある。

トシさんの誰もが認めるシンガーとしての才能を、ひとつの思想を伝えるためだけでなく、この世に存在する多くの素晴らしい歌を歌うために使ってもらいたいものである。できたら自作の歌も。そうすることによってかえって、ひとつの思想を伝える歌も、よりよく伝わるのではないだろうか。

いわずもがなのことを書いてしまった。彼の歌と語りに大いに共感するところがあったからである。

                   ■

トシさんが帰ってから、いつもの飛び入りライブに。長島功さんが、亡くなった友に捧げた「最後の手紙」を初公開。まだ歌いこんでいないが、いい歌になりそうだ。赤羽真理さんが傑作「千両梨の実」。水野哲男さんが、「白馬を離れるときに書いた歌」を先週に引き続き歌う。



それからぼくが「碌山」を歌い、そのあと、長島さんが水野さんのリードギターで「無縁坂」を歌う。「碌山」にも水野さんにリードギターで入ってもらう。次に嫌がる長男の伸也に「エンドレス・レイン」を弾いてもらう。最近まったく弾いていないとのことで途中まで。東京からきていたトシさんのファンから「もっと聞きたいわ」との声。今夜は彼が手伝いにきてくれて助かった。最後の写真は、飯塚さんに頼まれて、トシさんの前で「千の風」を歌っている写真。トシさんも昨年お父さんを亡くされたとか。さすがに緊張した。飯塚さんは、数ヶ月前、トシ・コンサートをオーリアッドでできないかと打診してきた人。



いろんな意味で刺激的な夜であった。


September 17, Friday 2004

久々にひがしの君の『水の記憶』を聞く。素晴らしい。生で聞くと、ひがしの君のささやくようなつぶやくような声は、耳の遠いぼくには時々聞き取れないことがある。一生懸命聞こうとすると疲れてしまう。でもCDだと、ことばがしっかりと聞こえてくる。音楽とことばを味わいながら聞くことができる。声にも歌い方にも気負ったところがない。レコーディングを前にして、大いに学ぶところがあった。

次にこれまた久々に『ガビオタの海』を聞いた。昨日、「ほたる祭りライブのときの<フリーウエイ101>がよかったので」といって、このCDを買って下さった方がいた。今夜また、初めてのお客さんが、「2曲目がよかった」といって、このCDと『追憶の60年代カリフォルニア』を買って下さった。感謝。

いよいよ明日、「トシ・コンサート」。チケットの売れ行きは、ここにきてあまり伸びず、予想したほどではなかったが、今までオーリアッドにきたことのない人たちが大勢きてくれるようだ。X JAPAN の歌は、長男がよくピアノで弾いていた Endless Rain ぐらいしか知らないが、今、トシさんがどんな歌を歌っているか興味がある。前にも書いたが、healer や preacher としてではなく、singer としてのトシさんの歌が聞きたいものだ。


September 16, Thursday 2004

9月ももう半ばを過ぎた。2004年も足早に過ぎていく。昨日から今日にかけて、試行錯誤を重ねて、オーリアッドの photo album をつくってみた。

アルバム・タイトル下の View Slideshow をクリックすると、最初の写真が拡大されます。そのページの最上段の操作ボタンのうち、左から3番目の右向きの三角をクリックするとスライドが始まります。[5 sec]とあるのは5秒で次に進むという意味。最速[2 sec]。手動で動かしたいばあいは、右向きの三角に一本棒が立っているボタンをクリックすると次の写真へ移動します。もちろん、最初から順に見る必要はなく、見たい写真をクリックすれば拡大されます。

前半、セカンドウインド英語教室。クラスを終えて店に入ると、長島功さんがきていた。タカミネとギルドのギターの弦を変えてくれた。手馴れたものだ。弦がゆるまないように弦の先を逆に回してから巻きつける方法を過去何度か教わったが、いつも忘れてしまう。今度こそ覚えたと思うが、これもわからない。年に数回しか弦を変えないから、覚えられないのだ。豊田(勇造)君は演奏する前にいつも弦を変えている。ということは、彼の場合、ほぼ毎日変えていることになる。

弦を変えたばかりのギターはいい音だ。長年愛用してきたタカミネは、やさしい穏やかな音がする。長年ほったらかしておいたギルドは、乾いたしぶい音。レコーディングには曲によって使いわけてもいい。

「一万マイル」を入れるかどうか迷っている。64年の夏、サンタローザを出る前に書いて、日本に戻ってから、「あなたのメロディー」に応募して、ダークダックスが歌った歌。ハーモニーをつければとてもきれいになるはず。

昨日は風邪気味で最悪の体調だったが、ありがたいことに、今日は少しよくなってきた。


September 15, Wednesday 2004

土曜日以来のオーリアッド。日曜日に少し後片付けをしたが、洗わなければいけないグラスや食器がまだ残っていた。それにしても先週土曜日の飛び入りライブは大盛況だった。

その飛び入りライブの際、飯田からきた中山さんが、見たこともないカポを使っていた。G7th という名前のカポで、早速 Google で検索してみた。いくつもの Web Shop が出てきた。その中で、楽天の chuya-online が一番安く、4680円。代引きだと手数料1000円なので、月曜日に郵便振込みで送金した。手数料200円ぐらい。結局5000円以下で買うことができた。カポとしては高い。でも今朝届いたこのカポを使ってみたが、その価値が充分にある。今までいろいろなカポを使ってきたが、このカポが最高である。

取り扱いが簡単であるばかりでなく、一番のメリットは、このカポをしても弦を締め付けず、キーが高くならないこと。魔法のようなカポだ。

今晩は前半は暇で、しばらくこのカポを使ってレコーディングのための練習。音がビビルこともなく、実に使いやすい。「三浦久ホームページ」の掲示板に書いた400円のハーモニカも使ってみたが、こっちのほうは、レコーディングには使えそうもない。音が小さすぎるし、深みに欠ける。

ふあ先生が昔出した詩集『気のあう象とめぐりあいたい』が家の本棚から出てきた。奥付には著者の住所も書かれていて懐かしかった。松本市里山辺コンパギ荘。昔ここへ一晩泊めてもらったことがあった。朝起きたら誰もいず、畳の上のお皿にリンゴがひとつのっていた。


September 11, Saturday 2004

昨年6月オーリアッド再開以来、今日の飛び入りライブがもっとも盛況だった。オーリアッド・オールスターというか、三役揃い踏みというか、今までオーリアッドの飛び入りライブを支えてくれた人たちに加えて、初めての人もいて、実に盛り上がった。刺激的な夜だった。

午後7時、いつもなら閑散としていて、ぼくが間を持たせるために歌うこともあるのだが、今晩はすでにこのとき多くのパフォーマー、お客さんが集まっていた。トップバッターを堀金村の山岸豊さんにお願いする。「心のよりどころを求めて」「時間」など3曲。次にふあさんが、「おっぱい」「ゆびきり」「つまらない」などの短い詩を安藤則男さんのギターをバックに朗読する。今から30年前、ぼくが知っていたふあさんは、シンガーというよりは詩人だった。「おっぱい」という詩がぼくのお気に入りだった。

  君のやわらかいおっぱいが
  ゆっくり泳いできて
  僕のくちびるに吸いつき
  おいしいね

 

次に初登場、飯田のブルーズマン、中山昭さん。「そんなもんのブギ」「夜の輝き、真昼の暗闇」「未来を肴に」など4曲。「只者ではない」と思わせる風貌とテクニック。1曲目から聴衆の心をとらえた。ブギやブルーズのリズムに体が反応し、文句なしに楽しめた。まさに音楽。

  

次は、松本の甕綾子さんと信大生、服部君。服部君はオーリアッド初登場。「サウス・ウインド」など3曲。甕さんのアイリッシュ・ハープもさることながら、服部君のティン・ホイッスルの音色が印象的だった。またゆっくり聞きたいもの。

  

原村の篠原一弘さんはピアノで「君が生まれた日に―こうすけのうた―」「ひまわり」など3曲。いつもの安定した伸びのある歌声。弘介君もきていた。彼に最初に会ってからどのくらい経っただろうか。大きくなった。もうお父さんの写真を撮ることには興味がなくなったのかな。

  

ここで今晩のメイン「香月!」登場。いつもの友人たちを含め、多くの方々が聞きにきていた。「しろうさぎなまいにち」「誕生」など5曲。「誕生」では大月さんがメインのボーカル。彼らは同じ歌でも毎回趣向を変えて飽きさせない。アンコールに「Ann-ラストソング」をリクエストしたが、毎回同じということで、リズミカルな曲を歌う。聞いたことがある曲だが、タイトルが思い出せない。大月さんといがらんさんのギターの掛け合いが絶妙。前回に引き続き今回も、前半、香さんのマイクの調子が悪く、ご迷惑をおかけしてしまった。



ここで10分の休憩。休憩後の最初は安藤則男さん。安藤さんが一曲ソロで演奏したあと、彼のバンドSTILL のベース伊藤享さんと一緒に2曲。そのあと、ケサランパサラン雑技団のパーカッショニスト中馬さんも加わり、ふあさんが1曲歌う。素晴らしいのりのある演奏。

 

次にWISHのふたり。「風と森の祭り歌」「風のINITIALIZE」「すこやかに」の3曲。ロシヤで子供たちが大勢犠牲になった事件のあとだけに、「すこやかに」の歌詞がこころに染みる。

  すこやかに、すこやかに
  この星のすべての子供たちの
  澄んだ瞳が涙で
  溢れることのないように

彼らはこの歌を、今月15日午前11時半からのNHK長野局の番組で歌う予定。



次に前回に引きつづきシュビドゥバ・タケイさん登場。「ぼくという存在」「蜃気楼」「Jewelの箱」の3曲。前回よりも肩の力が抜けていてよかった。特に一曲目は、シュビドゥバ・タケイというよりも武井文哉の歌。続いて水野哲男さん。白馬村にまつわる歌を2曲。2曲目「16」を歌う前に、転任するために白馬村を出るときの気持ちに言及した歌を歌うことにより、「16」がより印象深いものになった。

その後、前半に歌った人たちに1曲づつお願いした。山岸さんは、「雪の夜、小布施で」を歌い、10月11日(祭)の小布施での「オーリアッド出前ライブ」の宣伝。篠原さんはタケイさんのギターを借りて「初恋」を。これは彼の歌の中でもぼくの好きな歌のひとつ。





最後に、中山昭さんにお願いする。彼はケサランパサラン雑技団のメンバーとステージに上り「ハッピーエンドじゃなくっちゃね」「梅田から難波まで」など3曲を歌う。最後の2曲は大月さんもピアノで参加。みんな初対面なのに、即興で演奏している。凄い!



すべての演奏が終わったときすでに午後11時。閉店時間だ。でもこれで終われるわけがない。店のあちこちでセッションが始まる。最終的に店を出たのは午前1時をはるかに超えていた。実に楽しい贅沢なひととき。



来週の土曜日は「トシ・コンサート」。いろんな意味で楽しみなコンサートだ。今晩、かなりチケットが売れた。


September 10, Friday 2004

久々のスイミングのあとオーリアッドへ入る。日が短くなったものだ。6時にはもうだいぶ暗くなっている。ここにきて急に涼しくなった。夏が暑かっただけに、その落差にとまどう。

昨日、今日と、自分用にドライカレーを作ってみた。玄米ピラフ用の食材にターメリックとガラムマサラを振りかけて、強火で炒めると出来上がり。これが美味しい。メニューに加えてもいいかもしれない。初めてドライカレーを食べたのは、もう30年以上も前、広小路の京都芸術文化会館のレストラン。病み付きになって、何度か食べに行ったことを覚えている。

小野の中村さん来訪。次男のマサ君も一緒だった。ニュージーランドのポリテクニックでコンピュータ・グラフィックを学び、今大阪でコンピュータを使ってイラストを描く仕事をしている。お父さんに似て個性的だ。

遅くなって、香月!の大月さんとイガランさん、それに香月!の「専属」カメラマン、上島さん来訪。

明日は飛び入りライブ。多くの参加者が予定されている。メインは香月!で、8時ごろから。



September 9, Thursday 2004

ジブラーンの会の9月例会。9時、セカンドウインド英語教室が終わり、階下に降りていくとまだ皆さん残っていた。今晩は「買うことと売ることについて」と「罪と罰について」を読んだとのこと。最後少し仲間に入れてもらった。「罪と罰について」を読んだあとだったので、チェチェンでの学校占拠事件や、日本の社会でのさまざまな事件に話が及んだ。

  肉体は正しくても精神は盗人である人に、あなた方は、いかなる
  裁きを下すのか。肉体は殺人を犯したが、自らの魂が殺されてい
  る人に、あなた方はいかなる刑を科すのか。行為においては人を
  だまし、傷つけても、自らもしいたげられ、傷つけられている人
  を、あなた方はいかに訴えるのか。「罪と罰について」より

テロリストということばの中にすでに有無をいわせぬ価値判断が含まれている。相手をテロリストと決めつける側は、自らの正義を疑わない。しかし果たしてそうだろうか。テロ行為を肯定するわけではないが、なぜそこまで追い込まれてしまったかということに思いを馳せる必要がある。イラクにしてもチェチェンにしても大国の傲慢な正義感によって翻弄され、多くの人々が殺されてきた。

しかし、どんなに傲慢であっても、狂っていても、アメリカやロシアを駆り立てたものが正義感だったならまだしも、巷間ささやかれているように、石油利権だったならば、殺された人たちは浮かばれない。

昨夜、YAMA-SHOWZのくのやんよりメール。山形の4人組アコースティック・グループ「さんだる」が、10月9日(土)の飛び入りライブに参加したいとのこと。山形ではかなり知られたグループらしい。くのやんも、その日はきたいとのこと。

明後日の飛び入りライブは、大勢の出演者になりそうだ。安藤則男さんからも参加したいとの電話があったらしい。



September 8, Wednesday 2004

台風一過、昼のうちは少し蒸し暑かったが、夜は涼しくなった。オーリアッドも今晩はクーラーをつけなくてもよかった。但し、先週の土曜日以来で空気がよどんでいる。窓を開け、空気を入れ替える。丸テーブルの上のコスモスが枯れていたので、店の前に咲いている水引草の花を切ってきて花瓶に入れる、結構風情がある。

今までオーリアッドのコーヒーはマイルドブレンドのみだった。先週から、レトロビターとビターを試しに加えてみた。「濃いのと薄いのとどちらがいいですか」と聞くと大部分のお客さんが「濃いのにして下さい」と答える。マイルドは飲みやすいが、味わって飲むにはビターがいいかもしれない。

今晩は、久々に BYRDS を聞いた。THE BYRDS GREATEST HITS で、この中に、ディランの曲が4曲入っている。Mr. Tambourine Man, All I Really Want to Do, Chimes of Freedom, My Back Pages である。どの歌も好きな歌で、バーズ独特のハーモニーとエレクトリック12弦ギターの響きが心地よい。なかでも My Back Pages がぼくのお気に入り。

   Ah but I was so much older then
    I'm younger than that now
    ああ、でもあの頃なんて年をとっていたのだろう
    今のぼくはあの頃よりずっと若い

しばらく前までは、自信をもって、ぼくもこう叫んでいた。でもどうだろう、最近は。

「老人が恐れるのは死ではなく、人生をフルに生きてこなかったのではないかという思いだ」という主旨の文を読んだことがある。つまり、老人の心を苛むのは、目前に迫った死に対する不安ではなく、過去に対する後悔の念だというのである。後悔がないわけではない。それでも、「あの頃よりずっと若い」という気分で生きたいものだ。

お客さんのいない間、長野ジャーナルのエッセイを書き、遅くなって何曲かレコーディングのための練習。


September 6, Monday 2004

10月のぼく個人のスケジュールはかなりつまってきた。その最初が、トップページにも載せたが、10月11日(月・祭)の小布施での「オーリアッド出前えライブ」。これは、「オーリアッドの飛び入りライブの雰囲気を出前したい」という堀金村の山岸豊さんの企画・プロデュースによるもの。

山岸さんは小布施で歌ったことがあるようだし、「雪の夜、小布施で」という歌もあって、小布施には詳しいようだ。ぼくは小布施で歌うのは初めて。どんなライブになるか、どのくらいの人が聞きにきてくれるのか、皆目見当がつかない。

どうぞ小布施の近くにお住まいの方がいましたら、もちろん遠方からでも、聞きに歌いにお出かけ下さい。また、小布施にはいったことがないという人も、これを機会に、小布施の見事な町並を楽しみにお出かけ下さい。詳しくは、
から。あるいは、 から。 


September 4, Saturday 2004

飛び入りライブデー。午後から雨。いつものことながら、開店してからしばらくはお客さんが少ない。最初に、ぼくが「山頭火」「こおろぎが歌うように」「私は風の声を聞いた」「千の風」を、間を持たせるために歌う。そのあと、あまり聞き手が多くないほうがいいという F. M.さん。「林道人夫」「カントリーワルツ」「トマト」。一曲目「林道人夫」は松本市在住の藤原和義さん作詞作曲とのこと。

  重いツルハシかついで、ホコリにまみれた日暮し
  黒い肌に汗を流して、林道人夫よ俺達は
  オオ、俺達は山を砕き、道を作る男さ

「カントリーワルツ」は長渕剛の歌とか。「トマト」は広島の原爆にまつわる歌。

次に常連堀内千晴さん。定番「故郷の春」を歌ったあと、彼の教会で歌う賛美歌を2曲、奥さんと二人で。次に赤羽真理さん。F. M.さんの「林道人夫」を聞いて、1曲目、藤原和義さん作詞作曲「バラライカ」、2曲目「千両梨の実」。そして最後に「旅立ちの時」。「千両梨の実」は何度聞いてもいい。最近の彼の傑作である。

 

昨夜おみえになった熊谷市の小沢武さんがきて下さった。「小諸馬子唄」「秋田馬方節」「秋田長持ち唄」を吹いた。シーンとなったオーリアッドに尺八の乾いた音が響き渡る。曲が終わるたびに大きな拍手。70歳を過ぎているとのことだがカクシャクたるもの。

次に、シュビドゥバ・タケイ登場。「おまえがス・テ・キさ」「リング」「星になった君に」「Jewelの箱」の4曲を歌う。彼の歌を以前に数度聞いたときの印象は、軽妙なギターワークと派手なアクションのロックンローラーというものだった。今夜も激しいアクションと歌唱で聴衆の度肝を抜いた。が、一番いいと思ったのは、亡くなった友に捧げた静かなバラード「星になった君に」。尺八とロックンロール。面白い取り合わせだった。




ここで20分ほど休憩。遅れてきた長島功さんが準備をする間に、ぼくが All My Loving, Can't Help Falling in Love, We Shall Overcome を歌う。We Shall Overcome はみなさんと一緒に。

長島さんは「掌」と「無縁坂」を歌う。昨年6月オーリアッド再開以来彼の歌は何度も聞いたが、今晩の彼の歌が一番心に響いた。説得力があった。そのように感じたのはぼくだけではなかった。彼の心は、親友の死というまったく予期しなかった出来事を受け入れ、そして乗り超えるために、大きな変化を体験しつつある。彼の心の中には今、大きな沈黙がある。その沈黙からことばが発せられたのだ。次に堀内さんがロシア語で「ともしび」を歌い、小沢さんが埼玉県の民謡「狭山茶作り唄」を吹く。




 

そのあと、タケイさんの高校時代の同級生水野哲男さんが「16」と「錆びた耕耘機」を歌う。水野さんが歌いにきてくれたのは久しぶり。「16」は、白馬のオリンピックのジャンプ台で16歳で亡くなった教え子を歌った歌。じーんときた。

次にF. M.さんが「同じ心で」を歌い、最後に、タケイさんと水野さんが「掌」を歌う。この歌を長島さんが歌ったとき、高校時代、二人が所属していたバンド「道化師」で自分たちも歌っていたことを思い出したとのこと。歌い方がまったく違うので、ふつつの異なる歌に聞こえた。

 

今夜は、「千の風」「トマト」「星になった君に」「16」など、死にまつわる歌が多かったせいか、渋い尺八の響きのせいか、そぼ降る雨のせいか・・・おそらくそのすべてのせいだろう・・・心落ち着く静かな飛び入りライブだった。

ライブ終了後、予期せぬ訪問者もあり、しばし歓談。最後まで残ったタケイ、水野両氏は久しぶりの再会とのことで、しばらくの間、セッション。タケイ氏は、今晩はオーディションのつもりできたといっていたが、オーリアッドにオーディションはない。いつでも気楽に歌いにきてもらいたいもの。オーリアッドは、老若男女、巧拙にかかわらず、あらゆるジャンルの表現者に開かれている。ひとつだけ条件があるとすれば、他の出演者への配慮である。



September 3, Friday 2004

ステージ隅に置いてあるパソコンを覗いていると、「やあ、この間はどうも」という元気のいい声が入り口のほうから聞こえてきた。咄嗟に顔を上げたが、老眼鏡をしていたのでよく見えない。眼鏡をかけなおし、水をいれたコップとメニューを運んでいって、よやくわかった。数週間前にきてくれた熊谷市在住の年配の方である。明日と明後日、ある企業の機械のメンテナンスの仕事をするため、今日の午後熊谷を出てきたとのこと。

よく見るとテーブルの上に長細い布の袋が置かれている。前回お見えになったときに、民謡と尺八の練習をしているといっていたのを思い出した。「尺八ですか」と聞くと、「そうです」とのこと。他のお客さんがいなかったので、お願いして、尺八を吹いてもらった。

「小諸馬子唄」「上州馬子唄」「秋田長持ち唄」の3曲吹いてくれた。尺八の音色がオーリアッドの木の壁に反射し、とてもいい雰囲気。小沢さんというこの方の尺八を吹く姿と、彼の背後の壁にかけられている六地像の絵がマッチしている。カメラをもっていかなかったのが悔やまれる。小沢さんは明日仕事が早く終わったら、飛び入りライブにきてくれるとのこと。

明日の飛び入りライブの参加者が増えてきた。また11日のライブに参加したいと、飯田に住む中山さんという人から電話があった。ブルーズを歌うという。


September 2, Thursday 2004

開店直後、水野哲男さんが久しぶりに顔を出してくれた。夏休みが終わり、運動会の準備に忙しそうだ。運動会は9月18日とのこと。暑さの中、先生も子供たちも大変だ。子供たちにとっては楽しい行事かも。

小学生の頃の運動会を思い出す。昔は、運動会は大人たちにとっても格好の娯楽だった。前の晩から場所をとるためにゴザをしきにいき、翌日は、お重につめたご馳走を食べながら、自分の子供や知り合いの子供たちに声援を送った。お昼には子供たちは家族のところへ行き一緒にお昼を食べた。

運動会の定番の出し物は、棒倒し、騎馬戦、組み体操といろいろあった。背の高かったぼくは、棒倒しは真ん中で棒を支える役。騎馬戦は一番前で騎手を乗せる役。組み体操は、一番下で支える役だった。「かけっこ」は苦手で、小学校の間、いつもビリはぼくか飯沢信次君だった。走るのが得意になったのは、中学になって長距離を走るようになってから。

辰野町の各小学校の運動会がある9月18日(土)は、オーリアッドでは「トシ・コンサート」。ここにきて予約が増え始めた。若い人たちが多い。今夜も、長男の中学時代の友達が二人きてくれた。そのうちの一人は長男と一緒に中学時代バンドをやっていてベースを弾いていたとのこと。今から10数年前のこと。その頃X Japan は人気の頂点にあった。ひょっとしたら、その頃はまだXだけで、Japan はついていなかったかも。県外からの予約も入っている。おそらく熱狂的なファンなのだろう。

スコーセッシのライナーの訳は今日の午後ソニーへ送った。



September 1, Wednesday 2004

いよいよ9月。先週土曜日の「そーたライブ」以来のオーリアッド。乱れたテーブルや椅子を整頓する。パソコン用のテーブルをステージ裏の控え室兼物置から取り出し、いつものステージ脇に置く。丸テーブルに販売用のCDや本を戻す。花瓶に、家からもってきたコスモスを入れる。幹は台風で倒されたが、花は元気。

ケイタイに着信の表示があった。折り返し電話する。翻訳の仕事だった。2003年2月にニューヨークで行われた Salute to the Blues というコンサートの実況録音盤のマーティン・スコーセッシのライナー。すでにメールで送られているとのことで、パソコンのスイッチを入れる。最初の方を少し読む。このコンサートは、2003年の「ブルーズの年(The Year of the Blues)」を祝う最初のイベントとのこと。ブルーズの年のおかげで、多くの翻訳を手がけることができた。そして何より、ブルーズという音楽についての知識が増えた。ブルーズを演奏するまでにはいたっていないが。

遅くなって建築家の宮澤さんが娘さんの穂乃香ちゃんときてくれた。宮澤さんは腰が痛いので暖かいものがいいと、高麗人参茶をオーダー。穂乃香ちゃんにはシークワサーのジュースを勧める。そろそろ大学へ戻るのかなと思っていたら、今日、数日滞在の予定で家に戻ってきたばかりとのこと。今年の4月から東京芸大の先端芸術表現科で学ぶアーティストである。彼女ほどに名前と雰囲気がぴったり合っている子を知らない。本当にほんわかとした気立てのいい子だ。


To OREAD Homepage